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需給動向 野菜情報 2023年3月号

1 東京都・大阪市中央卸売市場の需給動向(令和5年1月)

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野菜振興部・調査情報部

要約

⃝東京都中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は11万751トン、前年同月比99.2%、価格は1キログラム当たり260円、同105.1%となった。
⃝大阪市中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は3万5919トン、前年同月比106.1%、価格は1キログラム当たり224円、同100.9%となった。
⃝3月の見通しについては、天候不順による出回り不足を背景とする価格高が予想され、燃油高騰による果菜類の出回り不足と相まって、野菜全体の卸売価格を高止まりさせると予想される。

(1)気象概況

 上旬は、10日に北海道で大雪となった所があった。2日から4日にかけては、北海道を中心に強い寒気の影響を受けたため、旬平均気温は北日本で低かった。東・西日本と沖縄・奄美では平年並だった。期間の中頃は冬型の気圧配置が緩み、西日本や沖縄・奄美では移動性高気圧に覆われる日もあった。このため、北・東・西日本太平洋側、西日本日本海側、沖縄・奄美では晴れた日が多く、旬間日照時間は、北・東・西日本太平洋側と西日本日本海側でかなり多く、沖縄・奄美で多かった。旬間日照時間平年比は東日本太平洋側で122%と、1961年の統計開始以降、2004年と並んで1月上旬として最も多く、西日本太平洋側で143%と、1961年の統計開始以降、1月上旬として最も多かった。北・東日本日本海側では平年並だった。旬降水量は北・東日本太平洋側でかなり少なく、西日本日本海側、西日本太平洋側、沖縄・奄美で少なかった。北日本太平洋側の旬降水量平年比は17%と、1946年の統計開始以降、1月上旬として最も少なかった。北・東日本日本海側では平年並だった。
 中旬は、冬型の気圧配置となった日が少なく、寒気の影響を受けにくかった。旬の前半を中心に暖かい空気に覆われ、旬平均気温は北・東・西日本でかなり高く、沖縄・奄美で高かった。旬平均気温平年差は、東日本で+2.7度と、1946年の統計開始以降、1月中旬として最も高かった。北・東日本日本海側と沖縄・奄美では、高気圧に覆われて晴れた日があったため、旬降水量は北日本日本海側でかなり少なく、旬間日照時間は北・東日本日本海側でかなり多かった。一方、北・東日本太平洋側と西日本では気圧の谷の影響を受けやすく、曇りや雨または雪の日が多かった。旬降水量は西日本日本海側でかなり多かった。東日本日本海側と沖縄・奄美で少なかった。西日本太平洋側で多く、北・東日本太平洋側では平年並だった。旬間日照時間は、北・東・西日本太平洋側と西日本日本海側で少なかった。
 下旬は、低気圧が日本海と本州南岸付近をたびたび通過し、低気圧の通過後は冬型の気圧配置となった。このため、旬降水量は北・東・西日本日本海側で多かった。旬間日照時間は、北日本日本海側と東日本太平洋側で少なかったが、北日本太平洋側で多かった。一方、北・東日本太平洋側では、まとまった雨または雪とならなかったため、旬降水量は少なかった。旬の中頃は冬型の気圧配置が強まり、強い寒気の影響を受けたため、全国的に気温が平年を大きく下回り、旬平均気温は北・東・西日本でかなり低く、沖縄・奄美で低かった。また、日本海側を中心に太平洋側の一部でも、交通機関などに影響が出るような大雪となった所があり、旬降雪量は西日本日本海側と西日本太平洋側でかなり多かった。旬降水量は、西日本太平洋側では平年並だった。旬間日照時間は、東・西日本日本海側と西日本太平洋側では平年並だった。
 旬別の平均気温、降水量、日照時間は以下の通り(図1)。

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(2)東京都中央卸売市場

 1月の東京都中央卸売市場における野菜の入荷量は11万751トン、前年同月比99.2%、価格は1キログラム当たり260円、同105.1%となった(表1)。

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 根菜類は、だいこんの価格が、中旬にやや落ち着いたものの、下旬に再度上げ、安めに推移した前年を3割弱上回り、平年をわずかに上回った(図2)。
 葉茎菜類は、キャベツの価格が、安めに推移した前年を2割以上上回り、平年をかなりの程度下回った(図3)。
 果菜類は、ピーマンの価格が、不足感から月間を通して堅調に推移し、安めに推移した前年を4割近く上回り、平年を1割以上上回った(図4)。
 土物類は、たまねぎの価格が、大幅に高めに推移した前年を3割以上下回り、平年をわずかに上回った(図5)。
 なお、品目別の詳細については表2の通り。

