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需給動向 野菜情報 2024年9月号

2 野菜の輸入動向(令和6年6月)

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野菜振興部

【要約】

 6月の輸入量は、5月に引き続き天候不順の影響により入荷が不安定となった生鮮キャベツ、生鮮にんじんの輸入が目立った。生鮮野菜、冷凍野菜、乾燥野菜およびトマト加工品が増加したことなどから、全体では前年同月をわずかに上回った。

(1)令和6年6月(速報値)

 令和6年6月の野菜輸入量は、22万2987トン(前年同月比1%増)となった。塩蔵等野菜、酢調製野菜、その他調製野菜およびその他が前年同月を下回ったものの、生鮮野菜、冷凍野菜、乾燥野菜およびトマト加工品が前年同月を上回ったことから、全体では前年同月をわずかに上回った(図1、表1)。

タイトル: p020a

タイトル: p020b

(2)生鮮野菜

 生鮮野菜の輸入量は、かぼちゃ、ジャンボピーマン、ごぼうなどが前年を大幅に下回ったものの、キャベツ、ばれいしょ、にんじんなどが前年を大幅に上回ったことから、全体では前年同月比2%増と前年をわずかに上回った(図2)。

タイトル: p021
 
 主な品目(注)のうち最も増加率が高かったのはキャベツで、1611トン(同216%増)となった。全量が中国からの輸入であった。端境や天候不順の影響による価格急騰から、5月に加工・業務用需要を中心に輸入にシフトしたため、6月も引き続き前年を大幅に上回ったが、前月比では45%減とほぼ半減した。
 キャベツに次いで増加率が高かったのはばれいしょで、3694トン(同44%増)となったが前月比では34%減となった。なお、生鮮ばれいしょは米国以外からの輸入は禁止されているか、または隔離検疫を受ける必要があり、米国産も、用途はチップス原料用に限られている。
 ばれいしょに次いで増加率が高かったのはにんじんで、9680トン(同36%増)となった。輸入先の内訳は、第1位が中国の9547トン、第2位がオーストラリアの130トン、第3位がオランダの2トンであった。国産品が天候不順や高温の影響により細物傾向で市場入荷量が少なかったことから、前年を大幅に上回った。
 一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはかぼちゃで、4791トン(同45%減)となった。輸入先の内訳は、第1位がメキシコの4764トン、第2位がニュージーランドの26トン、第3位が南アフリカの1トンであった。ニュージーランド産からメキシコ産への切り替わりの時期であるが、メキシコ産が前年の約半数に減少したため前年を大幅に下回った。
 かぼちゃに次いで減少率が高かったのはジャンボピーマンで、2087トン(同28%減)となった。輸入先の内訳は、第1位が韓国の1993トン、第2位がオランダの53トン、第3位がカナダの40トンであった。円安で輸入コストが増加したことに加え、韓国産が前年同月比30%減となったことから、前年を大幅に下回った。
 ジャンボピーマンに次いで減少率が高かったのはごぼうで、2431トン(同20%減)となった。輸入先の内訳は、第1位が中国の2422トン、第2位が台湾の10トンであった。円安で輸入コストが増加したことから、前年を大幅に下回った(表2)。
 
(注)本文中の「主な品目」とは、輸入数量の多い品目のことである。
 
タイトル: p022a

(3)冷凍野菜等

 冷凍野菜の輸入量は、えだまめ、さといも、いんげん豆等などが前年を下回ったものの、いちご、スイートコーン、ほうれんそう等などが前年を大幅に上回ったことから、全体では前年同月比4%増と前年をやや上回った(図3)。

タイトル: p022b
 
 主な品目のうち最も増加率が高かったのはいちごで、4706トン(同50%増)となった。輸入先の内訳は、第1位がエジプトの2184トン、第2位がモロッコの1355トン、第3位が中国の580トンであった。5~6月は年間の中でも冷凍いちごの輸入数量が増える時期ではあるが、特にエジプトが前年同月比146%増と大きく伸ばしたため、前年を大幅に上回った。
 いちごに次いで増加率が高かったのはスイートコーンで、4418トン(同24%増)となった。輸入先の内訳は、第1位が米国の2145トン、第2位がタイの1234トン、第3位が中国の743トンであった。前年の輸入量が少なく、米国からの輸入が前年同月比28%増となったことから、前年を大幅に上回った。
 スイートコーンに次いで増加率が高かったのはほうれんそう等で、4585トン(同23%増)となった。輸入先の内訳は、第1位が中国の4463トン、第2位が台湾の41トン、第3位がエクアドルの34トンであった。中国からの輸入が前年同月比25%増となったこと、また、外食需要が安定していることから、前年を大幅に上回った。
 主な品目のうち最も減少率が高かったのはえだまめで、5686トン(同19%減)となった。輸入先の内訳は、第1位が台湾の2366トン、第2位が中国の2302トン、第3位がタイの688トンであった。タイからの輸入が前年同月比67%減と大幅に減ったことから、前年を大幅に下回った。
 えだまめに次いで減少率が高かったのはさといもで、1478トン(同18%減)となった。輸入先の内訳は、第1位が中国の1477トン、第2位がベトナムの1トンであった。円安による輸入コストの増加や中国産原料価格の上昇などにより、前年を大幅に下回った。
 さといもに次いで減少率が高かったのはいんげん豆等で、1861トン(同6%減)となった。輸入先の内訳は、第1位が中国の1160トン、第2位がタイの355トン、第3位がインドの139トンであった。中国、タイの減少分をインドとベルギーがカバーし、前年をわずかに下回った(表3)。

タイトル: p023
 
 生鮮野菜及び冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、塩蔵等野菜のきゅうりおよびガーキンで1453トン(同16%減)、その他調製野菜のスイートコーンで4044トン(29%減)、その他調製野菜のたけのこで3793トン(17%減)、トマト加工品のトマトピューレ等関割で1019トン(32%増)などであった。

タイトル: p024
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