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需給動向 野菜情報 2024年1月号

2 野菜の輸入動向(令和5年10月)

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野菜振興部

【要約】

 10月の輸入量は、生鮮野菜は国産品の高温干ばつの影響により、塩蔵等野菜は在庫調整などにより、それぞれ輸入量が伸びて前年同月を上回ったものの、冷凍野菜、乾燥野菜、酢調製野菜、トマト加工品、その他調製野菜およびその他が前年同月を下回ったことから、全体では前年同月をわずかに下回った。

(1)令和5年10月(速報値)

 令和5年10月の野菜輸入量は、20万4444トン(前年同月比2%減)となった。生鮮野菜および塩蔵等野菜は前年同月を上回ったものの、それ以外の類別が前年同月を下回ったことから、全体の輸入量は前年同月をわずかに下回った(図1、表1)。

タイトル: p020a
 
タイトル: p020b

(2)生鮮野菜

 生鮮野菜の輸入量は、ジャンボピーマン、にんにく、たまねぎが前年を下回ったものの、キャベツ、ねぎ、にんじんなどが前年を上回ったことから、全体では前年同月比11%増と前年をかなり大きく上回った(図2)。

タイトル: p021
 
 主な品目(注)のうち最も増加率が高かったのはキャベツで、2019トン(同563%増)となった。輸入先の内訳は、全量が中国からの輸入であった。前年の輸入量が大幅に少なかったことに加え、高温干ばつの影響により国産品の市場入荷量が伸び悩み、平年を大幅に上回る価格となったことから、前年を大幅に上回った。
 キャベツに次いで増加率が高かったのはねぎで、7404トン(同69%増)となった。輸入先の内訳は、全量が中国からの輸入であった。
 ねぎに次いで増加率が高かったのはにんじんで、9610トン(同17%増)となった。輸入先の内訳は、第1位が中国の9089トン、第2位が豪州の517トン、第3位が米国の4トンであった。これらの品目は、高温干ばつの影響により国産品の加工・業務用は歩留まり率の低い細物傾向となったのに対し、主要な輸入先国である中国が豊作基調になり、同国からの輸入量が増加したことから、前年を大幅に上回った。
 一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはジャンボピーマンで、1588トン(同25%減)となった。輸入先の内訳は、第1位が韓国の1116トン、第2位がニュージーランドの244トン、第3位がオランダの167トンであった。円安による輸入コストの増加に加え、韓国産の輸入量が大幅に減少したことから、前年を大幅に下回った。
 ジャンボピーマンに次いで減少率が高かったのはにんにくで、1789トン(同16%減)となった。輸入先の内訳は、第1位が中国の1675トン、第2位がスペインの98トン、第3位が米国の10トンであった。前年の輸入量が多かったことに加え、本年は国産品の価格が平年を下回ったことから、前年を大幅に下回った。
 にんにくに次いで減少率が高かったのはたまねぎで、1万9395トン(同3%減)となった。輸入先の内訳は、第1位が中国の1万9250トン、第2位が米国の145トン、第3位がオランダの1トンであった。国産品が不作傾向で価格が高騰したことにより米国産の輸入量が前年の3倍以上と大幅に増加したものの、中国産の輸入量がやや減少したことから、前年をやや下回った(表2)。
 
(注)本文中の「主な品目」とは、輸入数量の多い品目のことである。
 
タイトル: p022a

(3)冷凍野菜等

 冷凍野菜の輸入量は、スイートコーン、ほうれんそう等、いんげん豆等などが前年を上回ったものの、ブロッコリー、いちご、さといもなどが前年を下回ったことから、全体では前年同月比4%減と前年をやや下回った(図3)。

タイトル: p022b
 
 主な品目のうち増加率が高かったのはスイートコーンで、4302トン(同24%増)となった。輸入先の内訳は、第1位が米国の2064トン、第2位がタイの1212トン、第3位が中国の565トンであった。
 スイートコーンに次いで増加率が高かったのはほうれんそう等で、4906トン(同7%増)となった。輸入先の内訳は、第1位が中国の4802トン、第2位が台湾の41トン、第3位がベトナムの37トンであった。これらの品目は、国産品の高温干ばつの影響により収穫量が減少したことに加え、価格も平年を上回ったことから、前年を大幅に上回った。
 ほうれんそう等に次いで増加率が高かったのはいんげん豆等で、1911トン(同1%増)となった。輸入先の内訳は、第1位が中国の1162トン、第2位がタイの551トン、第3位がインドの88トンであった。高温干ばつにより国産品の収穫量が減少したことや在庫調整などから、前年をわずかに上回った。
 一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはブロッコリーで、5400トン(同28%減)となった。輸入先の内訳は、第1位が中国の3063トン、第2位がエクアドルの2246トン、第3位がグアテマラの67トンであった。前年の輸入量が多かったことに加え、円安による輸入コストの増加や在庫調整などから、前年を大幅に下回った。
 ブロッコリーに次いで減少率が高かったのはいちごで、2278トン(同14%減)となった。輸入先の内訳は、第1位が中国の887トン、第2位がエジプトの696トン、第3位がモロッコの279トンであった。
 いちごに次いで減少率が高かったのはさといもで、2688トン(同13%減)となった。輸入先の内訳は、第1位が中国の2681トン、第2位が台湾の7トンであった。前年の輸入量が多かったことに加え、本年は円安による輸入コストの増加や在庫調整などから、前年をかなり大きく下回った(表3)。

タイトル: p023
 
 生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別における主要な品目の輸入量は、塩蔵等野菜ではきゅうり及びガーキンが1040トン(同13%減)、酢調製野菜ではしょうがが1400トン(同3%減)、トマト加工品ではピューレ等関割以外が8273トン(同36%増)、その他調製野菜ではたけのこが4388トン(同23%減)などであった。
 
タイトル: p024
タイトル: p025

タイトル: p026
タイトル: p027