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需給動向 野菜情報 2022年6月号

1.東京都・大阪市中央卸売市場の需給動向(令和4年4月)

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野菜振興部・調査情報部

【要約】

⃝東京都中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は11万8755トン、前年同月比92.7%、価格は1キログラム当たり272円、同107.2%となった。
⃝大阪市中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は3万6726トン、前年同月比88.3%、価格は1キログラム当たり260円、同122.1%となった。
⃝東京都中央卸売市場における指定野菜14品目の価格のうち、平年を下回ったものは、にんじん(平年比77.6%)、なす(同81.7%)、ねぎ(同92.9%)、さといも(同96.1%)、はくさい(同97.9%)、平年を上回ったものは、たまねぎ(平年比252.6%)、ばれいしょ(同135.9%)、キャベツ類(同111.5%)、きゅうり(同109.4%)、だいこん(同108.4%)、ピーマン(同108.3%)、トマト(同106.4%)、ほうれんそう(同100.8%)、レタス類(同100.2%)となった。
⃝首都圏を中心とした6月の見通しは、これから本格化する東北、北海道、高原産地産について、雪解けの遅れが出荷に影響しているのは一部で、市場に混乱を及ぼすことはないと予想されるが、関東でも4月以降は寒暖の差が大きく、全国的にも果菜類の出回り不足は解消されることはないであろう。引き続き平年を上回る価格が続くと予想している。

(1)気象概況

 上旬は、全国的に高気圧に覆われやすく、晴れた日が多かったが、期間のはじめは、気圧の谷の影響で東日本太平洋側を中心に雨の降った日があった。旬降水量は、東日本太平洋側を除いて少なく、高気圧に覆われた西日本と東日本日本海側でかなり少なかった。北日本と沖縄・奄美で少なかった。旬間日照時間は全国的に多く、平年比は北日本日本海側140%、北日本太平洋側138%、東日本日本海側158%、西日本日本海側177%、西日本太平洋側160%となり、それぞれ1961年の統計開始以来、4月上旬として1位の多照となった。また、北・西日本と東日本日本海側の旬間日照時間はかなり多く、東日本太平洋側と沖縄・奄美で多かった。期間のはじめは、東・西日本と沖縄・奄美では寒気の影響で気温が平年を下回った時期があったが、北日本は暖かい空気に覆われやすかった。期間の中頃からは晴れて気温が上がりやすく、また南から暖かい空気が流れ込んだため、全国的に気温が高くなり、9日と10日は東北地方以南で夏日となった地点が多かった。旬平均気温は、北・東日本で高く、西日本と沖縄・奄美で平年並だった。
 中旬は、期間のはじめは、高気圧に覆われ、晴れて気温が上がり、また、暖かい空気が流れ込んだため全国的に気温が高くなり、東北地方や東海地方、近畿地方などでは真夏日となった地点もあった。期間の中頃は、前線や気圧の谷の影響で、本州では雨となった所が多く、寒気が流れ込んだため気温が平年を下回った日が多かった。期間の終わりは、高気圧に覆われて晴れた所が多かった。15日頃は、台風第1号が小笠原諸島に接近して大荒れとなった。旬平均気温は、北・東・西日本で高く、沖縄・奄美で平年並だった。旬降水量は、沖縄・奄美でかなり少なく、北日本で少なかった。また、東・西日本では平年並だった。旬間日照時間は、北日本と東日本日本海側で多く、東日本太平洋側、西日本、沖縄・奄美で平年並だった。
 下旬は、低気圧や前線が本州南岸付近と日本の北をたびたび通過し、26日には前線を伴った低気圧が日本海を東進したため、天気は短い周期で変わった。本州付近は、低気圧や前線の影響を受けやすく、曇りや雨の日が多かったため、旬降水量は東・西日本でかなり多かった。特に、東日本太平洋側の旬降水量は、平年比247%で、1946年の統計開始以来、4月下旬として1位の多雨となった。北日本と沖縄・奄美で平年並だった。旬間日照時間は西日本太平洋側でかなり少なく、東日本と西日本日本海側で少なかった。一方、低気圧の影響を受けにくかった北日本と沖縄・奄美では多かった。期間の中頃までは暖かい空気が流れ込んだため、全国的に旬平均気温がかなり高く、関東甲信地方や九州北部地方、沖縄地方では真夏日となった地点もあった。旬平均気温は、全国でかなり高かった。(図1)。 

