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需給動向 野菜情報 2024年3月号

1 東京都・大阪市中央卸売市場の需給動向(令和6年1月)

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野菜振興部・調査情報部

【要約】

⃝東京都中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は10万7259トン、前年同月比96.8%、価格は1キログラム当たり250円、同96.1%となった。
⃝大阪市中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は3万3465トン、前年同月比93.2%、価格は1キログラム当たり222円、同99.1%となった。
⃝3月は、全国的に出回り不足となり、特に果菜類が想定より少ないため、価格は2月より上昇し、平年を上回ると予想している。

(1)気象概況

 上旬は、全国的に天気は数日の周期で変わった。冬型の気圧配置が長続きせず、平年に比べ晴れの日が多かったため、旬間日照時間は、東日本日本海側ではかなり多く、北日本日本海側、西日本、東日本太平洋側、沖縄・奄美では多かった。北日本太平洋側では平年並だった。その中で、7日から8日にかけては冬型の気圧配置が一時的に強まり、寒気の中の低気圧の影響を受けた北海道を中心に北・東日本日本海側で大雪となった所があった。低気圧の影響が弱かったため、旬降水量は、西日本、東日本太平洋側では少なく、北日本、東日本日本海側、沖縄・奄美では平年並だった。寒気の影響が弱く、南から暖かい空気が流れ込んだ日もあったため、旬平均気温は、東日本ではかなり高く、北日本、西日本では高かった。沖縄・奄美では平年並だった。
 中旬は、冬型の気圧配置が長続きせず、寒気の影響が弱かったため、旬平均気温は、西日本ではかなり高く、東日本と沖縄・奄美では高かった。北日本では平年並だった。その中で、15日から16日にかけては一時的に冬型の気圧配置が強まり、北海道地方を中心に北・東日本日本海側で大雪となった所があった。旬降水量は、北・東日本日本海側では多く、北・東日本太平洋側、西日本では平年並だった。一方、沖縄・奄美では少なかった。旬間日照時間は、ほぼ全国的に多く、特に冬型の気圧配置の影響と低気圧や前線の影響が弱く、高気圧に覆われて平年に比べ晴れた日が多かったため、西日本日本海側、沖縄・奄美ではかなり多く、北日本、東日本日本海側、西日本太平洋側では多かった。東日本太平洋側では平年並だった。
 下旬は、期間のはじめと終わりは、低気圧や前線が本州付近を通過し、全国的に曇りで雨や雪が降った所が多く、北・東日本太平洋側を中心にまとまった降水量となり、北日本では21日を中心に大雨や大雪となった所もあった。期間の中頃は、低気圧が北日本付近や北海道の東で発達し、冬型の気圧配置が強まった時期があったため、日本海側を中心に雪や雨が降り、24日から25日は大雪となった所があった。このため、旬降水量は、北日本でかなり多く、東日本太平洋側で多かった。東日本日本海側、西日本では平年並だった。一方、低気圧や前線の影響を受けにくかった沖縄・奄美では少なかった。また、旬降雪量は、西日本日本海側でかなり多かった。旬間日照時間は、北日本太平洋側でかなり少なく、北日本日本海側で少なかった。東日本、西日本、沖縄・奄美では平年並だった。暖かい空気に覆われやすかったため、旬平均気温は、北日本でかなり高く、東日本で高かった。一時的に寒気の影響を受けた西日本と沖縄・奄美では、気温の変動が大きかったが、平年並だった。
 旬別の平均気温、降水量、日照時間は以下の通り(図1)。

(2)東京都中央卸売市場

 東京都中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は10万7259トン、前年同月比96.8%、価格は1キログラム当たり250円、同96.1%となった(表1)。


 
 根菜類は、だいこんの価格が、前進の影響により数量が落ち着いた下旬には上昇したものの、前年を2割以上下回り、平年をやや下回った(図2)。
 葉茎菜類は、ねぎの価格が、価格は中旬以降落ち着いたものの、想定していたほどの入荷増とならず、前年を2割以上上回り、平年も1割弱上回った(図3)。
 果菜類は、ピーマンの価格が、中旬以降上昇したものの、高めに推移した前年を2割近く下回り、平年をかなりの程度下回った(図4)。
 土物類は、たまねぎの価格が、数量不足から堅調な推移となり、前年を6割近く上回り、平年を5割以上上回った(図5)。
 なお、品目別の詳細については表2の通り。



(3)大阪市中央卸売市場

 大阪市中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は3万3465トン、前年同月比93.2%、価格は1キログラム当たり222円、同99.1%となった(表3)。
 品目別の詳細については表4の通り。




