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需給動向 野菜情報 2024年5月号

1 東京都・大阪市中央卸売市場の需給動向(令和6年3月)

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野菜振興部・調査情報部

【要約】

⃝東京都中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は10万4782トン、前年同月比94.1%、価格は1キログラム当たり306円、同115.0%となった。
⃝大阪市中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は3万5329トン、前年同月比96.7%、価格は1キログラム当たり260円、同109.7%となった。
⃝5月は、豊作で採り遅れるといった展開はなく、全般的に不作気味で、市場価格は高めに推移すると予想される。

(1)気象概況

 上旬は、日本付近に寒気が流れ込みやすく、旬平均気温は、北・東・西日本で低く、沖縄・奄美では平年並だった。降雪量は、北日本日本海側で多く、特に西高東低の気圧配置が強まった2日には西日本日本海側でも降雪があり、4日には北・東日本日本海側で大雪となった所もあった。8日には南岸低気圧の影響で関東地方の平野部でも降雪があった。また、5~6日にかけては南岸低気圧や前線の影響で、沖縄・奄美や東日本太平洋側では大雨となった所があった。このため、旬降水量は、北日本日本海側、東日本で多く、北日本太平洋側、西日本、沖縄・奄美では平年並だった。旬間日照時間は、西日本太平洋側で多く、東日本日本海側、沖縄・奄美では少なかった。北日本、東日本太平洋側、西日本日本海側では平年並だった。
 中旬は、全国的に数日の周期で変化したが、高気圧に覆われて晴れた日が多かったため、旬間日照時間は、西日本日本海側と東日本太平洋側でかなり多く、東日本日本海側、西日本太平洋側と沖縄・奄美で多かった。北日本では平年並だった。旬降水量は、低気圧や前線の影響で、東日本で多く、北日本、西日本、沖縄・奄美では平年並だった。12日から13日にかけてと、18日から20日にかけては、発達した低気圧や寒気の影響で北・東・西日本では荒れた天気となった所があった。旬平均気温は、全国的に平年並だった。
 下旬は、全国的に数日の周期で変化した。高気圧に覆われやすかったため、旬間日照時間は、北日本と沖縄・奄美で多かったが、東日本と西日本で少なかった。29日には低気圧の影響で大雨となった所があったため、旬降水量は、北日本太平洋側で多く、北日本日本海側、沖縄・奄美では平年並だった。一方、東・西日本では低気圧や前線の影響を受けやすく、湿った空気が流れ込んで大雨となった所もあったため、東日本太平洋側と西日本でかなり多く、東日本日本海側で多かった。特に、西日本日本海側では旬降水量の平年比が268%となり、1946年の統計開始以降で3月下旬として1位の多雨となった。旬間日照時間は、期間のはじめは西高東低の気圧配置となり、寒気が流れ込みやすかった。その後は暖かい空気に覆われやすく、期間の中頃は沖縄・奄美から西日本を中心に、期間の終わりは全国的に、暖かい空気が流れ込んで気温が平年を大きく上回ったため、旬平均気温は、西日本でかなり高く、北・東日本と沖縄・奄美で高かった。
 旬別の平均気温、降水量、日照時間は以下の通り(図1)。

タイトル: p012a

(2)東京都中央卸売市場

 東京都中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は10万4782トン、前年同月比94.1%、価格は1キログラム当たり306円、同115.0%となった(表1)。

タイトル: p012b
 
 根菜類は、にんじんの価格が、千葉産が減少に向かった中旬以降に価格が上がり、前年を3割近く上回り、平年を3割以上上回った(図2)。
 葉茎菜類は、レタスの価格が中旬以降下旬に向けて高騰し、高めに推移した前年を2割以上上回り、平年を4割近く上回った(図3)。
 果菜類は、きゅうりの価格が下旬に向け落ち着いたものの、不足感から、高めに推移した前年を3割以上上回り、平年を4割以上上回った(図4)。
 土物類は、たまねぎの価格が堅調な推移となり、前年を1割以上上回り、平年を2割近く上回った(図5)。
 なお、品目別の詳細については表2の通り。