図1 気象概況

(2)東京都中央卸売市場

 4月の東京都中央卸売市場における野菜全体の入荷状況は、入荷量は11万8755トン、前年同月比92.7%、価格は1キログラム当たり272円、同115.6%となった。(表1)。

表1 東京都中央卸売市場の動向(4月速報)

 根菜類は、にんじんの価格が、4月出荷分が集中して厳しい展開となり、前年、平年とも2割以上下回った。(図2)。
 葉茎菜類は、キャベツ類の荷動きが月間を通して安定しており、連休前にやや苦戦したものの、大幅に安めに推移した前年を5割以上上回り、平年を1割以上上回った。(図3)。
 果菜類は、なすの価格が安定して推移したものの、やや安めに推移した前年を2割近く下回り、平年を2割近く下回った。(図4)。
 土物類は、たまねぎが絶対数不足から引き続き高値が続き、安めに推移した前年の3.4倍以上の価格となり、平年の2.5倍以上となった。(図5)。

図2,3,4,5 各品目の入荷量と卸売価格の推移

 なお、品目別の詳細については表2のとおり。

表2 品目別入荷量・価格の動向(東京都中央卸売市場)

(3)大阪市中央卸売市場

 4月の大阪市中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は3万6726トン、前年同月比88.3%、価格は1キログラム当たり260円、同122.1%となった。(表3)。

表3 大阪市中央卸売市場の動向(4月速報)

 品目別の詳細については表4の通り。

表4 品目別入荷量・価格の動向(大阪市中央卸売市場)

(4)首都圏の需要を中心とした6月の見通し

 東京の小売商によると5月の連休中の売上は期待していたほど伸びなかった。公園やイベント会場には人が相当に集まったが、夜の店には相変わらず人は戻っていない。4月いっぱいまでの東京市場は平年価格を上回った。市場の担当者からは、天候不順による不作の情報がもたらされ、西日本の産地からは低温・干ばつによる生育遅れの情報が多かった。一般的に生育が遅れると不作で終わる可能性が高い。これから本格化する東北、北海道、高原産地産について、雪解けの遅れが出荷に影響しているのは一部で、市場に混乱を及ぼすことはないと予想されるが、関東でも4月以降は寒暖の差が大きく、全国的にも果菜類の出回り不足は解消されることはないであろう。引き続き平年を上回る価格が続くと予想している。

根菜類
だいこんのイラスト

 だいこんは、青森産は6月も引き続き順調で例年並みに出荷されると予想される。雪解けの遅れにより作付けは前年より若干減少しており、7月以降にこの影響が出てくると予想している。
 北海道産は例年と同様6月27、28日頃から始まると予想している。冬季の降雪が多かったが作付けは問題なく、現状はやや干ばつ気味であるが、生育は順調である。千葉産は例年どおり6月上旬までの出荷と予想される。今年は豊作であり、品質の良い品が順調に出荷されている。南九州産が終盤を迎え、大分産の標高500~600メートル地帯が5~6月にピークを迎えると予想される。若干小振りで出荷量減の懸念も残るが、やや後半にずれ込むことからほぼ平年並みの出荷を予想している。
 にんじんは、千葉産の初夏にんじんは平年と同様5月下旬から始まり、6~7月初め頃までがピークと予想される。作付けは前年並で、品種も前年と同様の「彩誉」や「翔彩」などである。北海道産は6月20日頃から始まり、作付面積は減少傾向が続いており、前年の90%程度である。ピークは6月末から7月10日頃と予想され、品種は「紅みのり」である。

