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需給動向 野菜情報 2022年8月号

1.東京都・大阪市中央卸売市場の需給動向(令和4年6月)

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野菜振興部・調査情報部

【要約】

●東京都中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は11万5348トン、前年同月比98.9%、価格は1キログラム当たり267円、同102.1%となった。
●大阪市中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は3万5606トン、前年同月比97.2%、価格は1キログラム当たり239円、同104.4%となった。
●東京都中央卸売市場における指定野菜14品目の価格のうち、平年を下回ったものは、ばれいしょ(平年比77.8%)、きゅうり(同81.6%)、なす(同88.8%)、平年を上回ったものは、たまねぎ(平年比235.7%)、トマト(同119.5%)、レタス類(同118.8%)、さといも(同117.0%)、にんじん(同116.6%)、ねぎ(同111.7%)、だいこん(同104.5%)、ピーマン(同102.9%)、キャベツ類(同102.4%)、はくさい(同101.9%)、ほうれんそう(同100.4%)となった。
●他の食料品が値上がりする中、予算が決められた給食などは青果物の購入量を減らすなど、業務筋が高値で引き合いを強めるといった展開はないと予想している。また、北海道産は初期の低温でやや遅れているが、7月から8月にかけても通常通り入荷し、コロナ禍前に発生した価格急騰の場面はなく、平年並みで高くない水準が保たれると予想している。

(1)気象概況

 上旬は、北日本では、低気圧や気圧の谷、オホーツク海高気圧から流れ込む冷たく湿った空気の影響を受けやすく、旬平均気温はかなり低かった。東・西日本では、旬のはじめは高気圧に覆われて晴れた日が多かったが、関東地方を中心に大気の状態が不安定となった日があり、各地でひょうの被害が相次いだ。関東甲信地方は、6日頃に梅雨入りしたとみられる。旬平均気温は、東日本で低かった。西日本と沖縄・奄美では平年並だった。旬降水量は、北・東・西日本日本海側、北・東日本太平洋側と沖縄・奄美で多かった。西日本太平洋側では平年並だった。旬間日照時間は、西日本太平洋側でかなり多く、西日本日本海側で多かった。一方、沖縄・奄美でかなり少なく、北日本太平洋側で少なかった。北・東日本日本海側と東日本太平洋側では、平年並だった。
 中旬は、北日本では、天気が数日の周期で変化した。東・西日本と沖縄・奄美では、東シナ海から本州南岸付近に停滞した梅雨前線や、前線上を東進した低気圧の影響を受けやすく、曇りや雨の日が多かったが、東・西日本ではまとまった雨とならなかった所が多く、日本海側を中心に高気圧に覆われて晴れた日もあった。九州南部、九州北部地方では11日頃、四国地方では13日頃、中国地方、近畿地方、東海地方、北陸地方では14日頃、東北南部、東北北部では15日頃に梅雨入りしたとみられる。一方、沖縄地方では、旬の終わりに太平洋高気圧に覆われて晴れた所が多くなり、20日頃に梅雨明けしたとみられる。旬平均気温は、全国で平年並だった。旬降水量は、東・西日本日本海側と東・西日本太平洋側で少なかった。一方、沖縄・奄美で多かった。北日本日本海側と北日本太平洋側では、平年並だった。旬間日照時間は、東・西日本太平洋側で少なかった。北・東・西日本日本海側、北日本太平洋側、沖縄・奄美では平年並だった。
 下旬は、九州南部、東海、関東甲信は27日頃、九州北部、四国、中国、近畿、北陸は28日頃、東北南部は29日頃に梅雨明けしたとみられ、1951年以降で最も早い記録となった地方が多かった(速報値)。高気圧に覆われやすかったため、旬間日照時間は、東・西日本日本海側と東・西日本太平洋側でかなり多く、沖縄・奄美で多かった。北日本日本海側で少なく、北日本太平洋側では平年並だった。東日本太平洋側の旬間日照時間は平年比207%で、1946年の統計開始以降、6月下旬として1位の多照となった。旬降水量は、西日本太平洋側でかなり少なく、東・西日本日本海側と東日本太平洋側で少なかった。一方、北日本は、低気圧や前線の影響で大雨となった所があり、北日本日本海側と北日本太平洋側でかなり多く、北日本日本海側の旬降水量は平年比317%で、1946年の統計開始以降、6月下旬として1位の多雨となった。暖かい空気が流れ込みやすかったため、旬平均気温は、北・東・西日本でかなり高く、平年差は東日本で+4.0℃、西日本で+3.2℃となり、それぞれ1946年の統計開始以降、6月下旬として1位の高温となった。旬別の平均気温、降水量、日照時間は以下の通り(図1)。

