[本文へジャンプ]

文字サイズ
  • 標準
  • 大きく
お問い合わせ
検索
alic 独立行政法人農畜産業振興機構
野菜 野菜分野の各種業務の情報、情報誌「野菜情報」の記事、統計資料など

ホーム > 野菜 > 野菜の情報 > 1 東京都・大阪市中央卸売市場の需給動向(令和4年10月)

需給動向(1) 野菜情報 2022年12月号

1 東京都・大阪市中央卸売市場の需給動向(令和4年10月)

印刷ページ
野菜振興部 調査情報部

【要約】

⃝東京都中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は12万6556トン、前年同月比98.1%、価格は1キログラム当たり246円、同116.8%となった。
⃝大阪市中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は4万3601トン、前年同月比98.6%、価格は1キログラム当たり226円、同117.7%となった。
⃝過去2~3年は年内の暖冬で、重量野菜は生育が前進し収穫期の集中による採り遅れが恒常化していたが、今年は平年並かやや遅れといった報告が多い。外食産業の売り上げがコロナ禍以前の60~70%といった状況では、野菜価格上昇をけん引するキャベツの価格が依然として低い。12月は野菜全体では平年並かやや高いといったレベルで推移すると予想されるが、トマトやきゅうりは寒波襲来があれば急騰する可能性もある。

(1)気象概況

 上旬は、北・東・西日本では、旬のはじめは高気圧に覆われて晴れたが、旬の中頃からは低気圧や前線、湿った空気の影響で曇りや雨の日が多くなり、北・東日本日本海側を中心にまとまった雨となった日もあったため、北・東日本日本海側の旬降水量はかなり多く、東日本日本海側の旬間日照時間はかなり少なかった。気温は、北・東・西日本では、旬のはじめは暖かい空気に覆われて高温となったが、旬の中頃からは、この時期としては強い寒気が流れ込んだため低温となり、気温の変動が大きかった。旬平均気温は、西日本と沖縄・奄美で高く、北・東日本では平年並だった。旬降水量は、北日本太平洋側で多かった。西日本日本海側と東・西日本太平洋側では平年並だった。旬間日照時間は、北・西日本日本海側と北・東・西日本太平洋側で少なかった。
 中旬は、移動性高気圧が西日本から北日本を通過することが多かった。北・東日本では低気圧の影響を受けにくく、西日本では高気圧に覆われて晴れた日が多かった。気温は、旬の始めと終わりは全国的に寒気の影響を受けたが、旬の中頃は、サハリン付近を通過する低気圧に向かって暖かい空気が流れ込み、北日本を中心に平年を上回った。旬平均気温は、東・西日本と沖縄・奄美では平年並だった。旬降水量は、北・東日本日本海側と北・東日本太平洋側で少なかった。西日本日本海側、西日本太平洋側、沖縄・奄美では平年並だった。旬間日照時間は、西日本日本海側と西日本太平洋側で多かった。北・東日本日本海側と北・東日本太平洋側では平年並だった。
 下旬は、北・東・西日本では、旬の中頃は低気圧や前線の影響で曇りや雨となったが、高気圧に覆われて晴れた日が多かったため、旬降水量は東日本日本海側と東・西日本太平洋側でかなり少なく、旬間日照時間は北・東・西日本日本海側と北・西日本太平洋側でかなり多かった。気温は、旬のはじめは暖かい空気に覆われやすく全国的に平年を上回ったが、旬の中頃は強い寒気が流れ込んだため、東日本を中心に低温となり、東日本の旬平均気温はかなり低く、北・西日本と沖縄・奄美では平年並だった。旬降水量は、北・西日本日本海側と北日本太平洋側で少なかった。旬間日照時間は、東日本太平洋側で多かった。

 旬別の平均気温、降水量、日照時間は以下の通り(図1)。

008a

(2)東京都中央卸売市場

 10月の東京都中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は12万6556トン、前年同月比98.1%、価格は1キログラム当たり246円、同116.8%となった(表1)。
 

