野菜 野菜分野の各種業務の情報、情報誌「野菜情報」の記事、統計資料など

ホーム > 野菜 > 野菜の情報 > 2 野菜の輸入動向(令和6年7月)

需給動向 野菜情報 2024年10月号

2 野菜の輸入動向(令和6年7月)

印刷ページ
野菜振興部

【要約】

 7月の輸入量は、天候不順の影響で入荷が不安定となった生鮮にんじん、生鮮たまねぎの輸入が引き続き多く、冷凍いちごも増量していることから、全体では前年同月比11%増となった。

(1)令和6年7月(速報値)

 令和6年7月の野菜輸入量は、23万3461トン(前年同月比11%増)となった。塩蔵等野菜が前年同月を下回ったものの、その他の類別が前年同月を上回ったことから、全体では前年同月をかなり大きく上回った(図1、表1)。

タイトル: p022a
 
タイトル: p022b

(2)生鮮野菜

 生鮮野菜の輸入量は、ジャンボピーマン、ばれいしょなどが前年を下回ったものの、にんじん、にんにく、たまねぎなどが前年を大幅に上回ったことから、全体では5万4375トン(前年同月比15%増)と前年をかなり大きく上回った(図2)。

タイトル: p023

 主な品目(注)のうち最も増加率が高かったのはにんじんで、9303トン(同41%増)となった。輸入先の内訳は、第1位が中国の9091トン、第2位が豪州の181トン、第3位がニュージーランドの25トンであった。年明けから春先における低温、曇天、多雨により国産の入荷量が少なく価格が高騰したため、2月以降前年を上回る輸入が続いた。
 にんじんに次いで増加率が高かったのはにんにくで、2550トン(同34%増)となった。輸入先の内訳は、第1位が中国の2344トン、第2位がスペインの176トン、第3位が米国の24トンであった。中国産は、賃金や運賃等のコスト増から輸入単価が前年を上回り、輸入数量は前年同月比32%増となった。
 にんにくに次いで増加率が高かったのはたまねぎで、2万2293トン(同26%増)となった。輸入先の内訳は、第1位が中国の2万693トン、第2位がニュージーランドの1272トン、第3位が豪州の326トンであった。ニュージーランド産は前年の輸入数量が少なかったため前年同月比435%増となった。
 一方、主な品目のうち減少率が高かったのはジャンボピーマンで、2783トン(同19%減)となった。輸入先の内訳は、第1位が韓国の2701トン、第2位がオランダの51トン、第3位がカナダの31トンであった。オランダ産が前年同月比135%増、カナダ産が同45%増となったが、韓国産が円安の進行や輸出物流コストの支援策の打ち切りにより、日本向けだったものが国内へ仕向け変更されたことから、前年同月比20%減となり、前年を大幅に下回った。
 ジャンボピーマンに次いで減少率が高かったのはばれいしょで、4423トン(同18%減)となった。輸入先は米国のみである(表2)。
 
(注)本文中の「主な品目」とは、輸入数量の多い品目のことである。
 
タイトル: p024a

(3)冷凍野菜等

 冷凍野菜の輸入量は、ばれいしょがわずかに前年を下回ったものの、いちご、ブロッコリー、いんげん豆等が前年を大幅に上回ったことから、全体では10万5106トン(前年同月比11%増)と前年をかなり大きく上回った(図3)。

タイトル: p024b
 
 主な品目のうち最も増加率が高かったのはいちごで、3871トン(同59%増)となった。
 輸入先の内訳は、第1位がモロッコの1383トン、第2位が中国の1111トン、第3位がエジプトの718トンであった。前月比で輸入数量は18%減少したが、モロッコが前年同月比242%、中国も同147%と大きく伸ばしたため、前年を大幅に上回った。
 いちごに次いで増加率が高かったのはブロッコリーで、6990トン(同33%増)となった。輸入先の内訳は、第1位が中国の4559トン、第2位がエクアドルの2279トン、第3位がインドの51トンであった。生鮮国産品が生育期の干ばつ傾向で入荷量が伸びなかった中、中国が前年同月比が59%増と大幅に上回った。
 ブロッコリーに次いで増加率が高かったのはいんげん豆等で、2268トン(同22%増)となった。輸入先の内訳は、第1位が中国の1284トン、第2位がタイの646トン、第3位がインドの157トンであった。中国が前年同月比22%増、タイが同35%増となったことから、前年を大幅に上回った。
 一方、減少したのはばれいしょで、3万3917トン(同1%減)となり、在庫調整などにより前年をわずかに下回った。輸入先の内訳は、第1位が米国の1万8633トン、第2位がオランダの4751トン、第3位が中国の4160トンであった(表3)。
 
タイトル: p025
 
 生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、トマト加工品のピューレ等関割以外は1万4341トン(同15%増)となり2カ月連続で前年同月比が大幅に上回った。その他、酢調製野菜のしょうがは1579トン(同8%増)、その他調製野菜のスイートコーンで5762トン(15%増)などであった。
 
タイトル: p026
タイトル: p027

タイトル: p028
タイトル: p029