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(2)東京都中央卸売市場

 5月の東京都中央卸売市場における野菜全体の入荷状況は、入荷量は11万5348トン、前年同月比98.9%、価格は1キログラム当たり267円、同102.1%となった(表1)。

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 根菜類は、にんじんの価格が、不足感から堅調な動きとなり、やや安めに推移した前年を2割以上上回り、平年を1割以上上回った(図2)。
 葉茎菜類は、レタス類の価格が、やや高めに推移した前年をやや上回り、平年を2割近く上回った(図3)。
 果菜類は、きゅうりの価格が、平年並みであった前年を2割近く下回った(図4)。
 土物類は、たまねぎの価格が、絶対数不足から引き続き高値基調が続き、高めに推移した前年の2倍近い価格となり、平年の2.3倍以上の価格となった(図5)。

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 なお、品目別の詳細については表2のとおり。

(3)大阪市中央卸売市場

 5月の大阪市中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は3万5606トン、前年同月比97.2%、価格は1キログラム当たり239円、同104.4%となった(表3)。

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 品目別の詳細については表4の通り。

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(4)首都圏の需要を中心とした8月の見通し

 4~5月の北海道は例年にない低温であった。回復が早い北海道であっても、今後の天候から目が離せない。関東以西は7月初めまで空梅雨となっており、露地野菜を中心に遅れて、全般的に切り上がりが例年より後ろにずれた。そのためキャベツなどは価格が安かった。
 6月の東京市場の入荷は、前年比微減、価格は若干高くなっている。しかし、小売の段階では、売上金額で昨年を割り込んでおり、他の食料品が値上がりして青果に回す余裕が無くなっているとみられている。学校給食は予算が決められているため、青果物の購入量を減らしていることなどからも、業務筋が高値で引き合いを強めるといった展開はないと予想している。7月上旬後半に一旦猛暑が収まって、野菜の供給が急減するといった最悪の展開は回避された。北海道産は初期の低温でやや遅れているが、7月から8月にかけて通常通り入荷し、コロナ禍前に発生した価格急騰の場面はなく、平年並みで高くない水準が保たれると予想している。

根菜類

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 だいこんは、北海道産(道央のようてい)の収穫はほぼ計画通り6月末頃からのスタートとなった。低温の時期もあったが、現状は抽苔(ちゅうだい)の発生は見られない。7月11日の週に1回目のピークが来て、8月上旬に2回目のピークが来ると予想している。8月下旬には6月下旬の降雨の影響で一旦減ることも予想される。全体の出荷は平年並みかやや減と予想している。同産(道東の標茶(しべちゃ))は一部地元への出荷が始まったが、東京市場へは平年よりやや遅い7月21日頃からと予想される。6月から7月にかけての長雨の影響を一部の圃場では受けているが、今後の出荷ではほとんど問題はないとみている。作付けが微増で、2L、Lサイズ中心に8月から9月がピークと予想される。
 にんじんは、北海道産(道央のようてい)は現状までは高温過ぎず、適度の降雨で生育は順調である。6月初め頃に低温になったが、抽苔は見られない。選果の開始は8月2~4日で、出荷のピークは8月下旬から9月上旬と予想している。同産(道南の新函館)は、7月に入り出荷のピークで、8月にはかなり少なくなると予想される。発芽不良の場所もあり、本年産は不作傾向である。同産(道東の斜里)の掘り採りは7月23日から始まり、東京市場での販売は27日頃を予想している。出荷のピークは8月いっぱいで、9月には徐々に減りながら推移し、10月にはかなり少なくなると予想される。前年は干ばつで大幅に減収したが、今年は前年を上回って平年並みの予想である。品種は「晩抽天翔」で、中心サイズはMを予想している。

