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需給動向 野菜情報 2023年4月号

1 東京都・大阪市中央卸売市場の需給動向(令和5年2月)

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野菜振興部・調査情報部

【要約】

⃝東京都中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は10万4193トン、前年同月比98.9%、価格は1キログラム当たり265円、同100.4%となった。
⃝大阪市中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は3万5438トン、前年同月比109.7%、価格は1キログラム当たり228円、同94.2%となった。
⃝4月の見通しは、各品目ともに春野菜となり、産地も交代の時期を迎える。各産地とも他産地の動向をみながらの出荷となると予想され、価格は引き続き前年をやや上回ると予想される。

(1)気象概況

 上旬は、天気は数日の周期で変化した。東・西日本日本海側では、晴れた日もあった一方、北・東・西日本太平洋側では曇りや雨または雪の日があり、10日は南岸低気圧の影響で北・東日本太平洋側を中心に積雪となった所があった。旬平均気温は、東・西日本では、寒気の影響を受けにくかったため高く、北日本では平年並だった。旬降水量は、北・東・西日本太平洋側で多かった。北・東・西日本日本海側では平年並だった。旬間日照時間は、北日本太平洋側と東・西日本日本海側で多かった。東・西日本太平洋側で少なかった。北日本日本海側では平年並だった。
 中旬は、北・東・西日本では、高気圧と低気圧が交互に通過したが、期間の中頃は冬型の気圧配置が強まった日があった。18日から19日にかけて、東・西日本日本海側を中心に低気圧や前線の影響でまとまった雨が、19日から20日にかけて北海道地方を中心に低気圧の影響でまとまった雪が降った。このため、北日本太平洋側と東・西日本日本海側の旬降水量は多く、東・西日本日本海側の旬間日照時間は少なかった。全国的に期間の中頃は寒気の影響で平年を下回った日があったが、期間のはじめと終わりは寒気の影響を受けにくく、暖かい空気が流れ込んだ日もあったため、東・西日本の旬平均気温は高かった。北日本では平年並だった。旬降水量は、北日本日本海側と東・西日本太平洋側では平年並だった。旬間日照時間は、北日本日本海側と北・東・西日本太平洋側では平年並だった。
 下旬は、24日頃に本州南岸を前線が通過したほかには、全国的に低気圧や前線の影響を受けにくく、高気圧に覆われやすかったため、旬降水量は全国的に少なく、特に東・西日本日本海側と東日本太平洋側ではかなり少なかった。また、期間のはじめと終わりに冬型の気圧配置が強まった日もあっため、旬間日照時間は西日本太平洋側でかなり多かった。寒気の影響を受けやすい時期があったため、西日本の旬平均気温は低かった。旬平均気温は、北・東日本では平年並だった。旬降水量は、北日本日本海側、北・西日本太平洋側で少なかった。旬間日照時間は、北・東日本太平洋側と東・西日本日本海側で多かった。北日本日本海側では平年並だった。
 
 旬別の平均気温、降水量、日照時間は以下の通り(図1)。

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(2)東京都中央卸売市場

 2月の東京都中央卸売市場における野菜の入荷量は10万4193トン、前年同月比98.9%、価格は1キログラム当たり265円、同100.4%となった(表1)。

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 根菜類は、だいこんの が、月間を通して安定した動きとなり、やや高めに推移した前年をやや下回り、平年をわずかに上回った(図2)。
 葉茎菜類は、キャベツの価格が、下旬に向けてやや落ち着いたものの、大きな波はなく、前年、平年ともかなりの程度下回った(図3)。
 果菜類は、ピーマンの価格が、月間を通して堅調に推移し、高めに推移した前年をやや上回り、平年をかなりの程度上回った(図4)。
 土物類は、たまねぎの価格が、大幅に高めに推移した前年を3割以上下回り、平年をやや上回った(図5)。

 なお、品目別の詳細については表2のとおり。

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(3)大阪市中央卸売市場

 2月の大阪市中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は3万5438トン、前年同月比109.7%、価格は1キログラム当たり228円、同94.2%となった(表3)。