(4)首都圏の需要を中心とした3月の見通し

 2023年11月から2024年1月は予報通り暖冬であり、季節の進みが半月以上早かった。例年の3月は干ばつもあれば強風もあり、年によっては菜種梅雨の曇天に悩まされる。2月が干ばつ傾向となれば、全般的に春作の生育が止まるため、市場での産地リレーや作型の谷間が長くなり、野菜の価格高騰の場面が想定される。逆に多雨傾向となれば、全般に前進して重量野菜は豊作に向かうと予想される。
 3月は、全国的に出回り不足となり、特に果菜類が想定より少ないため、価格は2月より上昇し、平年を上回ると予想している。


 だいこんは、神奈川産の現状は1カ月程度の前進となっている。そのため3月にはかなり少なくなると予想しており、3月中旬には切り上がると予想される。千葉産は2月に入り、トンネル物の「さわやか大根」の出荷が2Lサイズ中心に始まった。また、秋冬だいこんの露地物は終盤を迎え、中旬までとなる見込みである。「さわやか大根」のピークは3月20日~4月20日頃で、現在のところ生育順調である。大分産は高原産地であるが、秋に台風もなく生育は順調である。前進傾向で肥大化し、採り遅れの心配もある。おでんシーズンも終盤で、業務用需要の減退も気になるところである。3~4月は春だいこんへの切り換わり時期であるが、若干、端境期があると予想している。市場価格が30年前と変わらない中、資材費は3倍となっていることから、産地は苦しいところである。
 にんじんは、千葉産は例年どおりの出荷ペースで、特別前進はしていない。3月に入り徐々に減りながら推移し、3月いっぱいで切り上がると予想される。Lサイズ中心で、品種は「ベータ系」であり、出荷量は平年並みと予想される。徳島産は3月20日前後から出荷が始まり、ピークは3月下旬から4月上旬と予想される。一部干ばつで()き直したが、不作にはならず平年作と予想される。Lサイズを中心に、品種は「(あや)(ほまれ)」である。


 キャベツは、愛知産の秋冬キャベツの1月までの出荷実績は、ほぼ前年並みである。1月末の降雨により干ばつは解消され、2~3月も前年並みの出荷と予想される。3月いっぱいは出荷のピークが続く見込みで、大きさも8玉サイズが中心で平年並みと予想している。千葉産の現状は前進出荷が続いており、2月下旬から減り始めると予想している。3月には現状の70~80%程度に減ると予想している。再び増えるのは「本春(201号)」が始まる4月15日頃と予想される。神奈川産は適度な降雨もあり、3週間程前進している。「本春」は例年より早めの2月に出荷が始まって、3月下旬から4月上旬がピークになると予想している。3月としては前年を上回ると予想している。
 はくさいは、茨城産の春はくさいは例年よりも早く、3月上旬から出荷が始まると予想される。現在出荷されている秋冬物のピークは、前年内から年明けにも続き、2月中旬にほとんど切り上がると予想している。下旬に出荷できてもかなり少ない見込みである。兵庫産の3月は圃場(ほじょう)からの収穫物と貯蔵物の両方の出荷となるが、作付けが増えて前年を上回ると予想している。それでも2月に比べれば70%程度になると予想される。圃場からの物は中旬まで、貯蔵物は3月いっぱいまでと予想される。
 ほうれんそうは、群馬産の現状はやや前進気味に推移している。2月に入り、春作や他品目に切り替える生産者も多く、やや落ち着いた展開になると予想される。2~3月と減りながら推移し、5月以降はほうれんそう専作の生産者のみの出荷になると予想される。3月としては前年並みかやや減を予想している。栃木産は1月に入り伸びが悪く、現状は例年を下回る出荷となっている。年内に暖冬で前進出荷された影響もある。2月に入って降雪の予想もあるなど、回復は早くて2月下旬頃と予想される。3月も天候に左右されるが、播種(はしゅ)は続けられており、前年並みを予想している。
 ねぎは、埼玉産の現状は前年より減っており、11月以降の降雨が少なく、細身で丈も短めである。秋冬物のピークは終わり、現状は少なくなっている。増えるのは春ねぎが始まる2月下旬から3月中旬で、4月にピークとなり、5月には切り上がると予想される。千葉産の秋冬物のピークは3月いっぱい続き、さらに3月20日からは春ねぎも始まると予想される。3月の収穫量は豊作であった前年を下回ると予想している。茨城産は前年内までは少なかったが、好天が続いたこともあり、現状は平年並みの出荷となっている。3月は秋冬物の残量と春ねぎとなり、3月いっぱいはまとまった量で入荷すると予想される。4月は初夏物も始まって、潤沢な出荷ペースを維持できると予想される。
 レタスは、兵庫産の現状は厳寒期で減少しているが、2月後半から3月初めにかけて増えてピークを迎えると予想される。生育は順調であるが、もう少し雨が欲しいところである。香川産は暖冬で乾燥しており、一部歩留まりが悪くなっている。特別ピークはないが、3月はある程度出荷され、4月には少なくなると予想される。作付面積が減少していることから、前年の90~95%程度とやや少ない見込みである。静岡産の現状は7~10日程度の前進となっており、この影響により全般的に切り上がりが早まり、3月中旬にはかなり少なくなると予想される。3月は量的に前年を下回り、2Lサイズ15玉中心の出荷と予想される。長崎産の冬のレタスは3月までで、引き続いて順調に4月初めから春レタスとなる見込みである。引き続き一定のペースで出荷され、肥大は良好で、3Lサイズ12玉中心と予想される。


