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需給動向 野菜情報 2024年4月号

2 野菜の輸入動向(令和6年1月)

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野菜振興部

【要約】

 1月の輸入量は、国産品が不作傾向により市場入荷量が伸びなかった生鮮野菜などは前年同月を上回ったものの、原料価格の上昇や在庫調整などにより冷凍野菜などが前年同月を下回ったことから、全体では前年同月をわずかに下回った。

(1)令和6年1月(速報値)

 令和6年1月の野菜輸入量は、20万4612トン(前年同月比2%減)となった。生鮮野菜および酢調製野菜以外のすべての品目で前年同月を下回ったことから、全体では前年同月をわずかに下回った(図1、表1)。
 
タイトル: p024a
 
タイトル: p024b

(2)生鮮野菜

 生鮮野菜の輸入量は、ばれいしょ、結球レタス、にんにくなどが前年を下回ったものの、かぼちゃ、たまねぎ、ジャンボピーマンなどが前年を上回ったことから、全体では前年同月比9%増と前年をかなりの程度上回った(図2)。
 
タイトル: p025
 
 主な品目(注)のうち最も増加率が高かったのはかぼちゃで、1万1041トン(同75%増)となった。輸入先の内訳は、第1位がメキシコの1万739トン、第2位がニュージーランドの300トン、第3位が韓国の2トンであった。前年はメキシコ産が作付面積の減少により輸入量が減少したのに対し、本年は同国産が豊作基調で輸入量が回復したことから、前年を大幅に上回った。
 かぼちゃに次いで増加率が高かったのはたまねぎで、2万947トン(同17%増)となった。輸入先の内訳は、第1位が中国の1万9993トン、第2位が米国の468トン、第3位がオランダの387トンであった。前年の輸入量が少なかったことに加え、国産貯蔵品が高温干ばつの影響で不作傾向となったことから市場入荷量が伸び悩み、平年を大幅に上回る価格となったことから、前年を大幅に上回った。
 たまねぎに次いで増加率が高かったのはジャンボピーマンで、1126トン(同2%増)となった。輸入先の内訳は、第1位が韓国の647トン、第2位がニュージーランドの479トンであった。前月に引き続き、韓国産が円安による収益性の低下を背景に輸出先を東南アジアへシフトしているものの、前年は寒波の影響による生育遅れで輸入量が少なかったことから、前年をわずかに上回った。
 一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはばれいしょで、2010トン(同45%減)となった。輸入先の内訳は、全量が米国からの輸入であった。円安による輸入コストの増加に加え、需要に対して国産チップス原料が確保できていたことなどから、前年を大幅に下回った。
 ばれいしょに次いで減少率が高かったのは結球レタスで、1127トン(同31%減)となった。輸入先の内訳は、第1位が台湾の1123トン、第2位が中国の4トンであった。前年の輸入量が多かったことに加え、本年は国産品が気温高による生育前進で安定した入荷量となったことなどから、前年を大幅に下回った。
 結球レタスに次いで減少率が高かったのはにんにくで、1876トン(同15%減)となった。輸入先の内訳は、第1位が中国の1750トン、第2位がスペインの115トン、第3位が米国の10トンであった。前年の輸入量が多かったことに加え、本年は中国産の作付面積の減少による収量減や同国内需要の増加による価格上昇により、平年をかなり大きく下回った(表2)。
 
(注)本文中の「主な品目」とは、輸入数量の多い品目のことである。
 
タイトル: p026a

(3)冷凍野菜等

 冷凍野菜の輸入量は、スイートコーン、いんげん豆等、ほうれんそう等などが前年を上回ったものの、いちご、さといも、ばれいしょなどが前年を下回ったことから、全体では前年同月比5%減と前年をやや下回った(図3)。
 
タイトル: p026b
 
 主な品目のうち増加率が高かったのはスイートコーンで、3261トン(同10%増)となった。輸入先の内訳は、第1位が米国の1622トン、第2位がタイの714トン、第3位が中国の648トンであった。
 スイートコーンに次いで増加率が高かったのはいんげん豆等で、1851トン(同9%増)となった。輸入先の内訳は、第1位が中国の1148トン、第2位がタイの515トン、第3位がインドネシアの90トンであった。
 いんげん豆等に次いで増加率が高かったのはほうれんそう等で、4208トン(同2%増)となった。輸入先の内訳は、第1位が中国の4121トン、第2位がエクアドルの35トン、第3位が台湾の28トンであった。これらの品目は、1月に3連休になる週があったことによる外食機会の増加、2月の中国などにおける春節に伴うインバウンド需要の増加など、外食などを中心に需要が高まったことに加え、在庫調整などから前年を上回った。
 一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはいちごで、1761トン(同19%減)となった。輸入先の内訳は、第1位が中国の808トン、第2位がペルーの581トン、第3位がモロッコの162トンであった。前年の輸入量が多かったことから、前年を大幅に下回った。
 いちごに次いで減少率が高かったのはさといもで、2361トン(同15%減)となった。輸入先の内訳は、第1位が中国の2357トン、第2位が台湾の4トンであった。前年の輸入量が多かったことに加え、円安で輸入コストが増加する中、中国産原料価格の上昇や在庫調整などから、前年をかなり大きく下回った。
 さといもに次いで減少率が高かったのはばれいしょで、3万2734トン(同10%減)となった。輸入先の内訳は、第1位が米国の2万2653トン、第2位が中国の2943トン、第3位がベルギーの2821トンであった。在庫調整などから、前年をかなりの程度下回った(表3)。
 
タイトル: p027
 
 生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別における主要な品目の輸入量は、塩蔵等野菜ではきゅうり及びガーキンが1085トン(同46%減)、酢調製野菜ではしょうがが1413トン(同13%増)、トマト加工品ではピューレ等関割以外が9120トン(同17%増)、その他調製野菜ではスイートコーンが3308トン(同40%増)、にんじんジュースが1874トン(同12%減)などであった。

タイトル: p028タイトル: p029

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