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需給動向 野菜情報 2023年7月号

1 東京都・大阪市中央卸売市場の需給動向(令和5年5月)

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野菜振興部・調査情報部

要約

 ⃝東京都中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は12万4090トン、前年同月比103.7%、価格は1キログラム当たり259円、同95.0%となった。
⃝大阪市中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は3万7872トン、前年同月比103.3%、価格は1キログラム当たり238円、同95.6%となった。
⃝7月は高原産地や東北、北海道に産地が切り替わるが、4月の低温の影響もなく平年並みの始まりと予想される。品目によっては北の主力産地の出荷が始まる前に品薄となって、価格が上昇するものもあると予想される。全体では、平年より高めの価格で推移すると予想される。

(1)気象概況

 上旬は、低気圧や前線の通過に伴い、本州付近では6日から8日頃にかけて雨が降り、大雨となった所もあったため、旬降水量は、東・西日本日本海側と西日本太平洋側でかなり多くなった。特に、東日本日本海側では旬降水量は平年比338%となり、1946年の統計開始以降、5月上旬として1位の多雨となった。また、北日本日本海側と北・東日本太平洋側で多かった。旬間日照時間は、期間の初めと終わりに高気圧に覆われ晴れたため、東日本太平洋側でかなり多く、北・東・西日本日本海側と北・西日本太平洋側で多かった。日本付近は期間の前半は平年を上回る日があったが、期間の後半に冷涼な空気に覆われ、平年を下回る日があり、旬平均気温は、西日本で低く、北・東日本では平年並みだった。
 中旬は、北・東日本日本海側を中心に高気圧に覆われ晴れた日が多く、旬降水量は、北日本日本海側と北日本太平洋側でかなり少なく、東日本日本海側で少なかった。東・西日本では平年並みだった。旬間日照時間は、北・東日本日本海側で多く、北・東・西日本太平洋側と西日本日本海側では平年並みだった。気温は、期間の前半に冷涼な空気に覆われて平年を下回る日があったが、期間の後半は晴れて気温が平年を大きく上回る日があり、旬平均気温は、北日本で高く、東・西日本太平洋側と西日本日本海側では平年並みだった。
 下旬は、低気圧や前線の影響を受けにくかったため、旬降水量は、北日本日本海側と北日本太平洋側で少なかった。九州北部地方、四国地方、中国地方、近畿地方、東海地方では29日ごろに、九州南部では30日ごろに梅雨入りしたとみられる。旬間日照時間は、東・西日本日本海側と東日本太平洋側で少なく、北日本日本海側、北・西日本太平洋側では平年並みだった。29日頃は日本海側を中心に大雨となった所があり、旬降水量は、東日本日本海側でかなり多く、西日本日本海側で多かった。東・西日本太平洋側では平年並だった。気温は、全国的に期間の中頃に冷涼な空気の影響で平年を下回る日があったものの、暖かい空気に覆われやすかったため、旬平均気温は北・西日本で高かった。東日本では平年並みだった。
 旬別の平均気温、降水量、日照時間は以下の通り(図1)。

タイトル: p009a

(2)東京都中央卸売市場

 東京都中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は12万4090トン、前年同月比103.7%、価格は1キログラム当たり259円、同95.0%となった(表1)。

タイトル: p009b

 根菜類は、にんじんの価格が、関東産が増量した中旬以降に下がったものの、前年を2割弱上回り、平年を2割上回った(図2)。
 葉茎菜類は、キャベツが連休以降価格を下げ、高かった前年を1割以上下回り、平年をやや下回った(図3)。
 果菜類は、ピーマンの価格が、下旬に向け落ち着きを見せ、高めに推移した前年をわずかに下回り、平年を1割以上上回った(図4)。
 土物類は、たまねぎの価格が、大幅な高値で推移した前年を6割強下回り、平年をかなりの程度下回った(図5)。
 なお、品目別の詳細については表2の通り。

タイトル: p010a

タイトル: p011a
タイトル: p012a

(3)大阪市中央卸売市場

 大阪市中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は3万7872トン、前年同月比103.3%、価格は1キログラム当たり238円、同95.6%となった(表3)。
 品目別の詳細については表4の通り。