タイトル: p013
 
タイトル: p014
タイトル: p015a
 

(3)大阪市中央卸売市場

 大阪市中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は3万5329トン、前年同月比96.7%、価格は1キログラム当たり260円、同109.7%となった(表3)。
品目別の詳細については表4の通り。

タイトル: p015b
 
タイトル: p016
タイトル: p017

(4)首都圏の需要を中心とした5月の見通し

 春野菜への切り替わりの時期である3月は、低温傾向と曇雨天が続いたため端境が生じた。3月末にははくさいの価格が暴騰した。後続のはくさい産地は「4月には急増して価格は落ち着く」との見解である。4月の気温が高めに推移すれば、野菜全般の出荷が出揃って価格は落ち着くと予想される。3~4月にかけては雨がちではあるが晴れの日も周期的に訪れ、5~6月の果菜類の不作の心配はないと予想される。5月後半からスタートする高原物は、作業の遅れにより、6月の出荷時期に量のばらつきが予想される。
 春野菜全般としては、豊作で採り遅れといった展開はなく、不作気味で市場価格は高めに推移すると予想される。

タイトル: p018a
 だいこんは、千葉産(鎌ヶ谷)は4月に入ってから直ぐに出荷が始まり、この上中旬をピークに5月上旬で切り上がると予想される。生産者の高齢化による作付けの減少もあり、出荷は前年をやや下回ると予想している。千葉産(ちばみどり)は11月下旬の干ばつの影響により、現状は横縞症(皮目に沿ってへこみ褐色の筋が発生する)が見られる。出荷量は雨が続いた影響により少ないが、4月に入って回復し、5月10日過ぎには減ってくると予想している。平年作であるが、4~5月に前進して少なくなった前年を上回ると予想される。青森産は、3月に積雪した影響により、例年より5~7日程度遅れて5月20日過ぎから出荷が始まり、ピークは6月に入ってからと予想される。Lサイズが中心になることを想定して収穫するが、次に多くなるサイズが2LかMかの予想は難しい。
 にんじんは、徳島産は3月下旬時点では降雨が続き、出荷は減少している。圃場(ほじょう)には充分あるため、天候が回復すれば再び増えると予想される。全体の作柄は平年作とみている。出荷のピークは4月下旬から5月上旬で、10日過ぎには減って6月10日過ぎまで出荷できると予想される。品種は「彩誉(あやほまれ)」中心で、後半には「(べに)ひなた」が多くなると予想される。5月には肥大してLサイズが多くなると予想される。千葉産の春にんじんは5月の連休明けから出荷が始まる予定で、現時点では生育順調で、6月いっぱいぐらいまでと予想される。

