生鮮野菜の輸入量は、にんじん、かぼちゃ、ねぎなどが前年を上回ったものの、ばれいしょ、たまねぎ、ごぼうなどが前年を下回ったことから、全体での輸入量は前年同月比13%減と前年をかなり大きく下回った(図2)。
主な品目
(注)のうち最も増加率が高かったのはにんじんで、5339トン(同44%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の5275トン、第2位が豪州の60トン、第3位が米国の4トンであった。前年が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により外食産業などの需要が回復し切らない中、国産品の価格が安価で推移したことから輸入量が大幅に減少したのに対し、令和4年は国産品が低温で肥大が鈍化して市場入荷量が伸びなかったことから前年を大幅に上回った。
にんじんに次いで増加率が高かったのはかぼちゃで、9431トン(同12%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位がメキシコの9427トン、第2位が韓国の4トンであった。国産品が比較的高値で推移した中、ファミリーレストランをはじめとする外食産業などの需要が回復してきたことから、前年をかなり大きく上回った。
かぼちゃに次いで増加率が高かったのはねぎで、4170トン(同12%増)となった。全量が中国からの輸入であった。前年がCOVID-19により外食産業などの需要が回復し切らない中、輸入量がかなり大きく減少したのに対し、4年の国産品は入荷量が伸びずに下旬に向かって価格を上げたこと、さらにファミリーレストランをはじめとする外食産業などの需要が回復してきたことから、前年をかなり大きく上回った。
一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはばれいしょで、2085トン(同41%減)となった。全量が米国からの輸入であった。前年は通年輸入が解禁になった中で、国産品の不作などによる減少分の調達で純増したのに対し、4年は国産原料の品不足感が解消したため前年を大幅に下回った。
ばれいしょに次いで減少率が高かったのはたまねぎで、2万28トン(同26%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1万9808トン、第2位が米国の166トン、第3位がオランダの54トンであった。4年は国産品が安定して市場入荷した中、円安で輸入コストが増加したことに加え、前年が中国の在庫量が多い中、海上輸送も落ち着き在庫調整を行ったことで、前年を大幅に下回った。
たまねぎに次いで減少率が高かったのはごぼうで、3514トン(同14%減)となった。全量が中国からの輸入であった。円安で輸入コストが増加したことで、中国からの輸入量が減少したことに加え、台湾からの輸入もなかったことから、前年をかなり大きく下回った(表2)。
(注) 本文中の「主な品目」とは、輸入数量の多い品目のことである。