 品目別の詳細については表4の通り。

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(4)首都圏の需要を中心とした4月の見通し

 2月以降、3月初め頃まで全国的に天気は安定し、主産地である愛知産、千葉産、神奈川産などのキャベツは順調であった。それでも3月初めに聞いた市場仕入れの小売商の「市場価格は底堅い」という声のように、価格は平年並みかやや高めであった。
 4月は、九州産の春ばれいしょや豆野菜が少ないと予想されるが、その他はおおむね順調な生育となっている。例年3~4月は砂嵐を伴う強風、なたね梅雨、寒の戻りなど、野菜の生育の混乱要因となるリスクもいくつかある。各品目ともに春野菜となり、産地も交代の時期を迎える。各産地とも遠隔の他産地の動向を見ながらの出荷となる展開が予想される。価格は引き続き前年をやや上回ると予想される。

根菜類

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 だいこんは、千葉産(東葛)の内陸の産地は、春だいこんは3月20~25日に始まると予想している。例年よりやや早めで、ピークは4月下旬から5月いっぱいまでで、作付けは微減と予想している。同産(ちばみどり)は前年9~10月に前倒しで出荷され、12月~翌1月が少なめとなった。2月には計画に戻り、3月下旬~4月上中旬に最大のピークを迎えると予想される。3月に入り干ばつの影響も心配されるが、生育そのものは順調である。
 にんじんは、静岡産はほぼ例年と同様、4月3日頃から始まり、ピークは4月15日~4月いっぱいで、5月上旬までの出荷と予想される。作付けは前年の95%、品種は「ベータリッチ」で2Lサイズ中心である。徳島産は東京市場には例年より4~5日早い、3月10日過ぎから出荷が始まると予想している。出荷のピークは3月20日頃から5月上旬までで、作付けは微減であるが、生育順調で出荷は前年の105%と予想している。中心品種は「彩誉」である。

葉茎菜類

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 キャベツは、愛知産は2月下旬の時点で前年の93%の出荷実績となっているが、一昨年比では101%であることから、やや小玉傾向であることが影響している。3月いっぱいまでピークが続き、4月に入り減りながら推移すると予想される。下旬には端境となり、5月の連休明けから初夏キャベツとなって再び増えると予想される。4月の品種は冬系が70%で、中心品種は「冬のぼり」である。千葉産の春キャベツは3月中旬から徐々に増えて、4月に入りピークとなると予想される。生育は順調で平年並みに推移し、5月上旬には少なくなってくると予想される。神奈川産の「金系201号」は4月にピークを迎え、干ばつが心配されたがその後の降雨と温暖な天候で生育が追い付いた。例年並みのLサイズ中心で、ほぼ平年並みの出荷が予想される。

 はくさいは、茨城産は3月いっぱいまで秋冬物が残ると予想され、春物は4月から始まって4月下旬から5月5日頃にピークと予想される。生育は順調であるが、前年よりやや少なめと予想している。
 ほうれんそうは、埼玉産の生育は順調で、4月も前年並みの出荷と予想される。群馬産(薮塚)の露地物は既に終わり、ハウス物となる。県内の他産地は切り上がってくるが、当産地は5月いっぱいは量的にまとまって出荷できると予想される。その後も通年栽培の農家からの出荷が続く。今シーズンは天気が良く、前進しても谷間なく出荷できている。4月以降に減るタイミングもあるが、播種が滞ることなく、量的にも平年並みを予想している。
 ねぎは、茨城産は3月に入り春物が始まって秋冬物の残量と併売されたが、4月には春物のみとなるであろう。出荷は平年並みと予想され、少な目であった前年より多い。2L・Lサイズ中心と順調である。千葉産の現状は秋冬物の最終を迎えているが、3月20日には春物も始まってくる。秋冬物は3月31日まで、春物は5月20日まで、初夏ねぎは4月20日頃から始まると予想される。いずれも生育順調で、前年を上回る出荷が予想される。
 レタスは、香川産は現状、出荷のピークを迎えており、4月も引き続き一定のペースで出荷され、5月の連休明け頃に減ると予想され、ほぼ平年並みの状況である。茨城産の生育は順調で、3~4月がピークとなる見込みである。現状は干ばつの影響でLサイズ中心であるが、気温は高めで、干ばつが解消されれば今後肥大すると予想される。長野産の出荷は4月20日のグリーンリーフから始まり、22日にサニーレタス、24日に玉レタスが始まると予想される。5月いっぱいがピークで、6月には若干減ってくると予想される。産地は塩尻市の標高700メートル地帯であり、10年前に比べると出荷ペースは早まっており、地球温暖化の影響ではないかと考える。