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(3)大阪市中央卸売市場

 1月の大阪市中央卸売市場における野菜の入荷量は3万5919トン、前年同月比106.1%、価格は1キログラム当たり224円、同100.9%となった(表3)。1月の大阪市中央卸売市場における野菜の入荷量は3万5919トン、前年同月比106.1%、価格は1キログラム当たり224円、同100.9%となった(表3)。
 品目別の詳細については表4の通り。

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(4)首都圏の需要を中心とした3月の見通し

 1月下旬に到来した「10年に1度」の寒波は西日本に大雪をもたらし、特に鹿児島県産の豆野菜に大きな影響が出ているが、その他は多少の遅れが生じる程度で特別問題化していない。全国的に長く干ばつが続いており、3~4月まで遅れとなって影響を及ぼしてくると予想している。年度末のイベントの時期だが、かつてのような盛大な会合は鳴りを潜めると予想している。抑えられた需要からは、コロナ禍前のような業務用需要は見込めず、野菜の大幅高はないであろう。ただ、天候不順による出回り不足を背景とする価格高は予想され、燃油高騰による果菜類の出回り不足と相まって、野菜全体の卸売価格を高止まりさせると予想される。

根菜類


 だいこんは、千葉産の露地ものは、寒波による葉の傷みなどの影響でやや小ぶりの仕上がりである。露地ものは2月中旬までで、2月10日頃からトンネルものの春だいこんになると予想される。寒さの影響はなく生育順調である。肥大も順調で、L・2Lサイズが90%を占める見込みである。ピークは4月上旬までと予想される。神奈川産は干ばつと寒波でコブラ症(根部の下の部分のつぶれ)の発生が見られ、出荷は減少している。2月に入って春ものに切り換わり、やや減少気味で推移すると予想され、3月には通常の出荷に戻ると予想している。大分産は1月下旬の寒波でやや生育が停滞した。そのため若干小振りと予想されるが、2月の暖かさで回復を予想している。3月としては例年通りの見込みである。徳島産の作付面積は減っているが、3月いっぱいは平年並みに出荷できると予想される。寒波の影響は特別なく、4月の春ものにつないでいく。
 にんじんは、千葉産は2~3月は秋冬ものの最終となり、播種(はしゅ)期の降雨の影響により全般に遅れて不作の年であるが、Lサイズ中心のMと肥大は問題ない。3月に入り、減りながら推移し、ほぼ3月いっぱいで切り上がると予想している。徳島産は3月中旬に近隣市場への出荷が始まるが、東京へは3月20日頃から週2回ペースでの販売を予想している。現状は干ばつ気味で、Lサイズ中心のやや小ぶりの仕上がりである。ピークは3月下旬から4月10日頃まで。

葉茎菜類


 キャベツは、愛知産は2月の初めまでは干ばつで出荷が少なかったが、現在は8玉サイズ中心に増えてきている。引き続き寒波の影響もあって6玉サイズが少ない小玉に仕上がり、3月までは横ばいで推移すると予想される。3月としては例年並みの出荷と予想される。千葉産は2月初めの段階では小ぶりの物が多くなっており、干ばつの影響で伸び悩んでいる。2~3月は例年並みの大きさになって、量的にも前年並みの出荷と予想される。3月中旬から4月前半は出荷の谷間ができるが、中旬から再び増えてくると予想される。神奈川産は今シーズン、だいこんの作業を早めに切り上げてキャベツに注力する流れがある。生育は問題なく順調である。2月いっぱいが寒玉で、3月後半から春系に切り換わってくると予想される。
 はくさいは、茨城産は2月に入りレタスの作業が忙しく、はくさいはかなり少なくなると予想される。春ものが4月中旬から始まるため、3月後半は出荷の谷間になる見込みである。兵庫産の現状は収穫しながらの出荷で、3月には冷蔵ものの販売となると予想される。12月の干ばつと冷え込みで生育が遅れており、若干小玉傾向で4玉サイズが中心ではあるが、6玉も多くなっている。3月いっぱいの出荷で、ほぼ前年並みの出荷を予想している。
 ほうれんそうは、群馬産の現状は前年のクリスマス寒波の影響で遅れている。寒さが厳しく、半分が露地作となっているため、生育に時間がかかっている。3月は回復傾向から平年並みを予想しており、3月中旬から徐々に少なくなってくると予想している。
 ねぎは、茨城産に寒波はあったが積雪はなく圃場(ほじょう)は乾いている。秋冬ものの生育は順調に推移している。3月に入って春ものとなり、例年並みの出荷と予想される。千葉産の秋冬ものの生育は順調で、3月いっぱいは例年より多く出荷できると予想している。4月には春ものとなり、3月よりも減ってくると予想される。埼玉産の秋冬ものは3月いっぱいの出荷で、4月には春ねぎとなる。12月にピークが来てその後は減っているが、3月は問題なく例年並みの出荷と予想される。
 レタスは、茨城産の現状は早い生産者の出荷が始まっており、2月下旬からトンネルもののピークになると予想される。干ばつと低温により生育は平年より遅れている。3月の降雨があれば本格的に増えて来ると予想している。静岡産の現状は平年並みの出荷が続いており、寒波の影響はない。引き続き2~3月も徐々に減りながらではあるが平年並みを予想している。2Lサイズ中心で、4月上旬に切り上がると予想している。

