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需給動向 野菜情報 2024年7月号

2 野菜の輸入動向(令和6年4月)

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野菜振興部

【要約】

 4月の輸入量は、酢調製野菜、トマト加工品およびその他調製野菜が前年同月を下回ったものの、生育期の高温・干ばつ、収穫期の低温・干ばつによる国産品の不作傾向などを背景に生鮮野菜で増加したほか、原料価格の高騰や在庫調整などにより、冷凍野菜も増加したことなどから、全体では前年同月をかなり大きく上回った。

(1)令和6年4月(速報値)

 令和6年4月の野菜輸入量は、25万8267トン(前年同月比12%増)となった。酢調製野菜、トマト加工品およびその他調製野菜が前年同月を下回ったものの、生鮮野菜、冷凍野菜、塩蔵等野菜、乾燥野菜およびその他が前年同月を上回ったことから、全体では前年同月をかなり大きく上回った(図1、表1)。
 
タイトル: p022a
 
タイトル: p022b

(2)生鮮野菜

 生鮮野菜の輸入量は、ジャンボピーマン、ごぼうなどが前年を下回ったものの、かぼちゃ、キャベツ、ねぎなどが前年を大幅に上回ったことから、全体では前年同月比34%増と前年を大幅に上回った(図2)。
 
タイトル: p023
 
 主な品目(注)のうち最も増加率が高かったのはかぼちゃで、1万6451トン(同136%増)となった。輸入先の内訳は、第1位がニュージーランドの1万5721トン、第2位がメキシコの729トン、第3位が南アフリカの1トンであった。前年は、異常気象による物流停滞でニュージーランド産の輸入量が少なかったことから、前年を大幅に上回った。
 かぼちゃに次いで増加率が高かったのはキャベツで、1385トン(同53%増)となった。全量が中国からの輸入であった。
 キャベツに次いで増加率が高かったのはねぎで、5448トン(同39%増)となった。全量が中国からの輸入であった。これらの品目は、国産品が生育期の高温・干ばつ、収穫期の低温・干ばつの影響により市場入荷量が伸び悩み、平年を大幅に上回る価格となった中、需要も安定していたことから、前年を大幅に上回った。
 一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはジャンボピーマンで、1633トン(同27%減)となった。輸入先の内訳は、第1位が韓国の1306トン、第2位がニュージーランドの252トン、第3位がカナダの61トンであった。円安で輸入コストが増加したことに加え、韓国産が円安による収益性の低下を背景に輸出先を東南アジアへシフトしていたことから、前年を大幅に下回った。
 ジャンボピーマンに次いで減少率が高かったのはごぼうで、3157トン(同12%減)となった。輸入先の内訳は、第1位が中国の3103トン、第2位が台湾の54トンであった。前年の輸入量が多かったことに加え、円安による輸入コストの増加などを背景に中国産の輸入量が減少したことから、前年をかなり大きく下回った(表2)。
 
(注)本文中の「主な品目」とは、輸入数量の多い品目のことである。

タイトル: p024a

(3)冷凍野菜等

 冷凍野菜の輸入量は、いちご、いんげん豆等などが前年を下回ったものの、さといも、スイートコーン、ばれいしょなどが前年を大幅に上回ったことから、全体では前年同月比11%増と前年をかなり大きく上回った(図3)。
 
タイトル: p024b
 
 主な品目のうち最も増加率が高かったのはさといもで、2210トン(同23%増)となった。輸入先の内訳は、第1位が中国の2207トン、第2位がタイの2トンであった。前年の輸入量が少なかったことに加え、国産生鮮品が干ばつの影響で市場入荷量が少なく、価格が高値で推移していたことから、前年を大幅に上回った。
 さといもに次いで増加率が高かったのはスイートコーンで、4758トン(同19%増)となった。輸入先の内訳は、第1位が米国の2469トン、第2位がタイの924トン、第3位が中国の805トンであった。在庫調整などから、前年を大幅に上回った。
 スイートコーンに次いで増加率が高かったのはばれいしょで、4万4175トン(同18%増)となった。輸入先の内訳は、第1位が米国の2万8217トン、第2位がオランダの4265トン、第3位がベルギーの4205トンであった。前年の輸入量が少なかったことから、前年を大幅に上回った。
 主な品目のうち最も減少率が高かったのはいちごで、1892トン(同26%減)となった。輸入先の内訳は、第1位が中国の954トン、第2位がエジプトの288トン、第3位がチリの261トンであった。本年は円安による輸入コストの増加や在庫調整などから、前年を大幅に下回った。
 いちごに次いで減少率が高かったのはいんげん豆等で、1703トン(同13%減)となった。輸入先の内訳は、第1位が中国の1007トン、第2位がタイの478トン、第3位がベルギーの51トンであった。円安による輸入コストの増加に加え、在庫調整により前年をかなり大きく下回った(表3)。

タイトル: p025
 
 生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、塩蔵等野菜のきゅうりおよびガーキンで1143トン(同26%減)、トマト加工品のピューレ等関割以外で1万3498トン(同19%減)、その他調製野菜のスイートコーンで4128トン(同20%減)、その他調製野菜のたけのこで4816トン(同15%増)、その他調製野菜のにんじんジュースで1672トン(同49%減)などであった。
 
タイトル: p026
タイトル: p027

タイトル: p028
タイトル: p029