008b

 根菜類は、にんじんの価格が、不足感から月間を通して堅調な動きとなり、大幅な安めに推移した前年の2倍以上となり、平年を4割以上上回った(図2)。
 葉茎菜類は、ねぎの価格が、中旬以降落ち着きを見せたものの、安めに推移した前年を4割近く上回り、平年をわずかに上回った(図3)。
 果菜類は、トマトが東北産の減少に伴い下旬に価格を上げ、前年を3割以上上回り、平年を2割近く上回った(図4)。
 土物類は、たまねぎの価格が大幅に高めに推移した前年を1割以上下回り、平年を1割以上上回った(図5)。
 なお、品目別の詳細については表2のとおり。

009a

010a

011a

(3)大阪市中央卸売市場

 10月の大阪市中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は4万3601トン、前年同月比98.6%、価格は1キログラム当たり226円、同117.7%となった(表3)。
 品目別の詳細については表4の通り。

012a

012b

013a

014a

(4)首都圏の需要を中心とした12月の見通し

 資材費や肥料代の高騰で生産者は赤字が続いているとの悲鳴も聞かれる。燃料を使用する期間をできるだけ短く、設定温度をぎりぎりに下げるのは、結局生育遅れと生産量減少をもたらすと思われ、果菜類は若干少なめの状況が長く続くと予想される。
 過去2~3年は年内の暖冬で、重量野菜は生育が前進し収穫期の集中による採り遅れが恒常化していたが、今年は平年並かやや遅れといった報告が多い。外食産業の売り上げがコロナ禍以前の60~70%といった状況では、野菜価格上昇をけん引するキャベツの価格が依然として低い。12月は野菜全体では平年並かやや高いといったレベルで推移すると予想されるが、トマトやきゅうりは寒波襲来があれば急騰の可能性もある。

根菜類

014b

 だいこんは、神奈川産が11月に入って始まったばかりで、12月10日頃から出揃ってこよう。生育は順調で、11~12月は今のところ前年並を予想している。「三浦大根」は12月24~26日の3日間の出荷予定であり、今年の作付は前年の110%と増えている。千葉産の生育は順調で、現在出荷のピークに入っているが、12月にはさらに数量は増えてこよう。前年は出荷調整で数量が抑えられたが、今年はその分前年を上回ると予想している。
 にんじんは、埼玉産の現状は例年より7~10日の遅れになっているが、台風の雨や10月の低温により肥大が遅れている。当面のピークは11月下旬から12月いっぱいと予想している。千葉産は7月20日過ぎに播種した物が8月上旬の台風による風にあおられ、一部蒔き直しも行われた。さらに8月の豪雨で流されるなど順調でないが、9~10月の好天でかなり回復しており、定植できずに遅れた分も通常に戻る可能性もある。状況が悪くなれば12月中下旬の出荷は例年を下回る可能性もある。香川産の出荷は始まっており、12月が最大のピークで、1月にはかなり少なくなる。台風の影響もなく作付け作業は順調で、現状は天候に恵まれやや前進気味である。作付けは前年並である。

葉茎菜類

015a

 キャベツは、愛知産の現状は平年より早めの出荷になっている。今後も年末に向けて順調に増えて1~2月に最大のピークを迎えよう。12月も引き続き8玉サイズが80%以上と平年並みの大きさを予想している。千葉産は始まっているが11月15日頃から増えて、12月に入りさらに増えて、年明けはやや減るといった展開になると予想される。春系が60~70%を占め、残りが寒玉に近いタイプと予想される。12月は前年並を予想している。神奈川産の当面は寒玉に近いタイプの品種となり、11月後半から増えて2月までの出荷と予想され、8玉中心に前年並みの見込みである。
 はくさいは、茨城産の現状はやや遅れており、播種時期の雨やその後の寒さが影響している。巻き上がりが遅れており、小ぶりに仕上がる可能性もある。12月の出荷量は前年の90%程度と予想している。
 ほうれんそうは、埼玉産の出荷のピークは12月10~29日になると予想される。作付けは前年並で、作業は天候に恵まれ順調である。群馬産の天候は比較的安定しており、順調な出荷となっている。10月に低温で遅れた部分もあるが、現在は取り戻している。12月は気温も下がって現状よりも減ってくるが、例年どおり出荷できると予想される。
 ねぎは、千葉産の冬ねぎの生育は順調で、11月に入り増え始めると予想される。ピークは1~2月であるが、12月も不作気味であった前年を上回る出荷と予想される。群馬産の「下仁田ねぎ」は10月23日の販売から例年並に始まり、生育順調である。出荷のピークは12月で、年明けには減りながら推移すると予想される。9月の長雨により作柄が悪かった前年より出荷は上回ると予想される。作付けは前年並である。茨城産は秋冬ねぎとなるが、過去2年は自然災害の影響で少なかったことから、この12月は例年を上回る出荷が予想される。Lサイズ中心に高品質物が出荷されると予想される。
 レタスは、静岡産は10月28日からスタートし、ほぼ平年並みである。台風15号の影響で11月中旬までの物はやや小さめと予想される。年内出荷物の作付計画は前年の98%であるが、12月の出荷はほぼ前年並と予想している。肥料価格と被覆資材の高騰が経営に影響を与えている。長崎産の生育は順調であるが、現状はやや干ばつ気味により遅れている。11月中旬頃にピークが来て、12月に入り寒さからやや減ると予想される。台風の影響はなく、2月には再び増えると予想され、作付けは前年並である。香川産は11月に入って出荷が始まり、例年並みのペースで、ピークは年末になると予想している。作付けは前年並みで、出荷も前年並みを予想している。

