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需給動向2 野菜情報 2023年6月号

2 野菜の輸入動向(令和5年3月)

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野菜振興部

要約

 3月の輸入量は、外食産業などの業務需要が引き続き堅調な中、歓送迎会などの会食機会が増加したことから、冷凍野菜、塩蔵等野菜などは前年同月を上回ったものの、円安による輸入コストの増加、品目により輸入先国の天候不順で輸入量が減少した生鮮野菜などが前年同月を下回ったことから、全体では前年同月をわずかに下回った。

(1)令和5年3月(速報値)

 令和5年3月の野菜輸入量は、23万5742トン(前年同月比1%減)となった。冷凍野菜、塩蔵等野菜およびその他調製野菜は前年同月を上回ったものの、生鮮野菜、乾燥野菜、酢調製野菜、トマト加工品およびその他が前年同月を下回ったことから、全体では前年同月をわずかに下回った(図1、表1)。

タイトル: p022a

タイトル: p022b

(2)生鮮野菜

 生鮮野菜の輸入量は、にんじん、ねぎ、ばれいしょなどが前年を上回ったものの、アスパラガス、たまねぎ、メロンなどが前年を下回ったことから、全体での輸入量は前年同月比14%減と前年をかなり大きく下回った(図2)。

タイトル: p023

 主な品目(注)のうち最も増加率が高かったのはにんじんで、5897トン(同25%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の5473トン、第2位がベトナムの234トン、第3位が台湾の95トンであった。国産品が生育期の低温で細物傾向となり、市場入荷量が伸びなかったことから、前年を大幅に上回った。
 にんじんに次いで増加率が高かったのはねぎで、3920トン(同12%増)となった。全量が中国からの輸入であった。本年は輸入先国の中国で作付面積が増加したことに加え、外食産業などの需要が回復してきた中、歓送迎会などの会食機会が増加したこと、国産品が産地によっては天候不順で収穫作業が遅れたことなどから、前年をかなり大きく上回った。
 ねぎに次いで増加率が高かったのはばれいしょ
で、5814トン(同2%増)となった。全量が米国からの輸入であった。ポテトチップスの家計消費需要が堅調な中、国産品は貯蔵ものの北海道産が終盤で入荷量が減少した中、即売ものの九州産も低温および降雪による生育遅れで入荷量が減少したことから、前年をわずかに上回った。

 一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはアスパラガスで、1193トン(同27%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位がメキシコの1148トン、第2位がペルーの27トン、第3位がフランスの15トンであった。円安で輸入コストが増加したことに加え、主な輸入先国であるメキシコが天候不順の影響で前年よりも大幅に輸入量が減少したことから、前年を大幅に下回った。
 アスパラガスに次いで減少率が高かったのはたまねぎで、2万816トン(同24%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の2万188トン、第2位がニュージーランドの232トン、第3位がタイの167トンであった。円安で輸入コストが増加したことに加え、前年は国産品の不作傾向や、主な輸入先国である中国の作付面積が増加したことで輸入量が多かったことから、前年を大幅に下回った。
 たまねぎに次いで減少率が高かったのはメロンで、1460トン(同23%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位がホンジュラスの788トン、第2位がメキシコの291トン、第3位が豪州の213トンであった。円安で輸入コストが増加したことに加え、主な輸入先国であるホンジュラスからの輸入量が大幅に減少したことから、前年を大幅に下回った(表2)。

(注)本文中の「主な品目」とは、輸入数量の多い品目のことである。

タイトル: p024a

(3)冷凍野菜等

 冷凍野菜の輸入量は、いちご、ブロッコリーなどが前年を下回ったものの、ばれいしょ、ほうれんそう等、スイートコーンなどが前年を上回ったことから、全体では前年同月比10%増と前年をかなりの程度上回った(図3)。

タイトル: p024b

 主な品目のうち最も増加率が高かったのはばれいしょで、4万2069トン(同25%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が米国の2万7093トン、第2位がベルギーの5254トン、第3位が中国の3205トンであった。
 ばれいしょに次いで増加率が高かったのはほうれんそう等で、4581トン(同24%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の4133トン、第2位がミャンマーの311トン、第3位が台湾の48トンであった。これらの品目は、ファミリーレストランをはじめとする外食産業などの需要が引き続き回復する中、歓送迎会などの会食機会が増加したことから、前年を大幅に上回った。
 ほうれんそう等に次いで増加率が高かったのはスイートコーンで、4675トン(同8%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が米国の2037トン、第2位がタイの1101トン、第3位が中国の809トンであった。前年の輸入量が少なかったことに対し、本年はファミリーレストラン等の外食産業などの需要が引き続き回復する中、歓送迎会などの会食機会が増加したことから、前年をかなりの程度上回った。

 一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはいちごで、2608トン(同11%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1177トン、第2位がエジプトの624トン、第3位がチリの472トンであった。円安で輸入コストが増加したことに加え、主な輸入先国である中国からの輸入量が大幅に減少したことから、前年をかなり大きく下回った。
 いちごに次いで減少率が高かったのはブロッコリーで、6638トン(同8%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の3763トン、第2位がエクアドルの2723トン、第3位がメキシコの41トンであった。円安で輸入コストが増加したことに加え、前年の輸入量が多かったことから、前年をかなりの程度下回った(表3)。

タイトル: p025

 生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、塩蔵等野菜のしょうがで1562トン(同7%減)、酢調製野菜のしょうがで1388トン(同3%減)、トマト加工品のトマトピューレ等関割で2132トン(同8%減)、その他調製野菜のたけのこで4721トン(同14%減)などであった。

タイトル: p026
タイトル: p027

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