タイトル: p018b
 キャベツは、千葉産の出荷の現状は、端境を迎えて少なくなっており、例年の70~80%となっている。2月の寒暖差や、雨が多かったことにより、全般的に小玉傾向となったことや、品質が悪く出荷できない物があったためである。今後天気が回復すれば、5月に入り例年並みに回復すると予想している。愛知産の春キャベツは、4月10日以降減り、5月上旬までの出荷と予想される。冬系品種の新キャベツは、5月初め頃に一回目のピークがきて、その後5月10日~15日頃に二回目のピークがくると予想される。いずれも生育は順調で、例年並みの出荷を予想している。神奈川産の金系201号キャベツは、例年より大幅に早く2月から始まったが、3月の冷え込みから失速し、現状は例年の80%ペースの出荷になっている。圃場には十分あるため、4~5月には回復すると予想される。5月中旬には例年よりやや早めに切り上がり、5月としては前年を下回る出荷と予想される。茨城産は例年同様5月10日前後からの出荷と予想される。ピークは5月下旬から6月いっぱいで、作付けは前年と同様で、品種は寒玉系である。
 はくさいは、茨城産は2月下旬から冷え込みが長く続き、春はくさいの生育は芳しくなかった。3月の最終週も雨の日が多く収穫作業ができなかった。さらに3月下旬の秋冬物も全国的に早く切り上がって出回り不足となり、出荷量は例年の3分の1程度で、価格が暴騰した。4月に入り回復し、5月は問題なく例年並みに出荷でき、出荷は6月上旬までと予想される。長野産の現状は定植も生育も約一週間遅れている。出荷の始まりは5月中旬後半と予想している。作付けは例年と同様であり、園地は小諸市の標高700~800メートル地帯である。
 ほうれんそうは、群馬産は露地物で、現状は寒さにより生育が止まっている。近年のこの時期は干ばつ気味となるが、今年は雨が多い。4月20日過ぎに増えてきて、5月に入り急増すると予想している。現在の播種(はしゅ)作業の状況を踏まえると、中旬頃の出荷が減る展開も予想される。農家数は変わらず、天候が回復すれば例年並みの出荷を予想している。岩手産は3月前半は例年より寒かったが出荷には影響はない。当面のピークは6月で、5月は増えながら推移すると予想される。しばらくは東北各県への出荷が多いが、5月には東京への出荷が増えると予想される。作付けの減少から、5月としては前年をやや下回ると予想している。群馬産の現状は周年栽培の出荷のみとなっており、ほぼ例年通りの出荷で、4~5月の数量は例年通りと予想される。
 ねぎは、茨城産は、4月下旬から本格化する夏ねぎの生育が順調である。トンネルを外した直後に強風に遭遇し、一部で葉の損傷が見られたが、大きな影響は受けていない。当初前進すると予想したがそれ程でもなく、7月まで平年並みに潤沢な出荷を維持できると予想される。千葉産の現状は天候の影響もなく、例年並みの出荷となっている。4~5月は夏ねぎのピークとなり、2Lサイズ中心に前年並みかやや少なめで、6月に入り減少すると予想される。
 レタスは、茨城産の岩井地区は2月の暖冬により7~10日前進し、前年の140%程度の出荷となった。現状はこの影響で端境を迎えている。さらにトンネルの次のべた掛け物や露地物の生育が寒の戻りで停滞している。これらは4月10日頃からピークとなるが、切り上がりは早く5月は少なくなると予想される。結城地区は3月は小玉傾向で箱数が伸びず、作付面積の減少もあり、例年を下回った。4月も例年のような大きなピークにならず、ほぼ5月いっぱい一定のペースでの出荷が続くと予想している。長崎産は天候不順により現状の出荷は例年の70%ペースとなっており、腐敗も発生している。4月に入って回復を期待しているが、5月には減り、例年より早く下旬には切り上がると予想される。群馬産は例年より一週間程度の遅れとなっているが、4月中旬から始まり、当面のピークは5月の連休明け頃と予想される。現状はマルチが張れず、この影響により5月下旬にやや少なくなる可能性がある。6月中旬から再び増えるといった増減の激しい展開も予想される。長野産は今年3月の積雪が多く、出荷開始は10日程度遅れて4月末頃を予想している。5月中旬にピークとなり、5月としては前年並みを予想している。

