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需給動向 野菜情報 2023年7月号

2 野菜の輸入動向(令和5年4月)

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野菜振興部

要約

 4月の輸入量は、トマト加工品およびその他は前年同月を上回ったものの、円安による輸入コストの増加や、品目によって輸入先国の天候不順で輸入量が減少した生鮮野菜などが前年同月を下回ったことから、全体では前年同月をかなり大きく下回った。

(1)令和5年4月(速報値)

 令和5年4月の野菜輸入量は、23万960トン(前年同月比11%減)となった。トマト加工品およびその他は前年同月を上回ったものの、それ以外の類別が前年同月を下回ったことから、全体では前年同月をかなり大きく下回った(図1、表1)。

タイトル: p020a

タイトル: p020b

(2)生鮮野菜

 生鮮野菜の輸入量は、ねぎ、ごぼう、にんじんなどが前年を上回ったものの、かぼちゃ、しょうが、たまねぎなどが前年を下回ったことから、全体では前年同月比26%減と前年を大幅に下回った(図2)。

 タイトル: p021

 主な品目(注)のうち最も増加率が高かったのはねぎで、3930トン(同29%増)となった。全量が中国からの輸入であった。本年は輸入先国の中国で作付面積が増加したことに加え、外食産業などの需要が回復する中、歓送迎会などの会食機会が増加したことなどから、前年を大幅に上回った。
 ねぎに次いで増加率が高かったのはごぼうで、3574トン(同15%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の3502トン、第2位が台湾の72トンであった。国産品の価格が平年を上回る中、主な輸入先国である中国からの輸入量が増加したことから、前年をかなり大きく上回った。
 ごぼうに次いで増加率が高かったのはにんじんで、6964トン(同11%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の6686トン、第2位が台湾の169トン、第3位が豪州の54トンであった。前年が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により外食産業などの需要が回復しきらない中、国産品の価格が前年を下回って推移したのに対し、本年は国産品が生育期の低温による細物傾向で市場入荷量が伸びなかったことから、前年をかなり大きく上回った。
 一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはかぼちゃで、6969トン(同52%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位がニュージーランドの6652トン、第2位がメキシコの251トン、第3位が豪州の64トンであった。円安による輸入コストの増加に加え、主な輸入先国であるニュージーランドが天候不順の影響で輸入量が前年の半分以下に減少したことから、前年を大幅に下回った。
 かぼちゃに次いで減少率が高かったのはしょうがで、1068トン(同40%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1019トン、第2位がタイの48トンであった。円安による輸入コストの増加や、主な輸入先国である中国での作付面積の減少に加え、天候不順で不作傾向となったことから、前年を大幅に下回った。
 しょうがに次いで減少率が高かったのはたまねぎで、1万8968トン(同33%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1万8419トン、第2位がニュージーランドの295トン、第3位が豪州の175トンであった。前年が国産品の不作傾向などにより輸入量が増加したのに対し、本年は円安による輸入コストの増加に加え、国産品の価格が安定入荷により落ち着いていたことなどから、前年を大幅に下回った(表2)。
(注)本文中の「主な品目」とは、輸入数量の多い品目のことである。

タイトル: p022a

(3)冷凍野菜等

 冷凍野菜の輸入量は、えんどうなどが前年を上回ったものの、スイートコーン、さといも、いんげん豆等などが前年を下回ったことから、全体では前年同月比6%減と前年をかなりの程度下回った(図3)。

タイトル: p022b

 主な品目のうち最も増加率が高かったのはえんどうで、1058トン(同41%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の627トン、第2位がニュージーランドの185トン、第3位が米国の155トンであった。前年は輸入量が減少したのに対し、本年はファミリーレストランをはじめとする外食産業などの需要が引き続き回復する中、歓送迎会などの会食機会が増加したことから、前年を大幅に上回った。
 一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはスイートコーンで、4005トン(同30%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が米国の2091トン、第2位がタイの1114トン、第3位が中国の554トンであった。前年は輸入量が増加したのに対し、本年は円安による輸入コストの増加などにより、前年を大幅に下回った。
  スイートコーンに次いで減少率が高かったのはさといもで、1798トン(同19%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1791トン、第2位が台湾の6トン、第3位がタイの1トンであった。円安による輸入コストの増加などから、前年を大幅に下回った。
 さといもに次いで減少率が高かったのはいんげん豆等で、1953トン(同13%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1097トン、第2位がタイの499トン、第3位がインドの92トンであった。前年は輸入量が増加したのに対し、円安による輸入コストの増加などから、前年をかなり大きく下回った(表3)。

タイトル: p023

 生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目は、塩蔵等野菜のしょうがで1391トン(同38%減)、酢調製野菜のしょうがで1444トン(同8%増)、トマト加工品のピューレ等関割以外で1万6735トン(同24%増)、その他調製野菜のにんじんジュースで3249トン(同16%減)などであった。

タイトル: p024
タイトル: p025

タイトル: p026
タイトル: p027