葉茎菜類
きゃべつのイラスト

 キャベツは、群馬産が例年と同様6月中旬からのスタートと予想される。冬季の降雪が多かったが定植は問題なく行われ、現状までは凍霜害や干ばつもなく順調に推移している。最大のピークは9月と予想している。岩手産の定植は4月20日頃から始まったが、例年と同様出荷は6月下旬から開始されると予想している。4月下旬に強い霜と降雪があり、この影響は多少あると予想している。農業実習生が戻り、昨年よりも人手はプラスになると予想される。
 はくさいは、群馬産は大きな気象災害もなく生育は順調で、前年と同程度の出荷が続くと予想される。標高900~1100メートル地帯から6~9月まで毎月一定ペースで出荷される。7月以降は契約出荷が多くなる見込みである。
 ほうれんそうは、岩手産は4月上中旬の低温で遅れもあったが、下旬に入っての降雨で回復している。ピークは6月までで7月には減ると予想される。作付面積はやや減っている。群馬産は雪解けの遅れから一部で播種(はしゅ)できず、現状までは少なめの出荷となった。5月中旬から増え始め、6月下旬には被覆物が中心となって平年並みに追いついてくると予想している。岐阜産は4月に前進出荷した影響で5月に入り減っている。10日頃から回復し、ピークは6月上中旬と予想している。作付けが前年並であることから、6月の出荷も前年並を予想している。
 ねぎは、茨城産の初夏ねぎが6~7月に最盛期から後半期を迎える。目立った気象災害はなく、前年より微増の出荷と予想される。千葉産の春ねぎは生育順調で、6月をピークに7月には減りながら推移すると予想される。出荷量は平年並みを予想している。
 レタスは、群馬産は4月に肥大が早まって計画より多く出荷されたため、5月上中旬はやや減ることが予想される。5月下旬から回復し、6月いっぱいはピークが続くと予想される。6月は平年並の出荷を予想している。長野産は6月初めからで例年より若干遅い始まりとなる。6月は標高1500メートルの()場からとなるが、4月の低温が影響した。前年を下回る出荷となろう。

果菜類
きゅうりのイラスト

 きゅうりは、福島産の出荷状況は例年の80~90%で、スタートの遅れが影響している。大きな気象災害はなく5月、6月と徐々に増えながら推移すると予想される。露地物が始まる7月中旬以降に最大のピークが来ると予想している。作付けは前年並である。
 なすは、群馬産の生育は順調であるが、天候が不安定で予想よりも出荷は伸びていない。6月には露地物も始まりピークに入ると予想される。作付けは前年並で、天候の回復で例年並に回復してくると予想している。栃木産は4月定植のトンネル物が5月中旬から、5月定植は6月からと増えながら推移し、まとまったピークは8月の盆前後と予想される。現状までは気象災害もなく順調で、作付けも前年並と予想している。
 トマトは、栃木産の越冬の冬春物は6月いっぱいとなるが、病気が散見される。今後の出荷は増えずに終盤を迎えると予想される。半促成物は順調で、ピークは5月下旬から6月いっぱいと予想される。山形産の東京市場への出荷は6月初め頃からで、ピークは同20日頃からと予想している。今年は雪が多く、定植を遅らせた影響が出ている。品種は桃太郎系でL・Mサイズ中心と予想される。北海道産の現状は地元市場への出荷が始まっており、東京市場へは例年と同様6月に入ってからと予想している。作付けは前年の95%であり、中心品種は桃太郎系で、当面のピークは7月末から8月上旬の見込みである。熊本産は4月下旬から平年並みに出荷されており、6月20日で終わるが、6月としては小玉果が多く前年を下回る出荷と予想している。青森産は4月下旬の定植物が6月20日頃から始まる見込みである。作付けは前年の80~90%と減少傾向に歯止めがかからない。生産者の高齢化も一因であるが、ハウス自体の老朽化の影響にもよる。一部はミニトマトに変わっている。
 ピーマンは、茨城産の春ピーマンが天候に恵まれて2~3月は例年を上回る出荷となったが、4月に入り天候の崩れから出荷はやや落ち込んだ。5月には回復基調となり、6月にも同様のペースで推移すると予想している。初期の病気の影響から、6月は例年を下回る出荷と予想している。岩手産のハウス物は5月の連休明けから始まるが、昨年より遅くほぼ例年並である。露地作が増えて作付けは前年の110%程度であり、生育は順調である。