果菜類


 きゅうりは、群馬産の現状は寒波の影響により生育が遅れて少なめの出荷となっている。2月後半には徐々に増えて、3月10日にはピークと予想される。出足は遅れたが、3月は平年並みに出荷できると予想している。埼玉産は2月下旬から出荷が始まるが、例年並みかやや遅い。作付けは前年並みであり、当面のピークは4月10日前後に来て、次の大きなピークが5月の大型連休頃になると予想している。宮崎産は寒波による被害が一部あったが大きな落ち込みはなく、2月に入って問題なく出荷が続いている。花も付いており、好天が続けば3月も問題なく出荷できると予想している。
 なすは、高知産の現状は少なめの出荷となっているが、寒波の他に新しい品種が導入されたことも理由の一つである。今のところ2月中旬には増えて来ると予想しているが、気温次第である。樹勢そのものは降雪があっても問題なく、日長となる3月には例年並みに追いついて来ると予想される。福岡産の現状は11月に大幅に多くなった反動や、1月下旬の寒波もあり、出荷は減っている。2月に入り徐々に回復に向かい、3月は前年並みの出荷が予想される。樹勢は問題なく、天候次第である。
 トマトは、熊本産は寒波による直接の被害は報告されていないが、冷え込みから出荷は減っている。2月末頃には回復し、3月は例年並みの出荷が予想される。栃木産の冬春ものは生育順調である。寒波の影響はないが、燃油の高騰が心配材料である。3~4月は現状よりも増えて、ほぼ平年並みの出荷が予想される。桃太郎系で、M、Lサイズ中心と予想される。愛知産の現状は寒波の影響により少なめで、減少気味に推移すると予想される。2月は横ばいで推移し、3月には再び増えてくると予想される。5月が最大のピークと予想している。
 ピーマンは、宮崎産の現状は1月下旬の寒波の影響により少なくなっているが、2月末頃には回復してくると予想している。3月中旬から田植えが始まり、作業時間の減少により急増はなく、前年並みの出荷を予想している。菜種梅雨の動向にもよるが、晴天が続くと出荷は伸びると予想される。高知産の冬春ものは6月までであり、全体のピークは5月と予想している。寒波については加温で問題なく、3月も前年並みの出荷を維持できると予想している。茨城産の3月は春ものの出始めである。促成ものからの切り換わりで作付けは増えているが、寒波の影響により例年より時間がかかっている。5~6月がピークで、3月は良くても前年並みの見込みである。

土物類


 さといもは、埼玉産の現状は伏せ込みもの(貯蔵もの)の出荷だが、3月中旬には種芋の選抜も始まり出荷はさらに減ると予想される。豊作であった前年を下回ると予想している。
 ばれいしょは、鹿児島産(いずみ)の早春ものは2月上旬にピークが来て、3月の初め頃までと予想される。その後の春ものは4月中旬から。1月下旬の寒波による積雪で作業が遅れたが、2月に入り解消した。作柄は寒波の影響なく、平年並みの出荷が予想される。同産(徳之島)の現状は2週間の遅れで、1月下旬の寒波のほか、植え付けが遅れた影響もある。ピークは2月末頃から3月上旬の見込みである。出荷は4月いっぱい続くが、やや減収の可能性もある。赤土新ばれいしょの品種は「ニシユタカ」でLサイズ中心の見込み。
 たまねぎは、佐賀産の現状は走りものが始まり、本格的には3月末頃からと予想される。3月は極早生、早生は4月に入ってからと予想される。定植時期の天候に恵まれ、病気の発生もなく生育順調であり、作付けも例年より拡大している。静岡産は今シーズン前半の気温が低く、定植時の降雨も影響し、出荷のペースが鈍く、その分後ろにずれている。3月中旬にほとんど終了するが、前年よりも収量減と予想している。熊本産の「サラタマちゃん」は3月末から4月がピークとなるが、寒波影響もなく生育は順調である。