タイトル: p019
 きゅうりは、埼玉産の現状は天候不順の影響により少なめの出荷となっており、寒暖差が大きいことも影響している。5月の連休明け頃には増えてピークとなり、その後減りながら推移し、7月初め頃には切り上がると予想される。5月は前年並みの出荷を予想している。宮城産の現状は出荷が始まっているが、例年並みのペースとなっており、ピークは連休を挟む4月後半から5月初め頃を予想している。その後もピークは巡ってきて、出荷は7月上旬までと予想される。作付けは前年の90%程度である。群馬産の生育は順調で、前年並みに6月いっぱいが出荷のピークとなる見込みである。
 なすは、高知産は2月下旬から天気がぐずついた影響により3月は少なくなったが、4月に回復すると予想している。例年は4~5月がピークとなり、6月に入り徐々に切り上がるが、梅雨が始まる時期によっては、このパターンが崩れることも予想される。福岡産の長なすは、曇天が多く続いているが木の状態は悪くない。4月中旬から5月にかけてがピークで、5月の連休明けには減り、切り上がるのは7月中旬と予想される。量的には平年並みを予想している。
 トマトは、福岡産の越冬物は5月がピークで、6月中旬頃に切り上がると予想される。3月の多雨により病気が見られ、4~5月の出荷は例年を下回ると予想している。品種は「桃太郎系」で、MSサイズ中心の見込みである。佐賀産の「光樹とまと」は2~3月の天候不順により一時落ち込むことはあったが、現状は順調である。当面のピークは4~5月で、6月中旬から徐々に切り上がると予想される。品種は「サンロード」で、中心サイズはMである。熊本産の現状は天候による減少などはない。ピークは4月下旬以降で、6月中旬から減り始めて6月いっぱいの出荷と予想している。ミニトマトは、熊本産の現状は天候の影響はなく、順調に前年並みに出荷されている。出荷のピークは4月下旬から5月下旬の1カ月間で、6月中旬以降に減ってくると予想している。作付けは若干減少している。中心品種は「CF千果」「小鈴」である。
 ピーマンは、茨城産の春ピーマンは4月下旬から6月中旬までがピークと予想される。3月は曇天により花落ちするなど、出荷が少なかった。4月に入り気温が上がれば、5月まで平年並みに回復すると予想される。加温物も引き続き入荷するが、全体では前年並みを予想している。宮崎産の現状の冬春物は、3月の好天の影響もあり、ピークとなっている。5月の出荷は例年並みで、最終の出荷は6月中旬と予想している。鹿児島産の冬春ピーマンは現在後半に入っており、病気が見られるなど作柄は例年より悪い。4月は収量が多くピークとなり、5月はらっきょうの作業に忙しいため少なくなって、月末には切り上がると予想される。

タイトル: p020a
 ばれいしょは、静岡産の「三方ヶ原男爵」は5月中旬から出荷が始まるが、3月の低温の影響により例年より少し遅れると予想している。出荷のピークは6月上旬で、7月いっぱいまでと予想され、例年よりやや小ぶりの可能性もある。長崎産の春ばれいしょの走り物は例年より早めの3月末頃から始まった。平年と同様、東京市場への出荷は4月中下旬からで、ピークは5月と予想される。作柄は平年作で、生育に悪影響を与えるものは見当たらない。
 たまねぎは、佐賀産の現状は(ごく)早生(わせ)の出荷となっており、平年作である。早生の収穫は4月10日から始まり、出荷が始まるのはその7日~10日後である。4月下旬が全体のピークとなると予想される。中生(なかて)の収穫は5月末頃から始まる。3月は雨が多かったが大きさは平年並であった。兵庫産の現状は極早生の出荷となっているが、例年より多い。早生が始まるのは4月20日過ぎで、5月の連休頃に出荷のピークを迎えると予想される。作付けが増えていることもあり、5月は前年を上回る出荷が予想される。大きさはLサイズ中心で平年並みである。香川産は例年よりやや遅めの5月の連休明けからの出荷となると予想される。ピークは5~6月で、作付けは例年と変わらない。現状雨が多く、病気の発生が懸念される。千葉産は例年より早く収穫が始まっており、市場出荷は4月15日~20日の間に始まり、ピークは4月末から5月上旬と予想している。今のところ病気の発生もなく生育は順調で、肥大良好である。

タイトル: p020b
 ブロッコリーは、埼玉産の春ブロッコリーは出荷が10日以上遅れており、4月に気温が上がれば急増が予想される。当初から出荷期間は1か月程度であり、5月15日過ぎには急減し終盤を迎えると予想される。愛知産の春ブロッコリーは4月中下旬がピークで、特別天候不順の影響はない。5月も出荷されるが、作付けが減少しているため、6月はかなり少ないと予想される。品種は「恵麟(けいりん)」である。
 
 カリフラワーは、茨城産は、3月中旬のハウス物から始まり、4月にトンネル物も始まり、4月下旬から5月いっぱいがピークと予想される。天候不順ではあるが、生育は順調で今後増えると予想される。生産者が増えており、前年を上回る出荷を予想している。
 
