生鮮野菜の輸入量は、メロン、ごぼう、にんじんなどが前年を下回ったものの、キャベツ、たまねぎ、ばれいしょなどが前年を上回ったことから、全体での輸入量は前年同月比9%増と前年をかなりの程度上回った(図2)。
主な品目
(注)のうち最も増加率が高かったのはキャベツで、2096トン(同66%増)となった。全量中国からの輸入であった。国産品が低温干ばつで生育が停滞して市場入荷量が伸びなかったため、中国からの輸入量が前年同月の約1.7倍となったことから、前年を大幅に上回った。
キャベツに次いで増加率が高かったのはたまねぎで、2万8363トン(同61%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の2万3902トン、第2位がニュージーランドの2836トン、第3位が韓国の686トンであった。国産品のうち、貯蔵ものの北海道産が不作だったことに加え、即売ものの九州産などが低温干ばつで小玉傾向となったことで国内市場が依然として品薄傾向が解消されていない中で、ニュージーランド産の輸入量が4倍以上に増加した。さらに主な輸入先である中国の甘粛省において作付面積が増加し、加えて新型コロナウイルス感染症(COVD‐19)の防疫強化により港湾および中国国内流通の停滞が長期化し、在庫が潤沢であったことから、たまねぎ全体の輸入量は前年の1.6倍に増加し、前年を大幅に上回った。
たまねぎに次いで増加率が高かったのはばれいしょで、7070トン(同29%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が米国の7068トン、第2位が中国の2トンであった。ポテトチップス原料用の主産地である北海道が、高温干ばつで不作傾向となったことで国産原料が引き続き品薄となっているため、代替調達として米国産の輸入量が増加し、ばれいしょ全体の輸入量は前年を大幅に上回った。
一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはメロンで、1265トン(同30%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位がホンジュラスの808トン、第2位がメキシコの269トン、第3位がコスタリカの71トンであった。COVID‐19により外食産業などの需要が回復しきらない中、メキシコ産がラニーニャ現象による干ばつで減産となったため、前年を大幅に下回る輸入量となった。
メロンに次いで減少率が高かったのはごぼうで、3105トン(同29%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の3035トン、第2位が台湾の71トンであった。COVID‐19により外食産業などの需要が回復しきらなかったことに加え、前年は中国産の秋作が豊作で輸入量が大幅に増加したことから、前年を大幅に下回る輸入量となった。
ごぼうに次いで減少率が高かったのはにんじんで、6271トン(同22%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の5583トン、第2位が台湾の518トン、第3位がベトナムの78トンであった。COVID‐19により外食産業などの需要が回復しきらなかったことに加え、前年は国産品が小ぶりで入荷量が伸びずに輸入量が多かったことから、前年を大幅に下回る輸入量となった(表2)。
(注)本文中の「主な品目」とは、輸入数量の多い品目のことである。