果菜類

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 きゅうりは、群馬産は3月15日頃に出荷のピークと予想されるが、好天が続き、干ばつ気味で、4月もピークが続くと予想している。埼玉産の加温物は2月16日から始まり、ピークは4月上旬と予想される。無加温物は2月25日からで、5月の連休を挟んだ4月下旬から5月上旬がピークと予想される。天候に恵まれ生育は順調で、作付けも前年並だが、朝晩の寒さがきつくやや遅れる可能性もある。宮崎産は天候に恵まれ、現状も順調な出荷が続いている。3月末頃から4月にかけて一旦ピークを迎え、6月いっぱいくらいまで出荷できるが、4月としては前年並みの出荷と予想される。
 なすは、高知産の現状は増量期を迎えており、天候に恵まれ病気の発生もない。3月中下旬にピークとなり、そのまま4月中旬まで横ばいで多い見込みである。今後の天候にもよるが、4月下旬からさらにピークが来ると予想している。新品種「PCおりょう」(単為結果)は秀品率高く、結果を残している。4月は平年を上回る出荷と予想している。福岡産の現状はやや少なめの出荷となっており、寒波や成り疲れもあるが、寒暖差の激しさが最も影響している。今後気温の上昇とともに回復が期待できるが、急激でなく緩やかな回復と予想される。例年のピークは5月であり、4月は平年を下回ると予想している。
 トマトは、熊本産は極端な寒暖差などの影響で現状は少なめである。3月は一定のペースで出荷され、4月に入り本格的に増量し、ピークは5月中旬頃を予想している。愛知産の長段栽培(長期間収穫を続ける栽培法)は、夏の高温の影響により根の張りが悪く、さらに低温の影響で現状は少なめである。植替え物が3月下旬に始まって増えては来るが、4月とすれば平年をやや下回ると予想される。平年並みのMサイズ中心である。佐賀産の「光樹とまと」は平年並みで、生育は順調であり、4月にピークを迎えて6月いっぱいの出荷と予想される。
 ピーマンは、高知産の生育は順調で、出荷は4月がピークと予想され、5月いっぱい多いが、やや早めに推移して前年を上回る量と予想している。茨城産の春物は、冷え込みもあって現状の出荷は鈍いが、今後徐々に増え、平年並みに追いつくのは4月下旬を予想しており、4月としては前年を下回ると予想される。宮崎産は昨年9月の台風で植え替えたり、栽培を止めたりした生産者もいた。そのため今シーズンは昨年を下回る出荷が続いていが、天候は悪くないため生育は順調に来ている。3月20日頃から増えてきて、そのまま大きなピークはなく5月まで出荷は続き、6月に入り切り上がると予想される。

土物類

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 さといもは、埼玉産は貯蔵物で、4月も前年より少ないが平年より多い。計画では中旬いっぱいとしている。
 ばれいしょは、鹿児島産(いずみ)の春ばれいしょは、4月10日前後から始まり、20日から5月の連休にかけてピークと予想される。寒波の影響により2週間から20日程度の遅れとなっている。出荷が早い地域からの物は遅れるが、中間から後半物が減収をカバーすると予想している。早春ばれいしょは、3月上旬の販売で終了する。同産(肝属(きもつき))は大隅半島の産地で、東京市場への出荷は3月に入ってから始まり、ピークは4月中下旬と予想される。積雪の影響から20~30%の減収を予想している。長崎産は1月24日に降雪による寒害を受け、本来4月下旬から出荷できる早い物がほとんど出荷できないと予想される。それらが5月の連休明けになってから始まるため、ほぼ2週間の遅れが予想される。北海道産の「男爵」は4月中旬までの出荷計画であるが、前年の120%と多い見込みである。
 たまねぎは、兵庫産は1月の気温が低く、遅延が心配されたが、その後は温暖で推移し回復している。ほぼ前年と同様のペースで、早生のピークは3月下旬~4月を予想している。5月は中生で、現状は病虫害もなく順調で、Lサイズを中心に前年並みと予想している。静岡産の本年産は雨が少なく、小玉傾向に仕上がっている。生育が遅れていることもあり不作気味である。4月は3月よりも減ってくるが、生育遅れにより前年を上回り、5月まで出荷されると予想される。

