生鮮野菜の輸入量は、ごぼう、かぼちゃ、ジャンボピーマンなどが前年を下回ったものの、たまねぎ、キャベツ、ばれいしょなどが前年を上回った ことから、全体では前年同月比11%増と前年をかなり大きく上回った(図2)。
主な品目
(注)のうち最も増加率が高かったのはたまねぎで、2万5108トン(同60%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の2万27トン、第2位がニュージーランドの3594トン、第3位が豪州の858トンであった。国産品が生育期の低温干ばつで小玉傾向となったことで国内市場が依然として品薄傾向が解消されていない中、主な輸入先である中国の甘粛省において作付面積が増加し、加えて新型コロナウイルス感染症(COVID‒19)の防疫強化により港湾および中国国内流通の停滞が長期化したことで在庫が潤沢だったため、たまねぎ全体の輸入量は前年の1.6倍と、前年を大幅に上回った。
たまねぎに次いで増加率が高かったのはキャベツで、1359トン(同27%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1352トン、第2位が米国の7トンであった。大型連休による堅調な需要に対して、国産品が低温干ばつで生育が停滞して市場入荷量が伸びなかったことから、前年を大幅に上回った。
たまねぎに次いで増加率が高かったのはばれいしょで、4298トン(同14%増)となった。全量米国からの輸入であった。前月同様、チップス原料用の主産地である北海道が、高温干ばつで不作傾向となったことで国産原料が引き続き品薄となっており、代替調達として米国産の輸入量が増加し、ばれいしょ全体の輸入量は前年をかなり大きく上回った。
一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはごぼうで、2665トン(同20%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の2594トン、第2位が台湾の71トンであった。COVID-19により外食産業などからの需要が回復しきらない中、前年は中国産の秋作が豊作で輸入量が大幅に増加したことに加え、国産品の価格 が高値となった前年の6割程度となったことから、前年を大幅に下回る輸入量となった。
ごぼうに次いで減少率が高かったのはかぼちゃで、1万2227トン(同13%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位がニュージーランドの6980トン、第2位がメキシコの5244トン、第3位が韓国の3トンであった。
かぼちゃに次いで減少率が高かったのはジャンボピーマンで、3051トン(同10%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が韓国の3003トン、第2位がカナダの24トン、第3位がニュージーランドの16トンであった。これらの品目は、COVID‒19により外食産業などからの需要が回復しきらなかったことに加え、為替が円安基調になったこと、COVID‒19による世界的なコンテナ不足などで船便が不安定になっていたことから、前年をかなり下回る輸入量となった(表2)。
(注)本文中の「主な品目」とは、輸入数量の多い品目のことである。