葉茎菜類

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 キャベツは、群馬産は高温・干ばつが続いて雨が欲しいところであったが、7月3日にようやく降り始めた。当初の平野の物は遅れたが、現状は前年並みに順調に出荷できている。今後8~9月にピークを迎えるが、前年並、平年並の出荷量を予想している。岩手産は、例年より遅れて出始めた。晩霜に見舞われ、その後の干ばつで揃いが悪い。7月中旬には回復して8月はさらに増えてピークとなろう。岩手県も気温は上がっているが、今のところ生育は順調である。作付けは前年の105%と増えており、農家の意欲は旺盛である。
 はくさいは、長野産は7~8月は標高1200~1300メートル地帯からの出荷となる。現状は干ばつの影響で一部に葉の萎縮がみられるものの、基本的には生育順調である。作付けは前年並であるが、7月下旬から8月にはやや少なくなってくると予想される。
 ほうれんそうは、岩手産の現状は高温の影響で生育はやや止まっており、少ないまま8月に入ることも予想される。前年は平年並であったが、作付けの減少からやや前年を下回ることも予想される。群馬産は6月いっぱいは多く出荷できたが、暑さの影響で7月に入り減っている。7月に入って高温が収まったことで量的には回復してくるが、人手不足も影響して8月も前年を下回ると予想している。岐阜産の現状は暑さの影響でやや減っている。天候次第で多少回復することも予想されるが、本格的に回復するのは9月中下旬になってからとみている。8月は今のところ前年並を予想している。
 ねぎは、青森産(十和田奥入瀬)が7月上旬後半から収穫が開始され、市場へは7月11日頃から出荷が始まると予想される。作付けは前年並みで、9月が最大のピークと予想している。同産(つがる西北)のハウスは始まっているが、露地は7月中旬からと予想される。7月初めの雨で圃場(ほじょう)に入れない状況で、この後の軟腐の発生が心配される。問題がなければ盆前後からピークとなり、稲刈り前の9月中旬まで続き、その後10月中下旬が再びピークとなると予想される。北海道産(新函館)は6月1日から始まったが、ピークは8月下旬から9月までで、切り上がりは11月の積雪前と予想される。作付けは前年の103%と増えている。降雨の影響はなく、むしろ定植時期の干ばつで遅れがある。
 レタスは、長野産は7月に入り出荷のピークになってきた。7月15日頃に折り返し地点を迎えるが、現状は遅れている。干ばつが続いて肥大不足も見られ、さらに7月に入っての異常気象から、8月は前年を下回る可能性がある。特別大きな減少はないが、通常どおり盆明けから数量は減ると予想される。群馬産は、日長の時期の高温によって、圃場で傷みが発生している。7月に入り気温が下がって中旬から回復してくると予想している。気温が特別高くなければ8月は通常のペースで出荷できると予想される。

果菜類

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 きゅうりは、福島産は今後ハウス・雨除け・露地と全ての作型が揃ってピークを迎えるが、8月に入りハウスは品種の切り替えで減ってくると予想される。5月から6月にかけての低温の影響で、現状やや果形が悪い。量的にはほぼ前年並の出荷を予想している。岩手産の露地物は6月初め頃の低温により、現状4~5日遅れている。前年はピークらしいピークがなく、盆の低温で早めに切り上がった。今年は遅れた分、7月下旬から8月上旬にかけてやや多くなると予想している。作付けは前年を上回っており、9月いっぱいの出荷を目指している。
 なすは、栃木産の現状はハウスと露地の出荷となっている。7月20日頃に露地の生産者が揃い、8月いっぱいまで出荷のピークと予想している。猛暑であるが、今のところ大きな問題なく、生育順調である。前年は盆の時期の天候不順で少なかったが、通常であれば前年を上回ると予想される
 トマトは、北海道産のピークは7月中旬に1回目、8月盆頃に2回目のピークと予想される。今年は作付けの減少に加え、曇天続きと雨の影響で出荷は減っている。6月までの実績は前年の63%であった。8月はL玉中心で、同95%程度と予想している。青森産(田子)の生育は平年よりも7日程度の遅れとなっている。当面の出荷のピークは7月下旬、8月8日頃から盆前頃まで潤沢な出荷と予想している。昨年は盆から下旬に減少した。品種は「りんか」であり、段ごとに色づくことが評価されている。同産(つがる西北)の作付けは前年の90%と減っている。高温と多照で葉のしおれが見られるものの順調で、各段に実が付いている。7月後半から8月がピークと予想しているが、平年より多くなると予想している。現状は2Lサイズ中心であるが、8月にはM中心とLサイズの出荷が予想される。群馬産の夏秋ものは、6月の低温による遅れは回復してきた。現状は出始めの段階であるが、高温でやや軟弱気味である。今後持ち直して8月は平年並みの出荷を予想している。この高温で6段5段の花がやや減っている。
 ミニトマトは、北海道産の作付けは前年の95%と、高齢化による離農が進んでいる。生育は日照不足により遅れている。6月下旬の降雨による影響はないが、湿害は発生しやすくなっている。ピークは7月末頃から盆前頃と予想している。
 ピーマンは、岩手産の現状は露地の出始めであるが、定植時期の低温で停滞したため出遅れて少なめのスタートとなった。海の日頃に1回目のピークとなり、盆明け頃に2回目のピークと予想している。6月後半に入り高温で進んだが、実の付き方が悪い。ハウスは4月の定植で順調であったが、その後の低温と最近の高温で実腐れの発生など例年より悪い。作付けは増えているが、8月は例年をやや下回る出荷となろう。茨城産の8月は、春ピーマンを引き続き出荷する生産者、秋ピーマンを早めた生産者が両方入荷するが、端境期である。量的にはやや少なめであった前年並の見込みである。福島産は5月の多雨と曇天続きの影響で、ハウスとトンネルは7~10日の遅れ、露地は2週間の遅れとなっている。ハウスは7月20日から盆前までピークと予想される。トンネルは8月5日頃からピークと予想している。現状の出荷は例年の半分程度であるが、8月は同70~80%程度と少なめの出荷が予想される。

