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需給動向 野菜情報 2023年4月号

2 野菜の輸入動向(令和5年1月)

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野菜振興部

【要約】

 1月の輸入量は、外食産業などの業務需要が引き続き堅調なことから、冷凍野菜は引き続き前年同月をかなりの程度上回った。しかしながら、円安により輸入コストが増加したことに加え、品目によって輸入先国の天候不順で輸入量が減少した生鮮野菜などが前年同月を下回ったことから、全体では前年同月をやや下回った。

(1)令和5年1月(速報値)

 令和5年1月の野菜輸入量は、20万9043トン(前年同月比5%減)となった。冷凍野菜および乾燥野菜は前年同月を上回ったものの、それ以外の品目が前年同月を下回ったことから、全体では前年同月をやや下回った(図1、表1)。

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(2)生鮮野菜

 生鮮野菜の輸入量は、にんじん、結球レタス、にんにくなどが前年を上回ったものの、かぼちゃ、ジャンボピーマン、たまねぎなどが前年を下回ったことから、全体では前年同月比20%減と前年を大幅に下回った(図2)。

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 主な品目(注)のうち最も増加率が高かったのはにんじんで、4236トン(同93%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の4215トン、第2位が豪州の17トン、第3位が米国の4トンであった。前年が新型コロナウイルス感染症(COVIDー19)により外食産業などの需要が回復し切らない中、国産品が安価で推移したことにより輸入量が大幅に減少したのに対し、本年は国産品が低温で肥大が鈍化し、市場入荷量が伸びなかったことから、前年を大幅に上回った。
 にんじんに次いで増加率が高かったのは結球レタスで、1626トン(同34%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が台湾の1607トン、第2位が中国の12トン、第3位が米国の6トンであった。前年がCOVIDー19により外食産業などの需要が回復し切らなかったことにより輸入量が減少したのに対し、本年は国産品の入荷量が寒波の影響で下旬に減少したこと、さらにファミリーレストランをはじめとする外食産業などの需要が回復してきたことから、前年を大幅に上回った。
 結球レタスに次いで増加率が高かったのはにんにくで、2214トン(同13%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の2048トン、第2位がスペインの153トン、第3位が米国の11トンであった。外食産業などの需要が回復してきたことに加え、これまで中国産の輸入量が前年を下回っていたことによる在庫調整などから、前年をかなり大きく上回った。
 一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはかぼちゃで、6300トン(同54%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位がメキシコの5948トン、第2位がニュージーランドの344トン、第3位が韓国の4トンであった。円安で輸入コストが増加したこと、前月の輸入量が前年をかなり大きく上回ったことに加え、本年は輸入先国のニュージーランドにおいて、大雨などにより国内物流が停滞したことなどから、前年を大幅に下回った。
 かぼちゃに次いで減少率が高かったのはジャンボピーマンで、1101トン(同38%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が韓国の789トン、第2位がニュージーランドの312トンであった。主な輸入先国である韓国において、寒波の影響により着果および肥大が停滞したことから、前年を大幅に下回った。
 ジャンボピーマンに次いで減少率が高かったのはたまねぎで、1万7955トン(同26%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1万7907トン、第2位が米国の47トン、第3位がオランダの1トンであった。円安で輸入コストが増加したことに加え、国産品が高値で推移した前年を大幅に下回り、平年並みで推移したことから前年を大幅に下回った(表2)。

(注) 本文中の「主な品目」とは、輸入数量の多い品目のことである。

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(3)冷凍野菜等

 冷凍野菜の輸入量は、いんげん豆等、さといも、ブロッコリーなどが前年を下回ったものの、ばれいしょ、いちご、スイートコーンなどが前年を上回ったことから、全体では前年同月比10%増と前年をかなりの程度上回った(図3)。

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 主な品目のうち最も増加率が高かったのはばれいしょで、3万6447トン(同34%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が米国の2万1672トン、第2位がベルギーの5721トン、第3位がオランダの3827トンであった。
 ばれいしょに次いで増加率が高かったのはいちごで、2183トン(同32%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1036トン、第2位がモロッコの481トン、第3位がペルーの408トンであった。これらの品目は、在庫調整により前年を上回った。
 いちごに次いで増加率が高かったのはスイートコーンで、2977トン(同13%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が米国の1365トン、第2位がタイの705トン、第3位が中国の485トンであった。前年の輸入量が少なかったのに対し、本年はファミリーレストランをはじめとする外食産業などの需要の回復により、前年をかなり大きく上回った。
 一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはいんげん豆等で、1694トン(同10%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1065トン、第2位がタイの489トン、第3位がインドネシアの54トンであった。円安による輸入コストの増加に加え、在庫調整により前年をかなりの程度下回った。
 いんげん豆等に次いで減少率が高かったのはさといもで、2767トン(同4%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の2739トン、第2位が台湾の17トン、第3位が米国の11トンであった。前年の輸入量が多かったことに加え、本年は円安により輸入コストが増加したこと、生鮮の国産品が比較的安定した市場入荷量であったことから、前年をやや下回った。
 さといもに次いで減少率が高かったのはブロッコリーで、5950トン(同2%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位がエクアドルの3005トン、第2位が中国の2736トン、第3位がグアテマラの91トンであった。前年は輸入量が多かったのに対し、本年は円安による輸入コストの増加に加え、在庫調整により前年をわずかに下回った(表3)。

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 生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、塩蔵等野菜のきゅうり及びガーキンで2017トン(同3%増)、酢調製野菜のしょうがで1247トン(同21%減)、トマト加工品のトマトピューレ等関割以外で7826トン(同1%減)、その他調製野菜のたけのこで5701トン(同23%減)などであった。

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