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需給動向 野菜情報 2023年1月号

2 野菜の輸入動向(令和4年10月)

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野菜振興部

【要約】

 10月の輸入量は、外食産業などの業務需要が堅調なことから冷凍野菜などは前年同月を上回ったものの、円安で輸入コストが増加したことに加え、国産品の市場入荷量が増加した生鮮野菜などが前年同月を下回ったことから、前年同月並みとなった。

(1)令和4年10月(速報値)

 令和4年10月の野菜輸入量は、20万8388トン(前年同月比0%減)となった。冷凍野菜、塩蔵等野菜、酢調製野菜、その他調製野菜およびその他は前年同月を上回ったものの、生鮮野菜、乾燥野菜およびトマト加工品が前年同月を下回ったことから、全体の輸入量は前年同月並みとなった(図1、表1)。

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(2)生鮮野菜

 生鮮野菜の輸入量は、にんじん、にんにくなどが前年を上回ったものの、ごぼう、たまねぎ、ジャンボピーマンなどが前年を下回ったことから、全体での輸入量は前年同月比17%減と前年を大幅に下回った(図2)。

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 主な品目(注)のうち最も増加率が高かったのはにんじんで、8184トン(同30%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の7982トン、第2位が豪州の197トン、第3位が米国の4トンであった。国産品が大雨などの天候不順により収穫遅れや細物傾向となったことから、前年を大幅に上回った。
 にんじんに次いで増加率が高かったのはにんにくで、2117トン(同12%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の2030トン、第2位がスペインの75トン、第3位が米国の11トンであった。外食産業などの業務需要が堅調だったことから、前年をかなり大きく上回った。
 一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはごぼうで、3497トン(同16%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の3487トン、第2位が台湾の10トンであった。円安で輸入コストが増加したことから、前年を大幅に下回った。
 ごぼうに次いで減少率が高かったのはたまねぎで、1万9905トン(同10%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1万9856トン、第2位が米国の48トン、第3位がオランダの1トンであった。円安で輸入コストが増加したことに加え、国産品が順調に市場入荷したことから、前年をかなりの程度下回った。
 たまねぎに次いで減少率が高かったのはジャンボピーマンで、2119トン(同6%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が韓国の1943トン、第2位がニュージーランドの104トン、第3位がカナダの37トンであった。円安で輸入コストが増加したことに加え、オランダ産の価格が前年同月の約1.6倍と高値になったことから、前年をかなりの程度下回った(表2)。

(注) 本文中の「主な品目」とは、輸入数量の多い品目のことである。

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(3)冷凍野菜等

 ​冷凍野菜の輸入量は、スイートコーンが前年を下回ったものの、いんげん豆等、ブロッコリー、ほうれんそう等が前年を上回ったことから、全体では前年同月比6%増と前年をかなりの程度上回った(図3)。

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 主な品目のうち最も増加率が高かったのはいんげん豆等で、1900トン(同18%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1033トン、第2位がタイの501トン、第3位がインドの78トンであった。前年がCOVID-19により外食産業などの需要が回復し切らなかったことに加え、在庫調整により前年を大幅に上回った。
 いんげん豆等に次いで増加率が高かったのはブロッコリーで、7460トン(同17%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位がエクアドルの4020トン、第2位が中国の3210トン、第3位がスペインの60トンであった。国産品が天候不順の影響で高値となったことに加え、在庫調整により前年を大幅に上回った。
 ブロッコリーに次いで増加率が高かったのはほうれんそう等で、4576トン(同15%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の4459トン、第2位がエクアドルの37トン、第3位がベトナムの30トンであった。国産品が天候不順の影響で高値となったことに加え、在庫調整により前年をかなり大きく上回った。
 一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはスイートコーンで、3466トン(同17%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が米国の1411トン、第2位がタイの1149トン、第3位が中国の351トンであった。円安で輸入コストが増加したことに加え、前年の輸入量が多かったこと、在庫調整により前年を大幅に下回った(表3)。

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 生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、塩蔵等野菜のきゅうり及びガーキンで1198トン(同25%減)、酢調製野菜のしょうがで1437トン(同55%増)、トマト加工品のピューレ等関割以外で6074トン(同15%減)、その他調製野菜のスイートコーンで4555トン(同9%減)などであった。

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