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需給動向(2) 野菜情報 2022年12月号

2 野菜の輸入動向(令和4年9月)

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野菜振興部

【要約】

 9月の輸入量は、円安で輸入コストが増加したことに加え、天候不順で遅れていた国産品の市場入荷量が増加した品目のあった生鮮野菜をはじめとする多くの類別で前年同月を下回ったことから、全体では前年同月をかなりの程度下回った。

(1)令和4年9月(速報値)

 令和4年9月の野菜輸入量は、19万4427トン(前年同月比6%減)となった。塩蔵等野菜、酢調製野菜およびその他調製野菜は前年同月を上回ったものの、生鮮野菜、冷凍野菜、乾燥野菜、トマト加工品およびその他が前年同月を下回ったことから、全体の輸入量は同6%減と前年同月をかなりの程度下回った(図1、表1)。

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(2)生鮮野菜

 生鮮野菜の輸入量は、にんじん、ねぎ、しょうがなどが前年を上回ったものの、ばれいしょ、ジャンボピーマン、にんにくなどが前年を下回ったことから、全体での輸入量は前年同月比12%減と前年をかなり大きく下回った(図2)。

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 主な品目(注)のうち最も増加率が高かったのはにんじんで、9639トン(同37%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の9512トン、第2位が豪州の119トン、第3位が米国の7トンであった。前年の輸入量が、国産品の安値基調で少なかったことに加え、本年は国産品が大雨などの天候不順により収穫遅れや小玉傾向で品薄となったことから、前年を大幅に上回った。
 にんじんに次いで増加率が高かったのはねぎで、4256トン(同14%増)となった。全量が中国からの輸入であった。前年の輸入量が、国産品の安値基調や主な輸入先国である中国の不作傾向で少なかったことに加え、本年は国産品が大雨などの天候不順により細物傾向となるなど品薄となったことから、前年をかなり大きく上回った。
 ねぎに次いで増加率が高かったのはしょうがで、1230トン(同3%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1209トン、第2位がタイの21トンであった。外食需要が回復基調にあり需要が高まってきたことなどから、前年をやや上回った。
 一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはばれいしょで、1016トン(同74%減)となった。全量が米国からの輸入であった。円安で輸入コストが増加したことや、大雨などの天候不順で収穫の遅れていた国産品がまとまって収穫されたことから、前年を大幅に下回った。
 ばれいしょに次いで減少率が高かったのはジャンボピーマンで、1397トン(同45%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が韓国の1087トン、第2位がオランダの236トン、第3位がカナダの69トンであった。前年の輸入量が多かったことに加え、円安で輸入コストが増加したことや、韓国産が前線による大雨の影響で品薄傾向となったことから、前年を大幅に下回った。
 ジャンボピーマンに次いで減少率が高かったのはにんにくで、1841トン(同2%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1691トン、第2位がスペインの96トン、第3位が米国の48トンであった。前年の輸入量が多かったことに加え、円安で輸入コストが増加したことや、主産地以外の国産品の価格が安値となったことから、前年をわずかに下回った(表2)。

(注) 本文中の「主な品目」とは、輸入数量の多い品目のことである。

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(3)冷凍野菜等

 冷凍野菜の輸入量は、ブロッコリー、いちごが前年を上回ったものの、さといも、いんげん豆等、スイートコーンなどの品目が前年を下回ったことから、全体では前年同月比7%減と前年をかなりの程度下回った(図3)。

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 主な品目のうち最も増加率が高かったのはブロッコリーで、5871トン(同9%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位がエクアドルの3378トン、第2位が中国の2316トン、第3位がポルトガルの59トンであった。国産品が天候不順の影響で高値となったことに加え、在庫調整により前年をかなりの程度上回った。
 ブロッコリーに次いで増加率が高かったのはいちごで、2224トン(同1%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の987トン、第2位がチリの570トン、第3位がモロッコの319トンであった。前年の輸入量が少なかったことに加え、外食需要が回復基調にあり需要が高まってきたこと、在庫調整により前年をわずかに上回ったとみられる。
 一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはさといもで、2173トン(同20%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の2171トン、第2位が台湾の2トンであった。
 さといもに次いで減少率が高かったのはいんげん豆等で、1645トン(同17%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の881トン、第2位がタイの375トン、第3位がベルギーの128トンであった。これらの品目は、円安で輸入コストが増加したことに加え、在庫調整により前年を大幅に下回ったとみられる。
 いんげん豆等に次いで減少率が高かったのはスイートコーンで、3536トン(同14%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が米国の1644トン、第2位がタイの1235トン、第3位が中国の317トンであった。円安で輸入コストが増加したことに加え、前年の輸入量が多かったこと、国産品の入荷量が多かったこと、在庫調整により前年をかなり大きく下回ったとみられる(表3)。

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 生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、塩蔵等野菜のしょうがで990トン(同492%増)、酢調製野菜のきゅうり及びガーキンで387トン(同8%減)、トマト加工品のトマトピューレ等関割で1782トン(同37%減)、その他調製野菜のにんじんジュースで2859トン(同49%増)などであった。

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