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需給動向 野菜情報 2022年7月号

2.野菜の輸入動向(令和4年4月)

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野菜振興部

【要約】

 4月の輸入量は、乾燥野菜、その他調製野菜およびその他が前年同月を下回ったものの、干ばつの影響で国産品の市場入荷量が減少した生鮮野菜、前年の輸入量が少なかった冷凍野菜を中心に前年同月を上回り、全体では前年同月比7%の増加となった。塩蔵等野菜、酢調製野菜およびトマト加工品も前年を上回った。

(1)令和4年4月(速報値)

 令和4年4月の野菜輸入量は、25万9242トン(前年同月比7%増)となった。乾燥野菜、その他調製野菜およびその他が前年同月を下回ったものの、生鮮野菜、冷凍野菜、塩蔵等野菜、酢調製野菜およびトマト加工品が前年同月を上回ったことから、全体の輸入量は同7%増と前年同月をかなりの程度上回った(図1、表1)。

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(2)生鮮野菜

 生鮮野菜の輸入量は、メロン、ごぼう、にんじんなどが前年を下回ったものの、キャベツ、たまねぎ、ばれいしょなどが前年を上回ったことから、全体での輸入量は前年同月比9%増と前年をかなりの程度上回った(図2)。

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 主な品目(注)のうち最も増加率が高かったのはキャベツで、2096トン(同66%増)となった。全量中国からの輸入であった。国産品が低温干ばつで生育が停滞して市場入荷量が伸びなかったため、中国からの輸入量が前年同月の約1.7倍となったことから、前年を大幅に上回った。
 キャベツに次いで増加率が高かったのはたまねぎで、2万8363トン(同61%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の2万3902トン、第2位がニュージーランドの2836トン、第3位が韓国の686トンであった。国産品のうち、貯蔵ものの北海道産が不作だったことに加え、即売ものの九州産などが低温干ばつで小玉傾向となったことで国内市場が依然として品薄傾向が解消されていない中で、ニュージーランド産の輸入量が4倍以上に増加した。さらに主な輸入先である中国の甘粛省において作付面積が増加し、加えて新型コロナウイルス感染症(COVD‐19)の防疫強化により港湾および中国国内流通の停滞が長期化し、在庫が潤沢であったことから、たまねぎ全体の輸入量は前年の1.6倍に増加し、前年を大幅に上回った。
 たまねぎに次いで増加率が高かったのはばれいしょで、7070トン(同29%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が米国の7068トン、第2位が中国の2トンであった。ポテトチップス原料用の主産地である北海道が、高温干ばつで不作傾向となったことで国産原料が引き続き品薄となっているため、代替調達として米国産の輸入量が増加し、ばれいしょ全体の輸入量は前年を大幅に上回った。
 一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはメロンで、1265トン(同30%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位がホンジュラスの808トン、第2位がメキシコの269トン、第3位がコスタリカの71トンであった。COVID‐19により外食産業などの需要が回復しきらない中、メキシコ産がラニーニャ現象による干ばつで減産となったため、前年を大幅に下回る輸入量となった。
 メロンに次いで減少率が高かったのはごぼうで、3105トン(同29%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の3035トン、第2位が台湾の71トンであった。COVID‐19により外食産業などの需要が回復しきらなかったことに加え、前年は中国産の秋作が豊作で輸入量が大幅に増加したことから、前年を大幅に下回る輸入量となった。
 ごぼうに次いで減少率が高かったのはにんじんで、6271トン(同22%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の5583トン、第2位が台湾の518トン、第3位がベトナムの78トンであった。COVID‐19により外食産業などの需要が回復しきらなかったことに加え、前年は国産品が小ぶりで入荷量が伸びずに輸入量が多かったことから、前年を大幅に下回る輸入量となった(表2)。

(注)本文中の「主な品目」とは、輸入数量の多い品目のことである。 


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(3)冷凍野菜等

 冷凍野菜の輸入量は、えだまめ、さといもなどが前年を下回ったものの、スイートコーン、いんげん豆等、いちごなどの品目が前年を上回ったことから、全体では前年同月比7%増と前年をかなりの程度上回った(図3)。

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 主な品目のうち最も増加率が高かったのはスイートコーンで、5686トン(同42%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が米国の4138トン、第2位がタイの656トン、第3位が中国の402トンであった。
 スイートコーンに次いで増加率が高かったのはいんげん豆等で、2241トン(同20%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1080トン、第2位がタイの789トン、第3位がベルギーの154トンであった。これらの品目は、前年が在庫調整などで輸入量が減少したことから、前年を大幅に上回った。
 いんげん豆等に次いで増加率が高かったのはいちごで、2894トン(同18%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位がチリの792トン、第2位が中国の719トン、第3位がエジプトの576トンであった。国産生鮮品の入荷量が伸びなかったことに加え、前年の輸入量がやや少なかったため、前年を大幅に上回った。
 主な品目のうち最も減少率が高かったのはえだまめで、5782トン(同4%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が台湾の2554トン、第2位がタイの1673トン、第3位が中国の1296トンであった。COVID‐19により外食産業などの需要が回復しきらなかったことに加え、台湾産の輸入量が前年を下回ったことから、前年をやや下回る輸入量となった。
 えだまめに次いで減少率が高かったのはさといもで、2214トン(同2%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の2205トン、第2位が台湾の8トン、第3位がベトナムの2トンであった。COVID‐19により外食産業などの需要が回復しきらなかったことに加え、国産生鮮品の価格が平年をやや下回っていたことから、前年をわずかに下回る輸入量となった(表3)。

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 生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、塩蔵等野菜のしょうがで2232トン(同104%増)、酢調製野菜のしょうがで1342トン(同2%増)、トマト加工品のピューレ等関割以外で1万3468トン(同41%増)、その他調製野菜のスイートコーンで5151トン(同4%減)などであった。


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