果菜類

015b

 きゅうりは、高知産の冬きゅうりは現状始まっており、6月まで長期間収穫される。前年と比べると7~10日の遅れとなっており、例年より寒いことが影響している。木の成長は問題なく11月下旬にピークが来て、12月いっぱい落ち込みのない出荷が続くと予想される。作付けは96%と減っているが、資材の高騰や市場価格の低迷により作付けを止める農家がいるためである。宮崎産はこのままの天候でいけば、年内から年明けは安定して出荷できるであろう。一部台風で被覆が剥され作付けが遅れたが、作付けそのものは前年並である。12月も安定的な出荷を目指している。千葉産は11月に入り増え始めてきた。現状は天候も問題なく前年並の出荷を予想している。
 なすは、高知産は9~10月は出荷が伸びたが、11月以降の成り疲れが心配される。今年から新品種「PCお竜」に切り替えた農家がいるため、状況がつかみにくい。作付けは前年並で、出荷も引き続き前年を上回ると予想している。福岡産は台風の接近もあって定植を遅らせた影響もあり、7日程度の遅れになっている。11月10日以降本格的に増えてくるが、12月も問題なく、特に中下旬に多くなると予想される。作付けは前年並である。
 トマトは、熊本産は現状遅れはないが、生育初期の高温により小玉のうちから色付きが早かった影響で数量が減っている。当面は11~12月が出荷のピークと予想される。前年は病気(黄化葉巻病)でやや不作であったことから、12月は前年を上回る出荷と予想している。愛知産の生育は順調であるが、現状は9月の天候不順で成りが悪く少なめの出荷となっている。11月中下旬から増えてきて12月は例年どおり、L・Mサイズ中心の出荷と予想される。ミニトマトは、熊本産は低温により現状は出遅れている。12月には本格化して問題ない出荷と予想される。面積は前年並である。
 ピーマンは、茨城産の秋ピーマンは12月上旬まであるが、その後は温室ものが中心となり、作付けは前年の92%と減っている。燃料の高騰や病害虫の多発が影響している。11月からピークなく続くが、12月中下旬には植え替えが始まりやや減ると予想される。宮崎産は出荷が始まっているが、生育はおおむね順調である。年内のピークは11月下旬に来て、次は12月下旬である。作付けは前年並みで、天候に恵まれ前年を上回る出荷が予想される。

土物類  

016a

 さといもは、埼玉産の現状は収穫作業のピークであるが、昨年に近い豊作と予想している。天候に恵まれ品質良好で、L・2Lサイズ中心と予想される。12月がピークで、前年並の出荷と予想される。新潟産は10月中旬から始まり、年明けも引き続き2L・Lサイズ中心に出荷できると予想される。
 ばれいしょは、北海道産は道南の産地からとなる。男爵の収穫量は前年の105%と微増であるが、昨年は干ばつで平年を下回ったため、豊作ではない。全般に小玉の仕上がりで、M・Sサイズ中心である。年明け3月まで計画的に出荷していく。でん粉含有量も高く、高品質に仕上がった。
 たまねぎは、北海道産の現状はほぼ収穫作業は終わった。収量は平年並みで、不作気味であった前年の120%程度と予想している。肥大も問題なく、L大中心に5月まで計画的に出荷していく。