 きゅうりは、群馬産の生育は基本的に順調であるが、寒暖の差が激しく、生育にやや時間がかかっているとの報告もある。年明けに定植したものが出揃う3月初めにはピークとなると予想される。宮崎産の現状は生育が順調で、例年より多く出荷されている。現状までは気温高で推移し、夜温も高めであった。2月に入り天候が乱れ、2月前半の出荷は減る可能性がある。中旬後半から下旬にかけて増えて、3月に最大のピークが来ると予想される。埼玉産は2月中旬から始まるが、無加温物が始まる4月に入ってからピークになると予想される。現状は順調で、3月は増えながら推移すると予想される。
 なすは、高知産は寒さの影響で肥大が遅れており、2月中旬まで出荷は伸び悩むと予想している。下旬に入り増え始め、3月には増えながら推移すると予想されるが、同時期に一気に出荷が集中することも懸念される。福岡産の現状は最も出荷が少ない時期であるが、2月中旬頃から増え始め、3月は、5月のピークに向けて増えながら推移すると予想される。作付けは前年並みで、天候にも恵まれほぼ平年と同様の展開で推移すると予想される。
 トマトは、愛知産の3月は長期物の中盤を迎え、好天で順調ではあるが、2月の初めの段階では少なめの出荷となっている。2月中旬から増え始め、4月下旬が最大のピークと予想される。熊本産の前年内は遅れ気味に始まって、12月に入り増えてきた。年明けも安定して入荷したが、2月中下旬に出荷予定のものが着果に不安があり、出荷が伸び悩む時期もあると予想される。ミニトマトは3月上旬まで少なく、中下旬から4月初めにかけて増えて、ほぼ例年に近い展開と予想される。佐賀産の「光樹(こうじゅ)トマト」は、1月13日から出荷が始まり、3~5月がピークと予想される。作付けは前年並みで、中心サイズはMであり、品種は引き続き「サンロード」である。栃木産の冬春物は現状始まったところで、越冬物は、前半の途中段階である。2月は大玉が多く前年を上回るが、3月には前年並みに落ち着くと予想される。日照時間が長く、さらに暖冬により生育は順調である。本格的に増えて来るのは5月下旬からで、両作ともに6月いっぱいまでと予想され、3月としては前年並みの見込みである。千葉産の促成物は3月が折り返し地点で、最終は7月と予想される。生育は順調であるがやや前進気味である。品種は「かれん」で、大きさはMサイズ、3月としては前年並みの出荷を予想している。
 ピーマンは、茨城産はハウス物となり、生育は順調である。当面のピークは4月下旬から6月上旬で、3月は増えながら推移すると予想される。作付けは若干前年を下回っている。高知産は病気も見られず生育順調であるが、市場価格の低迷が懸念材料である。現状はそれほど寒くなく、3~4月にピークを迎えると予想される。気温が上がると出荷量が増えるのは確かだが、一方で腐敗などが出やすくなるため、寒い方が安心なところもある。


