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需給動向 野菜情報 2023年2月号

2 野菜の輸入動向(令和4年11月)

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野菜振興部

【要約】

 11月の輸入量は、外食産業などの業務用需要が堅調なことから、冷凍野菜は引き続き前年同月を上回った。しかし、円安で輸入コストが増加したことに加え、品目によって国産品が安値で推移した生鮮野菜などが前年同月を下回ったことから、全体の輸入量は前年同月をかなりの程度下回った。

(1)令和4年11月(速報値)

 令和4年11月の野菜輸入量は、20万9255トン(前年同月比7%減)となった。冷凍野菜以外のすべての品目が前年同月を下回ったことから、全体の輸入量は前年同月をかなりの程度下回った(図1、表1)。

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(2)生鮮野菜

 生鮮野菜の輸入量は、にんじん、しょうがなどが前年を上回ったものの、たまねぎ、にんにく、ジャンボピーマンなどが前年を下回ったことから、全体では前年同月比27%減と前年を大幅に下回った(図2)。

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 主な品目(注)のうち最も増加率が高かったのはにんじんで、5746トン(同18%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の5677トン、第2位が豪州の65トン、第3位が米国の4トンであった。
 にんじんに次いで増加率が高かったのはしょうがで、1445トン(同16%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1424トン、第2位がタイの21トンであった。これらの品目は、本年の国産品が入荷増により安値傾向となったものの、前年が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により外食産業などの需要が回復しきらない中、国産品の価格が比較的安値で推移したため、輸入量が大幅に減少したことから、前年を大幅に上回った。
 一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはたまねぎで、1万9711トン(同29%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1万9376トン、第2位がオランダの155トン、第3位が米国の155トンであった。
 たまねぎに次いで減少率が高かったのはにんにくで、1952トン(同16%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1818トン、第2位がスペインの113トン、第3位がイタリアの12トンであった。これらの品目は、円安で輸入コストが増加したことに加え、中国の在庫量が多い中、海運の手配が順調に進んだことによる在庫調整により前年の輸入量が増加したことから、前年を大幅に下回った。
 にんにくに次いで減少率が高かったのはジャンボピーマンで、2872トン(同12%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が韓国の2709トン、第2位がニュージーランドの163トンであった。円安で輸入コストが増加し、韓国およびニュージーランドからの輸入量が減少したことに加え、オランダからの輸入がなかったことから、前年をかなり大きく下回った(表2)。

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(注) 本文中の「主な品目」とは、輸入数量の多い品目のことである。

(3)冷凍野菜等

 冷凍野菜の輸入量は、いんげん豆等、さといも、ほうれんそう等などが前年を下回ったものの、いちご、えだまめ、ばれいしょなどが前年を上回ったことから、全体では前年同月比2%増と前年をわずかに上回った(図3)。



 主な品目のうち最も増加率が高かったのはいちごで、2953トン(同48%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1673トン、第2位がチリの404トン、第3位がモロッコの248トンであった。本年はファミリーレストランをはじめとする外食産業などの需要が回復してきたことに加え、前年の輸入量の減少もあり、前年を大幅に上回った。
 いちごに次いで増加率が高かったのはえだまめで、4432トン(同13%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が台湾の1936トン、第2位が中国の1165トン、第3位がタイの1056トンであった。前年が在庫調整に加え、COVID-19により外食産業などの需要が回復しきらず輸入量が減少したことから、前年をかなり大きく上回った。
 えだまめに次いで増加率が高かったのはばれいしょで、3万6797トン(同13%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が米国の2万7148トン、第2位がカナダの2758トン、第3位がオランダの2672トンであった。在庫調整により前年をかなり大きく上回った。
 一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはいんげん豆等で、1633トン(同14%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1060トン、第2位がタイの409トン、第3位がインドの52トンであった。本年は国産品の価格が比較的安値となった中、円安で輸入コストが増加したことに加え、在庫調整により前年をかなり大きく下回った。
 いんげん豆等に次いで減少率が高かったのはさといもで、3574トン(同5%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の3527トン、第2位がインドネシアの25トン、第3位がベトナムの14トンであった。円安で輸入コストが増加したことに加え、前年が国産品の価格高で輸入量が増加したことから、前年をやや下回った。
 さといもに次いで減少率が高かったのはほうれんそう等で、4381トン(同1%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の4252トン、第2位が台湾の92トン、第3位がスペインの19トンであった。円安で輸入コストが増加したことに加え、前年の輸入量が多かったこと、在庫調整により前年をわずかに下回った(表3)。

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 生鮮野菜及び冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、塩蔵等野菜のきゅうり及びガーキンで1571トン(同14%減)、酢調製野菜のしょうがで1424トン(同14%減)、トマト加工品のトマトピューレ等関割以外で4882トン(同21%減)、その他調製野菜のにんじんジュースで2491トン(同24%増)などであった。

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