生鮮野菜の輸入量は、キャベツ、ごぼう、にんにくなどが前年を下回ったものの、ばれいしょ、たまねぎ、ねぎなどが前年を上回ったことから、全体での輸入量は前年同月比22%増と前年を大幅に上回った(図2)。
主な品目
(注)のうち最も増加率が高かったのはばれいしょで、5724トン(同64%増)となった。全量米国からの輸入であり、前月同様、チップス用の国産原料が引き続き品薄となっていたことから、代替調達として米国産の輸入量が増加し、前年を大幅に上回った。
ばれいしょに次いで増加率が高かったのはたまねぎで、3万2290トン(同60%)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の2万5391トン、第2位がニュージーランドの5697トン、第3位が豪州の1170トンであった。前月に引き続き、国産品が生育期の低温干ばつで小玉傾向となったことで国内市場が依然として品薄傾向が解消されていない中、主な輸入先である中国の甘粛省において作付面積が増加したことに加えて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の防疫強化により港湾および中国国内流通の停滞が長期化したことで在庫が潤沢だったため、同国からのたまねぎ輸入量は前年の1.3倍に増加した結果、前年を大幅に上回った。
たまねぎに次いで増加率が高かったのはねぎで、4416トン(同18%増)となった。全量中国からの輸入であり、国産品が低温干ばつで生育が停滞して市場入荷量が伸びなかったことから、前年を大幅に上回った。
一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはキャベツで、1585トン(同23%減)となった。全量中国からの輸入であり、円安が継続する中、国産品の生育が回復傾向となったことで、市場入荷量が伸びて価格が落ち着いてきたため、前年を大幅に下回った。
キャベツに次いで減少率が高かったのはごぼうで、3014トン(同11%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の2980トン、第2位が台湾の35トンであった。円安で輸入コストが増加した中、前年は中国産の秋作が豊作で輸入量が大幅に増加したことに加え、国産品の価格が高値となった前年の6割程度となったことから、前年をかなり大きく下回った。
ごぼうに次いで減少率が高かったのはにんにくで、1713トン(同8%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1636トン、第2位がスペインの55トン、第3位が米国の15トンであった。円安で輸入コストが増加した中、国産品の価格が高値となった前年の8割程度となったことに加え、COVID-19による世界的なコンテナ不足などで船便が不安定になっていたことから、前年をかなりの程度下回った(表2)。
(注) 本文中の「主な品目」とは、輸入数量の多い品目のことである。