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需給動向 野菜情報 2024年8月号

2 野菜の輸入動向(令和6年5月)

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野菜振興部

【要約】

 5月の輸入量は、塩蔵等野菜などが前年同月をやや下回ったものの、一部の品目において、国産品の主産地の切り替わりによる端境期に市場入荷量が伸びなかったことなどを背景に、生鮮野菜および冷凍野菜でかなり大きく増加したほか、酢調製野菜、トマト加工品およびその他調製野菜も増加したことなどから、全体では前年同月をかなり大きく上回った。

(1)令和6年5月(速報値)

 令和6年5月の野菜輸入量は、23万9144トン(前年同月比11%増)となった。塩蔵等野菜およびその他が前年同月を下回ったものの、生鮮野菜および冷凍野菜が前年同月をかなり大きく上回り、酢調製野菜およびトマト加工品がかなりの程度上回った。全体では、円安によるコスト上昇や輸入国の天候不順により5カ年平均を下回った前年同月をかなり大きく上回った(図1、表1)。
 
タイトル: p036a

タイトル: p036b

(2)生鮮野菜

 生鮮野菜の輸入量は、ジャンボピーマン、メロン、ばれいしょなどが前年を下回ったものの、キャベツ、かぼちゃ、ごぼうなどが前年を大幅に上回ったことから、全体では前年同月比17%増と前年を大幅に上回った(図2)。
 
タイトル: p037
 
 主な品目(注)のうち最も増加率が高かったのはキャベツで、2913トン(同270%増)となった。全量が中国からの輸入であった。国産品が主産地の切り替わりによって端境となったことに加え、天候不順の影響により一部産地が不作傾向となったことなどにより、業務用を中心に市場入荷量が少なかったことから、前年を大幅に上回った。
 キャベツに次いで増加率が高かったのはかぼちゃで、7589トン(同33%増)となった。輸入先の内訳は、第1位がメキシコの5071トン、第2位がニュージーランドの2517トン、第3位が南アフリカの1トンであった。前年は、異常気象による物流停滞でニュージーランド産の輸入量が少なかったことから、前年を大幅に上回った。
 かぼちゃに次いで増加率が高かったのはごぼうで、3351トン(同20%増)となった。輸入先の内訳は、第1位が中国の3291トン、第2位が台湾の61トンであった。国産品が主産地の切り替わりによって端境となったことにより、市場入荷量が少なかったことから、前年を大幅に上回った。
 一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはジャンボピーマンで、1689トン(同19%減)となった。輸入先の内訳は、第1位が韓国の1573トン、第2位がオランダの48トン、第3位がカナダの48トンであった。円安で輸入コストが増加したことに加え、韓国産が円安による収益性の低下を背景に輸出先を東南アジアへシフトしていたことから、前年を大幅に下回った。
 ジャンボピーマンに次いで減少率が高かったのはメロンで、1078トン(同5%減)となった。輸入先の内訳は、第1位がホンジュラスの363トン、第2位がメキシコの325トン、第3位が豪州の176トンであった。前年の輸入量が増加していたことから、前年をやや下回った。
 メロンに次いで減少率が高かったのはばれいしょで、5574トン(同2%減)となった。輸入先の内訳は、全量が米国からの輸入であった。前年の輸入量が増加していたことから、前年をわずかに下回った(表2)。
 
(注)本文中の「主な品目」とは、輸入数量の多い品目のことである。
 
タイトル: p038a

(3)冷凍野菜等

 冷凍野菜の輸入量は、えだまめなどが前年を下回ったものの、ほうれんそう等、ブロッコリー、いちごなどが前年を大幅に上回ったことから、全体では前年同月比14%増と前年をかなり大きく上回った(図3)。

タイトル: p038b
 
 主な品目のうち最も増加率が高かったのはほうれんそう等で、4556トン(同35%増)となった。輸入先の内訳は、第1位が中国の4303トン、第2位がミャンマーの139トン、第3位が台湾の55トンであった。国産生鮮品が主産地の切り替わりによって端境であったことに加え天候不順や病害発生により価格が高騰したことから、前年を大幅に上回った。
 ほうれんそう等に次いで増加率が高かったのはブロッコリーで、6700トン(同28%増)となった。輸入先の内訳は、第1位が中国の4310トン、第2位がエクアドルの2225トン、第3位がインドの60トンであった。外食産業などの需要が安定している中、国産生鮮品が主産地の切り替わりによって端境となったことにより、市場入荷量が少なかったことから、前年を大幅に上回った。
 ブロッコリーに次いで増加率が高かったのはいちごで、3761トン(同27%増)となった。輸入先の内訳は、第1位がモロッコの1236トン、第2位がエジプトの1080トン、第3位が中国の613トンであった。モロッコおよびエジプトが数量を大きく伸ばしたため、前年を大幅に上回った。
 主な品目のうち最も減少率が高かったのはえだまめで、5916トン(同12%減)となった。輸入先の内訳は、第1位が台湾の2760トン、第2位が中国の2058トン、第3位がタイの880トンであった。前年の輸入量が多かったことに加え、本年は円安による輸入コストの増加や在庫調整などから、前年をかなり大きく下回った(表3)。

タイトル: p039
 
 生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、塩蔵等野菜のきゅうり及びガーキンで1367トン(同19%減)、塩蔵等野菜のしょうがで1334トン(同19%減)、酢調製野菜のしょうがで1468トン(同13%増)、トマト加工品のトマトピューレ等関割で1038トン(同27%増)、その他調製野菜のスイートコーンで4799トン(同14%減)などであった。
 
タイトル: p040
タイトル: p041

タイトル: p042
タイトル: p043