土物類

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 ばれいしょは、北海道産(今金)の「男爵」は8月上旬から始まり、平年並である。大雨で一部冠水や土壌の流亡などの被害に遭った。9~10月がピークであるが、出荷は前年の90%と前年を下回ると予想される。肥大は今のところL大サイズ中心と予想している。同産(芽室)は「メークイン」産地からとなるが、8月末頃から選果が始まると予想している。当初の生育は進んでいたが、現状は若干の前進に抑えられている。「メークイン」と「とうや」の作付けは増えている。9月から翌2月初めまで、ほぼ一定のペースで出荷されると予想される。同産(道央)の「きたあかり」は7月末頃から始まると予想している。生育期間中は曇りの日が多くまとまった雨もあった。また、全般に低温気味ではあるが、例年並みの生育である。8月は苗で定植した促成物、下旬に入って通常作の物が始まると予想される。
 たまねぎは、北海道産は例年並みに8月上旬から出荷が始まると予想される。6月から7月にかけての降雨で、一部で被害が報告されている。現状の生育は肥大良好で、豊作型と予想している。8月までは少な目であるが、9月から本格的に増えてくると予想される。兵庫産は干ばつの時期に定植され、肥大期にようやく降雨があって、平年並みの大きさに仕上がっている。7~8月は農家で貯蔵した物の販売になるが、早めに出荷して盆前には切り上がることも予想される。JAの冷蔵庫に貯蔵した物は年明けまで出荷されると予想される。

その他

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 ブロッコリーは、北海道産の現状は7~10日程度遅れて出荷が始まっているが、例年の半分程度である。7月中旬には通常の出荷ペースに戻り、7月25日の週には最大のピークを迎えると予想される。8月に入ると他の収穫物の作業が始まりやや減ってくると予想している。作付けの減少はあるが、8月は前年を上回る出荷と予想される。
 かぼちゃは、北海道産は例年と同様に9月の初めからと予想している。作付けは前年の95%と減っている。ピークは10月上旬に来てその後いったん減るが、12月には再び増えると予想される。現状は大雨の影響はない。品種は「くりゆたか」メインの出荷である。
 とうもろこしは、北海道産(名寄)は7月末頃から始まり、ピークは8月10日前後、9月20日頃までとシーズンは長い。作付けは微増であり、品種は「ゴールドラッシュ」と「ほしつぶコーン」である。同産(芽室)は、8月10日前後から始まり、盆明け頃にピークを迎えると予想される。定植後は干ばつであったが、5月後半から降雨が続き、7月上旬後半に入りようやく天気が回復し、生育そのものは順調である。品種は前半が「ゴールドラッシュ」、後半は「サニーショコラ」である。
 えだまめは、山形産の「だだちゃ豆」は平年と同様に7月下旬から始まると予想される。ピークは盆前後の8月中旬で、現状は生育順調である。作付けは稲作からの転作もあって増えている。青森産は乾燥の後の降雨と高温で生育は遅れている。出荷は7月中旬から始まり、ピークは盆前を予想している。作付けは前年並みである。
 にんにくは、青森産の収穫作業は6月いっぱいで8割程度終了したが、本年産は豊作傾向である。生果での販売は7月上旬頃にあったが、市場出荷は9月に入ってから始まる計画である。
 メロンは、北海道産(留萌(るもい))は「ルピアレッド」と「レノン」の赤肉メロンの出荷となり、ピークは7月中旬から盆前頃までと予想される。作付けは前年の91%と減っている。同産(共和)の「らいでんクラウンメロン」は7月中旬から始まり、ピークは盆明けからで、最終は10月までと予想される。「ルピアレッド」は7月から始まって盆明け頃までと予想される。「ティアラ」は7月25日から9月15日頃までと予想される。「SDR」は盆明けから始まり10月上旬までと予想される。メロン全体の作付けは微減である。
(執筆者:千葉県立農業大学校 講師 加藤 宏一)

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