ホーム > 野菜 > 野菜の情報 > 1 東京都・大阪市中央卸売市場の需給動向(令和4年12月)
キャベツは、千葉産の現状は乾燥が続き、生育が止まっている。雨が降り次第増えてくると予想され、2月は例年どおりピークになると予想している。愛知産の現状は干ばつ気味で少なめの出荷となっているが、作柄は良好で豊作傾向である。2月には平年並みに出荷できると予想している。神奈川産の早春キャベツの生育は順調で、2月は一定のペースで出荷されよう。3月には徐々に増えて、春キャベツとなる4月が最大のピークである。
はくさいは、茨城産の12月はやや多めの出荷になったが、1~2月は定植時の長雨の影響により小ぶりで、例年を下回る出荷と予想される。さらに厳寒期の収穫は作業時間が限定されることや、レタスの作業も始まることなどから、2月下旬には減少気味に推移すると予想される。
ほうれんそうは、群馬産の生育は順調で、年内までは前進出荷となったが、現状は例年並みの出荷ペースとなっている。当面のピークは2月の初め頃で、3月に入ると他の作物の作業のために少なくなってくると予想される。埼玉産の現状は寒さから遅れ気味である。2月には1月の遅れた分が追いついて前年を上回る出荷と予想される。
ねぎは、千葉産は秋冬物となるが、3月いっぱいまでピークが続くと予想される。干ばつが続き、作型によっては細めで、2月に入り数量が伸び悩む可能性もある。それでも基本的に豊作傾向で、前年より多く出荷されると予想される。前年の梅雨明けが早かったこともあり、中心サイズは2Lで太めである。茨城産の秋冬物は病気や自然災害はなく、圃場に十分残っている。2月の出荷物は太さも揃い、前年を上回ると予想される。
レタスは、静岡産の現状は寒波のため出荷は落ち着いてきている。昨年末まで前進傾向であったことも影響し、結果として例年並みの出荷状況となっている。前年の2月も平年並みの出荷になったが、今年も前年並みが予想され、出来は良好である。香川産の現状は寒波と強風の影響により傷みが発生し、少なめとなっている。増え始めるのは1月末頃から始まるトンネル物からで、2月は平年並みの出荷が予想され、最大のピークは3月と予想される。兵庫産の年内は例年より多く出荷されたが、現状は減少傾向にある。干ばつ気味で生育は遅れ始め、出荷の谷間となってきている。1月中旬は気温が高めで降雨も予想されるため、回復も予想される。2~3月は一定の出荷が続くと予想される。
きゅうりは、群馬産が例年どおり1月15日頃から始まり、年内に定植した物が2月初め頃から、1月初めに定植した物が2月20日頃から始まり、全ての生産者の出荷が揃う。ほぼ例年と同様の組み立てであり、現状は好天が続いて問題ない。ただ寒暖の変化が激しく、需給バランスの崩れを懸念している。埼玉産は重油代の高騰で加温を控えたことから苗の生育が遅れ、定植が半旬程度後ろにずれている。そのため1月下旬から2月中旬までほぼ出荷はない。2月下旬から出荷が始まり、3月上旬にピークとなると予想される。
なすは、高知産は12月23日にかつてない積雪があったが生育には全く問題なかった。1~2月も例年並みの出荷が予想されるが、成り疲れと、今期から単為結果品種「PCお竜」に新たに取り組む生産者の作柄が良好であれば問題なく出荷されると予想される。福岡産の12月の出荷は、寒波や降雪の影響を受けて前年を下回った。1月も少な目で一定の出荷が続くと予想される。2月中旬以降回復してくるが、多かった前年を下回ると予想される。
トマトは、熊本産は年内に続いて1~2月も前年並みかやや多めの出荷が予想される。当面は一定のペースでの販売で、大きさも例年並みにLサイズ中心と予想される。福岡産の生育は順調で、12月は前年の120%、1月も前年を上回ると予想される。2月には成り疲れもあって落ち着いて来ると予想される。再び増えるのは3月に入ってからで、5月に最大のピークを迎えると予想される。中玉の品種は「フルティカ」、大玉は「桃太郎ホープ」である。愛知産の2月の大玉は一定の出荷ペースが続き、主力の桃太郎系はLサイズ中心に前年並。増え始めるのは3月下旬から。ミニトマトは、千葉産は「サンチェリー」の出荷となり、生育は順調で前年並みの出荷が予想される。ピークは4~5月であり、冬場の出荷は一定のペースで続く見込みである。愛知産は夏の天候不順の影響が残り、2月としては前年を下回る出荷と予想される。