その他

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 ブロッコリーは、香川産の現状は秋冬物のピークであり、4~5月まで春物となり、生育は順調である。熊本産は2月にピークとなったが、4月もまとまった数量が出荷でき、5月に入り減ってくると予想される。生育は順調である。愛知産の現状は大きなピークは終わり、3月は少なくなってきた。4月以降の春物もほぼ現状と変わらないペースで推移し、量的には前年並みと予想している。埼玉産の現状は秋冬物は終盤に入り、3月中旬は谷間となる。春物の早い物は3月下旬から、4月に入って本格化し中旬にピークを迎え、5月上旬までと予想される。

 アスパラガスは、栃木産は3月中下旬から徐々に増えると予想している。4月に入ってピークとなり、5月の連休頃まで続くと予想される。佐賀産は3月上旬がピークで、15日頃にはかなり少なくなり、4月は立茎作業に入る。5月に入り立茎物が揃って再び増えると予想される。現状は寒さにより出足は鈍いが、株は充実している。

 グリーンピースは、鹿児島産は4月10日頃から本格出荷を予想しているが、寒波の影響が大きく、30%程度の減収を予想している。

 そらまめは、鹿児島産が4月末から5月上旬いっぱい位で、ほぼ例年並みの出荷ペースを予想している。寒波の影響で例年により10~20%の減収を予想している。

 さやいんげんは、沖縄産の通常は2月下旬に一度ピークが来るが、今年は3月20日前後に最初のピークが来ると予想されている。4月も一定の出荷があると予想しているが、虫害も報告されている。4月としては前年を下回ると予想している。

 えだまめは、千葉産のハウス物は例年と同様に4月20日頃から始まると予想され、ピークは5月の連休頃と予想している。作付けは生産者の高齢化により若干減少している。

 セロリは、茨城産は3月が出荷のピークであり、価格安から出荷は鈍めである。天候に恵まれ生育は順調で、5月の連休明け頃まで出荷は多い見込みである。静岡産の3月は例年少なくなる時期であり、4月に入り再び増えると予想される。生育は順調で、ほぼ平年並みの出荷が予想される。5月10日~15日頃には長野県産に切り換わると予想される。

 かんしょは、千葉産は「紅高系」の貯蔵物の出荷で、4月中旬までと予想される。量的には前年並みである。徳島産の「鳴門金時」は5月いっぱいの出荷であり、22年産はやや豊作で平年を上回ると予想される。

 メロンは、茨城産の「オトメメロン」は4月5日から、「アンデスメロン」は4月中旬から、「クインシーメロンは」4月20日前後からと予想している。生育は順調である。

 すいかは、熊本産はほぼ周年の出荷体制であるが、3~4月と徐々に増えると予想される。最大のピークは5月であり、4月下旬には2玉サイズ中心になると予想され、品質は例年どおり安定している。重労働のため作付面積の減少傾向は続いているが、もう一段価格が高くなれば新規参入もあると思われる。

 たけのこは、千葉産は2月20日から始まっているが、今年は表年で多く出荷できると予想している。出荷のピークは4月中下旬で、5月の連休頃には切り上がると予想される。2キログラム箱、4キログラム箱での出荷と予想される。石川産は例年並みに4月10日頃から始まり、4月末から5月初め頃にピークがあり、上旬までと予想される。裏年のためかなり少ない出荷と予想される。

 山菜は、山形産のうるい、たらの芽ともに3月がピークで、4月は減りながら推移し5月初め頃までと予想される。量的には前年の90%と少ない。いずれも生産者の高齢化の影響によるが、たらの芽は前年の長雨により木の状態が悪いことも影響している。

(執筆者:千葉県立農業大学校 講師 加藤 宏一)
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