タイトル: p012b

タイトル: p013a
タイトル: p014a

(4)首都圏の需要を中心とした7月の見通し

 7月は高原産地や東北、北海道に産地が切り替わるが、4月の低温の影響もなく平年並みの始まりと予想される。6月初めの台風2号の影響による雨は、西南暖地や関東平野の野菜の切り上がりを早めると予想される。品目によっては北の主力産地の出荷が始まる前に品薄となって、価格が上昇するものもあると予想される。東北産のトマトは作付け減少傾向で、えだまめからねぎへの転作も目立つとの情報もある。九州産地の夏野菜は、輸送の問題により、出荷を大阪市場にとどめるなどの変化も見られる。
 消費は、ホテルなどの宴会がコロナ前の状況に戻っていないとされ、業務需要が今一歩といったところである。
供給過剰になることはないと予想され、市場価格は平年より高めの価格で推移すると予想される。

タイトル: p016a
 だいこんは、北海道産(標茶(しべちゃ))は7月15日から出荷が始まるが、例年並みかやや早めの展開を予想している。作付けはほぼ前年と同程度である。同産(ようてい)は6月末頃からの出荷となるが、例年並みの始まりである。現状までは天候に恵まれ順調で、ピークは7~9月と続く見込みである。サイズはL中心の2Lで例年と同様である。
 にんじんは、北海道産(新函館)は例年と同じ6月20日頃から始まり、7月の初め頃のピークと予想される。約1カ月間の販売で、現状は生育順調であり、作付けは前年並みである。同産(美幌)は例年と同様に7月20日前後からの出荷と予想している。ピークは8~10月と予想され、全般に順調である。青森産は前年よりやや早い6月22日か23日からの販売と予想される。出荷のピークは7月中旬で、7月いっぱいでほぼ終わると予想される。生育は順調で、作付面積は増えている。
 ごぼうは、群馬産の夏ごぼうが7~8月を中心に10キログラム段ボール箱で出荷される。現状、生育順調で肥大も悪くなく、L・M・Sサイズがほぼ同割合である。

タイトル: p016b
 キャベツは、群馬産はやや早めの6月10日過ぎからと予想している。天候は適度な降雨と晴天が続いており、出荷量も大きさも例年並みと予想している。7月は増えながら推移し、盆明けから9月が最大のピークと予想される。岩手産は例年並みに6月25日から始まると予想されるが、4~5月上旬に降霜被害を受けた圃場(ほじょう)があり、全体の出荷がそろうのがやや遅れると予想している。平年並みになるのは、7月上旬の後半からと予想され、7月下旬から8~9月にピークが続く見込みである。作付けは前年並みで、すべて春系キャベツである。
 はくさいは、長野産(木曽)は開田高原からの出荷となるが、例年通り6月19日の週から始まると予想される。作付けは生産者の高齢化により例年の90%と減っている。7月上旬にピークを迎え、その後は9月中旬まで横ばいで推移すると予想される。同産(佐久)は7月下旬にピークを迎え、徐々に少なくなりながら8月下旬までと予想される。
 ほうれんそうは、岩手産は天候に恵まれ、生育は順調である。播種(はしゅ)作業も順調に行われ、7月は6月より増えると予想される。8月は想定より気温が高くなれば出荷のペースはダウンするであろう。7月の出荷は前年並みと予想している。栃木産の圃場は日光市、那須町、塩谷町、那須塩原市の高原地帯にある。現在は800メートル地帯からの出荷が中心であるが、これから7月は1200メートル地帯へと移動する。4月までの低温の影響により、現状の生育は3~7日程度の遅れとなっている。当面の出荷のピークは7月で、8月に入り減ってくると予想され、作付けは前年並みである。群馬産の雨よけ物は6月中旬から始まり、20日過ぎから増えて量的にまとまってくると予想される。6月の出荷は低温の影響によりやや遅れが見られ少なめであるが、播種作業は順調で7月には例年並みの出荷と予想される。
 ねぎは、茨城産は6月下旬から夏ねぎとなり、7月20日を目途に出荷は一旦落ち着き減ってくると予想される。数量は例年並みと予想している。青森産の出荷は例年並みに7月中旬から始まるが、ピークは9~10月と予想される。作付けは前年並みで生育は順調である。
 レタスは、長野産は6月15日頃に出荷のピークになると予想している。4月下旬から5月初めの低温により6月いっぱいの出荷はやや少なめと予想している。現状の生育は順調で、7月は安定して前年並みの出荷を予想している。群馬産は低温の影響により現状は巻きが緩い物もあるが、量的には例年並みの出荷となっている。やや雨が多いが生育に特別問題はなく、7月も平年並みを予想している。