ピーマンは、宮崎産は多かった年内に続いて年明けもピークが続くが、2月には少なくなると予想している。12月後半から急激に冷え込んだ影響で成り疲れがある。2月の出荷は1月の8~9割程度と予想されるが、これは例年並みである。茨城産の2月は温室物と春ピーマンが半々であり、徐々に温室物が減り、春物が増加傾向で推移すると予想され、春ピーマンが出揃うのは3月に入ってから。中心サイズはMで、2月としては前年並みである。
さといもは、埼玉産は貯蔵物の出荷となっている。21年産はかなりの豊作であったが、22年についても平年作を上回った。1月に続き2月も2Lサイズ中心にLの前年並みの出荷が期待できる。
ばれいしょは、鹿児島産の赤土新ばれいしょは現状、軟弱徒長気味であるが、平年、前年並みの出荷が予想される。前々年は不作で少なかった。出荷のピークは3月上中旬で、2L、Lサイズが中心と予想される。北海道産(道南今金)の22年産は一部水害の発生もあったが、平年作に留まった。2月からは加工用と種苗のための出荷となる。同産(道央空知南)の22年産は豊作で、前年を上回る出荷と予想される。品種は「男爵」「北あかり」「洞爺」「メークイン」「オホーツクチップ」で、Mサイズ中心のやや小ぶり。市場出荷は4月いっぱいと予想される。
たまねぎは、静岡産が1月に続き黄色たまねぎのピークとなり、作柄は平年並みの状況にある。減るのは3月中旬以降と予想され、サイズはL中心である。北海道産の貯蔵量は平年並みで、不作であった前年より多く、2月も出荷は前年を上回ると予想される。5月まで計画出荷していくが、中心サイズはL大である。熊本産の葉付きの「サラたまちゃん」は2月初めから出荷が始まり、現状は生育順調である。ピークは4月上旬で、徐々に増えながら推移すると予想され、作付けは前年並みである。
ブロッコリーは、香川産は寒さの影響により現状は例年より少なめの出荷となっている。増え始めるのは2月に入ってからで、最大のピークの4月に向けて増えながら推移すると予想される。愛知産は年末年始に寒波の襲来はあったものの、例年どおりの出荷となった。現状は冷えて生育は止まっているが、生育そのものは順調で、2~3月が最大のピークである。
アスパラガスは、佐賀産のハウス物は前年産より株が充実しており、量的に期待できる。前年は遅れたが、今年は2月中旬から増えて、3月の初め頃までピークとなると予想される。新規に栽培を始めた人もいるが止めた人もおり、全体の作付けは微減である。
ごぼうは、宮崎産は新ごぼうが始まっているが、台風の被害により平年の8割程度と予想している。当初ピークを1月と予想したが、予想より集荷できていない。引き続き2月も一定の出荷が続くと予想される。
かんしょは、徳島産の貯蔵量は例年並みで、大きさもLサイズ中心と例年と変わらない。最終の6月上旬まで計画的に販売していく。千葉産の22年産は前年に続き豊作傾向である。2月も「べにはるか」「べにあずま」のLサイズ中心の見込みである。
かぼちゃは、沖縄産が1月から始まっているが、曇天が続いた影響で小玉傾向になっている。2~3月は増えながら推移し、4月がピークと予想され、中心品種は「えびす」である。
豆野菜は、鹿児島産のスナップえんどうは、12~翌2月までピークで、ほぼ横ばいで出荷され、3月には終盤を迎え、減少しながら推移すると予想される。生育は順調で作柄は良好である。同産のそらまめも順調で、1~2月は増加傾向で推移し、3月中下旬から4月上旬がピークと予想される。同産のグリーンピースは年明けから3月いっぱいまで、大きな波のない出荷が続くと予想される。沖縄産のいんげんは、1~2月は増えながら推移し、3月がピークと予想される。1月は作柄が悪く少なめであるが、2月からは回復して順調と予想している。