 アスパラガスは、福島産はやや出遅れて4月6日頃から出荷が始まり、ハウス物は一定ペースで出荷されピークはないと予想される。主力の露地物は4月下旬から始まり、一回目のピークは5月の連休明け頃で、5月末頃に一旦切り上がると予想される。昨年の夏の高温により、株の出来が良くない可能性が大きい。北海道産のハウス物は4月5日から始まり、これは道内のみの出荷となる。5月20日から出荷が始まる露地物から東京市場に出回る。ピークは5月末頃から6月と予想される。前年の養成時期の天候が良くなかったことにより株の出来が悪く、やや不作年となる可能性がある。
 
 かぶは、千葉産は、暖冬の影響により現状までは例年より多く出荷された。4月までは順調に多いが、5月にはにんじんの出荷が始まるため、量は減ると予想される。5月としては前年並みかやや多いと予想している。青森産はほぼ例年と同様、5月20日頃から始まると予想され、作付けも前年並みである。6月中旬からピークとなるが、7月以降も出荷は続く見込みである。品種は「玉里(たまさと)」「なつばな」である。
 
 かぼちゃは、鹿児島産の出荷の始まりは5月初めからで、高齢化の影響により作付けは前年の90%と減っている。出荷のピークは5月から6月中旬までと予想される。品種は「えびす」「栗五郎」であり、中心は5玉6玉サイズである。
 
 スイートコーンは、宮崎産のハウス物は4月上旬から始まり、トンネル物も5月の連休明けから始まり、ピークは5月末頃で、6月上旬までの出荷と予想される。品種は「ゴールドラッシュ」で、作付けは微減である。
 
 えだまめは、千葉産のハウス物は4月に入ってから始まるが、3月の天候不順によりやや遅れて20日頃からと予想される。露地物は例年と同じでアれば中旬からと予想される。作付けはほぼ前年並みで、5月の出荷は前年並みを予想している。静岡産は周年産地のため出荷は途切れることはなく、現状は増えてきている。露地物の播種も始まり、この分は6月上中旬に出荷されると予想される。群馬産は5月中旬から始まり、ピークは6月の父の日から7月20日頃と予想される。作付けは前年並みである。
 
 そらまめは、愛媛産はやや遅めの4月20日から出荷開始の予想である。出荷のピークは5月の連休明け頃で、5月24・25日頃には切り上がると予想される。作柄は問題なく順調であるが、作付けは若干減少している。宮城産の出荷は例年より前進傾向で5月下旬から始まり、6月上旬をピークに、6月下旬には切り上がると予想される。作付けは前年より若干減少している。
 
 スナップえんどうは、福島産は5月20日過ぎから例年並みに始まると予想される。今年は降雪が少なく雪解けは早かったが、芽が出た後に積雪するなどの影響により欠株となり、例年の半作程度と予想している。きぬさやえんどうは4月から始まり5月中旬までだが、やはり不作と予想している。
 
 らっきょうは、鳥取産は例年と同じく5月20日頃から始まり、ピークは5月末から6月10日過ぎと予想される。泥付き物は6月15日頃までだが、洗い物は20日頃までで、現状は平年作を予想している。鹿児島産は例年通り4月下旬から始まり、直ぐにピークを迎え、6月上旬に切り上がると予想される。今年度は平年作で、豊作であった前年の90%程度と予想している。作付けは前年並みである。
 
 メロンは、茨城産の前年は5月13日頃から始まったが、今年は例年並みに戻り5月20日~25日の間に始まると予想される。市場で評価が高まっていることから作付けが前年より増えている「貴美メロン」のピークは6月の2週目で、7月1週目まで出荷できると予想される。
 
 すいかは、千葉産はハウス物は前年より遅く、5月中旬から始まると予想される。トンネル物は6月中旬からと予想している。ここ数年の出荷は大幅に早くなっていたが、従来の出荷パターンに近い。作付けは前年並みで、品種は「まつりばやし」である。
 
(執筆者:千葉県立農業大学校 講師 加藤 宏一)
 
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