タイトル: p017
 きゅうりは、福島産は7月下旬に出荷のピークと予想される。露地物は早い生産者は6月末頃からの出荷となるが、ピークは8月の盆前頃となると予想される。目立った気象災害もなく生育は順調で、作付けは前年並みである。
 なすは、群馬産が本格的に出そろうのはほぼ平年並みの6月下旬と予想される。7月に入ってピークとなり、8月も引き続き多く入荷すると予想される。作付けは前年並みである。栃木産の露地物は7月に入ってから本格的に始まると予想され、生育は順調で盆前にピークを迎えると予想される。ハウスの促成物は6~7月に減り、半促成物は6~7月がピークと予想される。作付けは前年並みである。
 トマトは、福島産は例年並みに7月10日過ぎから始まると予想される。現状まで降雨が少なく、やや干ばつ気味である。定植作業は続いており、当面の出荷のピークは盆前頃を予想している。中心品種は桃太郎系である。群馬産の夏秋トマトは、7月に量はそれほど多くはないが出荷が始まり、本格的には8月に入ってからで、9月がピークと予想される。作付けは増えており、中心品種は「りんか」である。北海道産は出荷が始まっているが、気温の低い時期がありやや遅れ気味である。7~8月がピークで、桃太郎系はL・Mサイズが中心と予想している。作付けは前年並みである。青森産は県南の産地であり、生育は順調で5月中旬から出荷は始まっている。品種は「桃太郎」と「りんか」が半々で、面積は前年の96%とやや減少している。ミニトマトは北海道産(留萌(るもい))は7月中旬から出荷が始まり、増えながら9月にピークを迎えると予想される。作付けは前年並みである。同産(二木)は6月25日の週から始まるが、例年並みである。作付けは前年より微減で、ピークは盆前後と予想され、現状生育は順調である。
 ピーマンは、岩手産の現状はハウス物であり、6月中旬に1回目、7月後半に2回目のピークと予想される。主力の露地物は6月初めからとなり、ピークは7月後半~8月中旬と予想され、作付けは前年並みである。福島産の露地物は7月10日過ぎから始まると予想される。県の主産地全体では微増である。茨城産の春ピーマンは7月上旬まで通常のペースで出荷が続き、中旬から秋物の定植のために切り上がってくると予想される。温室物は6月いっぱいで切り上がる。作型に大きな変動なく、7月は前年並みの出荷が予想される。

タイトル: p018a
 さといもは、鹿児島産は6月初めの台風の被害はなく順調である。6月にピークとなり、7月には徐々に減りながら推移し、7月いっぱいで切り上がると予想される。サイズもL・M中心で、出荷量も前年並みと予想される。
 ばれいしょは、静岡産(とぴあ浜松)の「男爵」の出荷は5月に始まり、本格的な出荷時期は6~7月である。本年産はLサイズ中心のMサイズと、昨年よりやや小ぶりの仕上がりであるが、平年作である。同産(三島函南)の「メークイン」は6月下旬には生産者がそろい、7月中旬がピークと予想される。生育は順調で前倒し気味であり、豊作と予想している。肥大も問題なく、Lサイズ中心である。千葉産の「メークイン」は6月20日過ぎ頃からとなり、生育は順調である。出荷のピークは7月上中旬で、8月上旬には切り上がると予想され、作付面積は前年並みである。
 たまねぎは、佐賀産は6月に入り収穫が90%程度終わっている。出荷は6月に入って若干減る見込みである。7月の出荷は貯蔵物で、Lサイズ中心の出荷と予想され、平年作である。兵庫産は6月に入った時点では降雨の影響もあり、主要な品種の収穫が進んでいない。台風が去った後、6月5日頃から収穫のピークに入ると予想される。大玉傾向であった前年より生産量は下回ると予想している。7月は貯蔵物となり、Lサイズ中心に前年並みの出荷を予想しており、9月いっぱいの見込みである。