土物類
ばれいしょのイラスト

 ばれいしょは、長崎産の玉数は少なく大玉傾向で、品質良く仕上がっている。ピークは連休明け頃から6月いっぱいで、7月初め頃には切り上がると予想される。静岡産(とぴあ浜松)の三方ヶ原男爵は連休中に掘り採りを開始し、連休明けから出荷が始まる計画である。収量は平年並みかやや多くなると予想している。Lサイズを中心に、5月下旬~6月上旬にピークが来ると予想している。同産(三島函南)の三島メークインは例年同様6月下旬からの出荷と予想している。作付けは16ヘクタールで前年より若干の減少となっている。出荷のピークは7月上中旬と予想されるが、4月28日の強風で一部葉の損傷も見られ、影響が心配される。千葉産は例年と同様6月20~25日の間に始まり、ピークは7月と予想している。品種は例年と同様「メークイン」が80%でその他は「とうや」などである。作付けは10~11ヘクタールと前年並である。
 たまねぎは、佐賀産はスタートの3~4月上旬までは遅れて少なかったが、その後は回復している。作柄は平年並で、前年よりやや少なめである。6月上旬までは5月と同様のペースだが、後半は田植え作業が始まってたまねぎの作業時間が減る影響で減ってくると予想される。7月いっぱいは量が多く、最終出荷は貯蔵物が終わる8月いっぱいと予想される。兵庫産は連休明けから早生物の出荷がピークを迎えると予想される。引き続き6月中旬まで出荷は多いが、20日過ぎには収穫をいったん終えて田植えに注力されると見込まれる。その後は貯蔵物となるが、昨年は作柄が悪く貯蔵物は多くなかったため、今年は前年を上回る出荷と予想される。昨年は前進傾向であったが、今年は平年並である。Lサイズ中心で小振りではない。千葉産は連休明けから始まるが、例年よりやや遅れている。定植時期に自然災害がなく順調であったが、ここに来て病気が散見される。作柄は肥大も良好でやや豊作型と予想している。香川産の現状は早生の出始めであるが、低温・乾燥で若干遅れ気味である。主力は中晩生であり、6月中旬がピークで下旬に切り上がる見込みである。現状はやや小ぶりの仕上がりだが病気やダメージはなく平年並で、貯蔵物はない。

その他
ブロッコリーのイラスト

 ブロッコリーは、北海道産の定植は順調に行われ、前年と同様6月7日頃からの出荷でピークは7月に入ってからと予想される。青森産は5月末か6月初め頃から出荷開始となるが、ピークは6月中下旬と予想している。定植は順調に行われた。作付けは前年並で、品種は「すばる」と「おはよう」である。
 新ごぼうは、熊本産は現状から連休明け頃までがピークで、6月には減りながら推移すると予想される。現状の出荷は順調であるが、後半は3Lサイズが中心となって太物が増えると予想される。宮崎産のトンネル栽培物は連休明けから始まった。露地物は不織布で覆われている。6月に入り出荷のピークとなるが、作付けは11ヘクタールで生産者の高齢化により減少している。切り上がりは8月の盆前頃と予想される。
 れんこんは、茨城産が6月からハウスの新物が始まる。露地物は7月の下旬からと予想している。探り掘りはまだ行っていないが、葉の状況を見ると順調と予想している。
 とうもろこしは、山梨産は例年と同様5月23日頃からのスタートで、6月がピークと予想される。作付けは前年並で、品種も前年と同様「ゴールドラッシュ」である。
 えだまめは、千葉産のハウス物は5月中旬までで、その後はトンネル物となり6月上旬にピークと見込まれる。露地物は7月に入ってから。全体の作付けは前年並みである。
 さやいんげんは、福島産は丸(さや)タイプの「鴨川」「いちず」と平莢タイプの「ジャンボ」などが半々であるが、後者が増える傾向にある。ハウス物の特に早い圃場は5月末から始まるが、昨年より5日程度遅れている。6月上旬に出揃って中下旬にピークと見込まれる。平莢は露地物が中心で7月に入りピークと予想される。
 福島産(伊達みらい)のきぬさやえんどう、スナップえんどうは5月初め頃からスタートし、ピークは下旬で、6月には減りながら推移すると予想される。同産(会津南)のスナップえんどうは5月末か6月初め頃からとなるが、4月の低温で3~5日遅れている。6月10日前後にピークと予想される。グリーンピースは6月10日頃から始まり20日頃にピークと予想される。面積は減っている。きぬさやえんどうは5月下旬から始まり6月上旬にピークと見込まれるが、面積は減少している。
 すいかは、千葉産のハウス物は例年どおり5月11~12日頃から始まり、ピークは6月上旬頃を予想している。初めの頃は悪天候により交配に苦労したが、その後の天気の回復で順調に仕上がってきた。トンネル物も例年どおり6月上旬に始まり、中下旬がピークと予想される。作付けは前年より微減である。
(執筆者:千葉県立農業大学校 講師 加藤 宏一)


(参考) 指定野菜の卸売価格の推移(東京都中央卸売市場)
表


(参考) 指定野菜の卸売価格の推移(大阪市中央卸売市場)
表



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