その他


ブロッコリー
 埼玉産の秋冬ものは前年11月に前進した影響により現状は少なく、2月後半から3月前半は出荷の谷間になると予想される。春ものは3月下旬から始まると予想され、生育は順調である。愛知産は前進した影響により2月に入って減ってきている。中旬に再び増えて、3月には平年並みの出荷になると予想している。春ものは4月に入ってからと予想される。

カリフラワー
 福岡産は1月に最大のピークとなったが、3月にもう一度ピークが来ると予想される。1月下旬の寒波による降雪と強風の影響により、若干少なくなる時期があると予想される。4月にはさらに少なくなると予想される。

セルリー
 静岡産は寒波の影響は特別なく、生育は順調である。1月がピークで3月は例年少なくなり、4月にもう一回ピークが来るが、3月としては前年並みの見込みである。

アスパラガス
 佐賀産の現状は寒波の影響により計画ほど増えていない。気候が和らぐと2月中旬頃から一気に出始めると予想される。3月にはピークを迎えると予想しているが、株の充実の度合いからすると前年を上回ると予想している。

にら
 茨城産は年明けから新株の出荷となっており、3月はこのまま寒波が強い状態が続いた場合、例年を下回ると予想している。

ごぼう
 熊本産は12月末から1月初めに1回目のピークが来て、3月に入って2回目のピークを迎えると予想される。1月下旬の寒波も品質に問題なく、今後雨が少なければ順調に作業できるであろう。秋冬ものの作付けは増えており、量は前年より増えると予想している。

かぼちゃ
 沖縄産は11~12月の曇天、さらに1月の寒波で作柄が悪い。出荷のピークは3月後半から4月上旬と予想している。品種は「えびす」「栗五郎」である。例年は4月いっぱいの出荷となるが、今年は遅れて5月まで出荷され、量的には前年の8割程度と予想している。

かんしょ
 徳島産の22年産は平年作で、やや少なめであった21年産を上回っているため、3月も前年を上回ると予想される。2月に入り23年産の定植作業が始まるため、徐々に減りながら推移すると予想される。茨城産は8月まで貯蔵ものを販売する。22年産は豊作で、引き続き前年を上回る出荷と予想される。品種は「べにまさり」中心で、3月中旬まで量的にまとまっているが、その後はかなり減ってくると予想される。

豆野菜
 静岡産のえだまめは周年出荷しているが、3月から徐々に増えて4~6月がピークと予想される。鹿児島産(いずみ)は積雪で凍結した影響により、主要のそらまめが3月は大幅に遅れて少なく、4月中旬頃からと予想している。グリーンピースは3月に出荷できるのはごく一部で、スナップえんどうも少ないと予想している。同産(指宿)は1月24~25日の寒波で氷点下となり、(さや)が凍るなどの被害があった。木が枯死するケースも見られている。2月の出荷はゼロに近く、主要のそらまめは3月下旬から4月上旬に出荷されると予想される。グリーンピースは3月上中旬に出荷されるが、かなり少なくなる見込みである。スナップえんどうは2月下旬に若干回復し、3月中旬までとなり、ピークはないと予想される。沖縄産のさやいんげんは12月から始まり、3月にピークを迎えると予想される。作柄は例年より悪く、12~翌1月も少なかったが、3月にはある程度回復を期待している。

たけのこ
 静岡産は3月上旬から始まり、今年は裏年で前年の60~70%と予想している。ピークは例年と同様に4月上旬で、4月いっぱいで切り上がると予想される。 

菜の花
 千葉産は1月下旬の寒波による圃場の凍結などにより、出荷は例年を下回ると予想される。現状では3月にどこまで立て直しできるか予測はできない。福岡産は昨年10月から始まり、4月までの計画である。作付けは生産者の高齢化などで減り続けている。1月は寒波の影響により減少したが、2~3月は平年に近い水準まで回復すると予想される。

(執筆者:千葉県立農業大学校 講師 加藤 宏一)