タイトル: p018b
 ブロッコリーは、北海道産(女満別(めまんべつ))は6月20日から選別を始め、東京市場への出荷は6月末からのほぼ平年並みである。ピークは7月10日前後で、8月には減ってくると予想される。作付けは前年の70%と減っており、豆類・麦・ばれいしょ・ビートに替わっている。同産(木野)の作付けは前年の160ヘクタールから140ヘクタールに減っている。6月上旬後半から急増し、7月上旬が最大のピークと予想している。生育は順調で、例年よりやや早めである。長野産は6月12日の週の後半から始まり、7月初めにピークが来て8月には減りながら推移し、9月には再び増えると予想される。作付けは前年並みである。
 セロリは、長野産の6月はハウス物となるが、下旬後半から露地物も始まり、7月は露地物が中心になると予想される。生育は順調で、ほぼ例年並みの出荷で、9月までピークが続くと予想される。
 アスパラガスは、佐賀産は6月に始まり、7月いっぱいピークが続くと予想される。8月には少なくなるが、10月まで出荷は続く。昨年よりも1週間遅れているが、株の充実は問題なく、出荷量は前年並みを予想している。
 かぼちゃは、栃木産の出荷は6月25日頃を予想している。生育は順調で出荷のピークは7月中下旬、中心品種は「ほっこりえびす」「ほっこり133」「ET」である。茨城産の出荷はほぼ平年と同じ5月17日から始まり、作付けは昨年の90%程度と減っている。ピークは6月中下旬で7月いっぱいまでと予想される。品種は「栗将軍」で、5玉サイズ中心である。
 スイートコーンは、群馬産は6月20日過ぎからピークで、7月の下旬には少なくなってくると予想され、作付けはほぼ前年並みである。千葉産は6月末頃から始まり、7月10日~15日には数量的にまとまってくると予想される。ピークは7月下旬から8月5日過ぎまでで、盆明け頃に切り上がると予想される。ゴールデンウイーク時期の強風の影響により、初期物は遅れると予想される。
 えだまめは、群馬産は6月15日頃から本格的に増えて、7月の海の日頃までピークが続く見込みである。本年産は3~4月の降雨が少なく、樹全体が小さい。作付けは前年並みであるが、トータルの収量は前年を下回ると予想している。山形産は7月中旬から例年並みに始まり、「おつなひめ」の出荷により下旬にピークとなると予想される。「だだちゃ豆」は7月下旬から始まり、ピークは8~9月上旬までと予想され、作付けは前年並みである。
 いんげんは、福島産は現状始まっており、7~8月がピークと予想される。中心品種は「ジャンボいんげん」で、その他「いちず」「かもがわ」「スラットワンダー」であり、8月に入り減少してくると予想される。
 かんしょは、香川産は早くても7月3日か4日から始まると予想される。ピークは中旬で、8月初め頃には減ってくると予想している。適度の降雨もあり生育は順調であり、作付けは前年並みである。
 すいかは、長野産は例年と同様に出荷は7月に入ってからであり、現状は生育順調で、お盆に向けて増えながら推移すると予想される。山形産の定植は例年通り4月10日から始まり、交配は5月26、27日に始まった。出荷は7月20日前後からと予想される。ハウス物はその前の15日頃からと予想される。作付けは168ヘクタールの計画であり、新規就農者もいるため例年並みの出荷と予想される。
 
(執筆者:千葉県立農業大学校 講師 加藤 宏一)

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