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需給動向 野菜情報 2022年10月号

2 野菜の輸入動向(令和4年7月)

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野菜振興部

【要約】

 7月の輸入量は、円安基調の中、国産品の価格が平年を下回ったことから生鮮野菜などが減少したものの、在庫調整などにより冷凍野菜などが増加したことから、全体では前年同月をやや上回った。

(1)令和4年7月(速報値)

 令和4年7月の野菜輸入量は、23万515トン(前年同月比3%増)となった。生鮮野菜、乾燥野菜およびその他で前年を下回ったものの、冷凍野菜、塩蔵等野菜、酢調製野菜、トマト加工品およびその他調製野菜で前年を上回ったことから、全体では同3%増と前年をやや上回った(図1、表1)。

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(2)生鮮野菜

 生鮮野菜の輸入量は、メロン、にんじん、たまねぎなどが前年を上回ったものの、ばれいしょ、ごぼう、ジャンボピーマンなどが前年を下回ったことから、全体では前年同月比12%減とかなり大きく下回った(図2)。

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 主な品目(注)のうち最も増加率が高かったのはメロンで、1020トン(同56%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が豪州の458トン、第2位が米国の349トン、第3位がメキシコの166トンであった。前年は、新型コロナウイルス感染症(COVID‒19)の感染拡大により外食などからの需要回復が遅れ、輸入量が大幅に減少したことから、前年を大幅に上回った。
 メロンに次いで増加率が高かったのはにんじんで、7086トン(同9%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の6950トン、第2位が豪州の130トン、第3位が米国の4トンであった。国産品が播種期は高温干ばつ、生育期は低温の影響で市場入荷量が減少したことから、前年をかなりの程度上回った。
 にんじんに次いで増加率が高かったのはたまねぎで、2万1491トン(同5%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1万9641トン、第2位がニュージーランドの1537トン、第3位が豪州の285トンであった。国産品が生育期の低温干ばつで小玉傾向となったこと、その後の気温上昇による前進出荷の反動で品薄傾向となったことに加え、中国産の在庫が潤沢だったことから、前年をやや上回った。
 一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはばれいしょで、2670トン(同41%減)となった。全量米国からの輸入であった。円安が継続する中、国産品は九州産、本州産のほか、後続の北海道産の収穫も始まったことで、加工向け原料の入荷量が安定してきたことから、前年を大幅に下回った。
 ばれいしょに次いで減少率が高かったのはごぼうで、3601トン(同19%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の3566トン、第2位が台湾の35トンであった。円安により輸入コストが増加する中、国産品の価格が安値となったことから、前年を大幅に下回った。
 同じく、ばれいしょに次いで減少率が高かったのはジャンボピーマンで、2982トン(同19%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が韓国の2954トン、第2位がカナダの24トン、第3位がオランダの4トンであった。円安により輸入コストが増加する中、国産品の価格が高値となった前年の8割強程度となったことから、前年を大幅に下回った(表2)。

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(注) 本文中の「主な品目」とは、輸入数量の多い品目のことである。

(3)冷凍野菜等

 冷凍野菜の輸入量は、いちご、ほうれんそう等、えんどうなどが前年を下回ったものの、スイートコーン、ブロッコリー、ばれいしょなどが前年を上回ったことから、全体では前年同月比11%増と前年をかなり大きく上回った(図3)。

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 主な品目のうち最も増加率が高かったのはスイートコーンで、6045トン(同28%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が米国の5877トン、第2位がタイの1138トン、第3位が中国の357トンであった。
 スイートコーンに次いで増加率が高かったのはブロッコリーで、5876トン(同18%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位がエクアドルの2868トン、第2位が中国の2787トン、第3位がグアテマラの67トンであった。これらの品目は、在庫調整により前年を大幅に上回ったとみられる。
 ブロッコリーに次いで増加率が高かったのはばれいしょで、3万9168トン(同15%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が米国の2万2645トン、第2位がベルギーの6584トン、第3位がカナダの3369トンであった。在庫調整により前年をかなり大きく上回ったとみられる。
 一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはいちごで、2901トン(同10%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の995トン、第2位がエジプトの774トン、第3位がモロッコの513トンであった。在庫調整により前年をかなりの程度下回ったとみられる。
 いちごに次いで減少率が高かったのはほうれんそう等で、3694トン(同9%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の3540トン、第2位が台湾の85トン、第3位がスペインの36トンであった。
 ほうれんそう等に次いで減少率が高かったのはえんどうで、1056トン(同6%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の587トン、第2位が米国の222トン、第3位がニュージーランドの168トンであった。いちごやほうれんそう等と同様、在庫調整により前年をかなりの程度下回ったとみられる。(表3)。

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 生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、塩蔵等野菜のしょうがで1144トン(同44%増)、酢調製野菜のきゅうり及びガーキンで704トン(同162%増)、トマト加工品のピューレ等関割で4607トン(同40%増)、その他調製野菜のスイートコーンで5857トン(同26%増)などであった。