その他

016b

 ブロッコリーは、愛知産の現状は干ばつ気味の影響で少なめの出荷となっている。1~2月が最大のピークであるが、作付けは前年並で年内も例年並みに出荷できると予想している。香川産は10月に入って出荷が始まり、春まで続く。前年並の出荷と予想している。
 いちごは、栃木産の本格的出荷は11月中旬から。12月上旬にピークが来ると予想している。「とちおとめ」が70%「とちあいか」が30%。全体の作付けは前年並み、好天が続き過ぎると一気に出荷されクリスマス前に少なくなる可能性もあるが、今年は遅れ気味で現状少なめとなった前年を上回ると予想している。福岡産は11月7日から始まったが、昨年より7日遅く、平年並みである。作付けは前年並みであるが、例年より病気の発生が多く育苗時期の天候がやや悪かったと推測される。現状は日照時間が長く、やや前倒し気味になると予想している。気温が高くなれば12月前半に増え、クリスマス前に少なくなる心配もある。逆に日照不足で寒い日が続くと後ろにずれて、年末年始にピークが来る可能性もある。
 かぼちゃは、北海道産は豊作傾向であったが、12月の出荷は前年並を予想している。11月中旬で一旦共同選果は終わるが、個人での出荷は続く。12月1日に再び開始し、12月中旬いっぱいまで。「くりゆたか」の5玉サイズ中心の出荷と予想している。鹿児島産が12月2日頃から始まるが、生育は遅れている。2~3週目がピークとなり、一部年明けにも残ると予想される。品種は「えびす」中心で、作付けは例年同様30ヘクタールである。
 かんしょは、千葉産の現状は収穫が80%程度終わったところである。天候に恵まれ豊作気味で、11~12月は前年を上回る出荷が予想される。年内は「シルクスイート」と「ベニアズマ」で、年明けから「べにはるか」が増えると予想される。茨城産の現状は収穫が60%程度終わり、豊作気味である。年内は「べにはるか」中心で、年明けは「べにまさり」が増えてくると予想される。徳島産は11月中旬から12月いっぱいまで出荷のピークと予想される。今年は天候に恵まれ収量多く、前年を上回る出荷が予想され、サイズはM中心である。
 ごぼうは、熊本産は干ばつが続いて7日程度の遅れになっている。12月中旬から安定して出荷できるであろう。作付けは増えており、3月いっぱいの出荷となるが前年を上回ると予想される。青森産は夏の豪雨が長く続いたことから20~30%減少している。また短くて太りも悪く、A品が少ない。
 れんこんは、茨城産の今年は平年作で、台風や天候不順で不作であった前年をかなり上回ると予想される。12月下旬をピークにMサイズ中心の出荷である。
 ながいもは、青森産は11月10日から出荷開始し、15日から新芋の出荷が始まる見込み。8月の豪雨の影響で、試し掘りの結果ではA品率が低い見込みである。収量も例年の70~80%程度と少ないと予想される。そのためLサイズ中心で2L、3Lはかなり少ない見込みである。
 くわいは、広島産の東京市場での販売は11月10日頃からと予想している。12月24日販売で切り上がろう。昨年は平年作であったが、後半の物が大玉になった。今年の面積は前年並であり、量的にも前年並と予想している。
 七草は、佐賀産が12月28日から29日、その後の休市中と初市の5日まで連日の出荷予定である。現状の各野菜の生育は順調で、出荷は九州各地と東京市場中心である。
 せりは、宮城産の「仙台ぜり」は現在も連日全国市場へ出荷しているが、ピークは年末である。作付けは前年並で、100グラム結束物で30束入り段ボールで出荷している。
 ゆずは、高知産の収穫量が前年の40%の裏年傾向と予想している。さらに前年9~10月の雨が少なかった影響も残っている。12月の出荷に全体の80~90%が集中し、年明けも貯蔵物となり、若干の出荷は続く。今年は特に大玉傾向で外観は良好である。

(執筆者:千葉県立農業大学校 講師 加藤 宏一)

018a

018a

019a

019a



このページのトップへ

Copyright 2016 Agriculture & Livestock Industries Corporation All rights Reserved.