 さといもは、埼玉産の出荷は4月いっぱいで、5月には出荷されてもかなり少ないと予想される。2023年産は平年作であり、3月は2Lサイズを中心に前年並みの出荷を予想している。
 ばれいしょは、鹿児島産の現状の早春物は2月いっぱいとなるが、天候に恵まれ豊作で、2Lサイズ中心と大玉傾向である。春ばれいしょは例年より早く3月下旬から始まると予想される。現状は天候の問題はなく、引き続き豊作と予想される。長崎産の春ばれいしょは4月初めからとなるが、本格的に多くなるのは5月に入ってからと予想される。作付けは生産者数の減少により前年を下回っている。品種は「ニシユタカ」が中心で、そのほか「アイユタカ」「さんじゅう丸」があるが、それほど増えていない。北海道産の2023年産「男爵」は小玉傾向ではあるが、収穫量としては平年作である。3月には少なくなり、4月中旬まで出荷できるが、例年よりもペースが早いと予想される。中心サイズはM寄りのLである。
 たまねぎは、北海道産の現状は例年と同様のペースで出荷されているが、量的には90%程度と少ない。2~3月も同様に少なく、例年と同様の5月いっぱいまでの出荷と予想される。サイズはL大とL中心である。兵庫産の市場出荷は4月に入ってからであるが、本格出荷は5月初めからで、3月の極早生の市場出荷はかなり少ないと予想される。佐賀産の例年は3月中旬から極早生物となるが、やや早まる可能性もある。このピークは4月上旬で、早生は4月中旬から始まると予想している。現状生育は順調であるが、今後の天候の変化も注視する必要があり、今後降雨が多ければ、大玉傾向となり、安値となると予想される。


 ブロッコリーは、熊本産は2月初めの段階で2週間程度前進しており、例年は4月初め頃に谷間ができるが、今年は3月下旬に出荷の谷間があると予想している。春ブロッコリーは4月下旬に再びピークが来ると予想される。香川産は2月中下旬にピークが来て、3月に入り減ると予想され、3月は前年並みの見込みである。4月後半から5月の大型連休頃に再びピークが来ると予想される。愛知産の現状は10日前後の前進となっており、3月の出荷物は早めに切り上がり、前年を下回ると予想している。春物は4月中旬から5月上旬がピークとなると予想している。埼玉産の秋冬物は、10~20日程度の前進となっている。年明けは気温高の後に急に寒くなるなど、寒暖差が激しかったため、2月に入っても急増はないと予想される。春物は3月20日過ぎから増えてきて、4月に入りピークとなると予想される。
 
 アスパラガスは、福島産は会津地方の産地からとなり、3月中旬から始まって、ピークは4月初めから中旬の見込みである。前年の夏の干ばつにより株はやや弱いと予想している。春物は平年並みの出荷を予想している。長崎産の出荷は1月末から始まり、2月下旬から3月初めにピークが来ると予想される。ハウス物と露地物の両方であるが、4月いっぱいで一旦切り上がると予想される。
 
 グリーンピースは、鹿児島産の前年は、1月に積雪被害があったことにより不作となった。今年は例年より10日程度早く3月下旬にはピークとなると予想される。天候に恵まれ、豊作傾向と予想している。
 
 そらまめは、鹿児島産のハウス物は現状始まっており、2月にピークが来て、3月に入り少なくなると予想される。露地物は例年より4~5日早く、4月の初めからと予想している。少なかった前年より多いが、生産者の高齢化により作付けは減っている。
 
 さやいんげんは、沖縄産は11月からハウス物が始まっており、3月に入って露地も始まることから増えて、4月までピークとなると予想される。今年の作は定植時期の高温によりハウス物、露地物ともに作付けは減少している。
 
 かぼちゃは、沖縄産はほぼ平年並みに始まっており、年内からの天候に恵まれ順調である。ピークは2月中下旬から3月いっぱいで、5月までと予想される。5玉・6玉サイズ中心で、品種は「栗系」である。
 
 ごぼうは、熊本産は洗いごぼうの「菊池水田ごぼう」であり、12月に始まった冬ごぼうと、3月25日から始まる春ごぼうの二つのタイプである。冬ごぼうは、昨年夏の干ばつの影響により例年の70%と少なく、3月いっぱいの出荷と予想される。春ごぼうは、4月末から5月の大型連休頃がピークだが、冬ごぼうに作付け転換した圃場が多いことから、前年を下回ると予想される。
 
 かんしょは、茨城産は2月いっぱいで「紅優果(べにゆうか)」の出荷は終了し、3月初めから「紅まさり」となる。2023年産はやや小ぶりに仕上がったが、出荷は例年並みである。「紅あずま」は5月以降の予定である。
 
 たけのこは、静岡産はほぼ平年と同じタイミングの3月10日前後から出荷が始まると予想される。ピークは4月中下旬で、4月25日の出荷で切り上がる見込みである。今年は(おもて)(とし)で、前年を上回る出荷と予想される。
 
(執筆者:千葉県立農業大学校 講師 加藤 宏一)