生鮮野菜の輸入量は、にんじん、ばれいしょ、にんにくなどが前年を下回ったものの、たまねぎ、かぼちゃ、結球レタスなどが前年を上回ったことから、全体での輸入量は前年同月比11%増と前年をかなり大きく上回った(図2)。
主な品目
(注)のうち最も増加率が高かったのはたまねぎで、2万2012トン(同7251トン増、同49%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1万9648トン、第2位がオランダの861トン、第3位が米国の805トンであった。国産品が高温干ばつで不作となった中、主な輸入先である中国の甘粛省の作付面積増加、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の防疫強化による港湾および国内流通の停滞、海外の需要低迷などで在庫が潤沢であったことから輸入量が増加し、前年を大幅に上回った。
たまねぎに次いで増加率が高かったのはかぼちゃで、1万4880トン(同4849トン増、48%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位がニュージーランドの1万3613トン、第2位がメキシコの1264トン、第3位が韓国の3トンであった。前年が主な輸入先であるニュージーランドが不作傾向であったことに加え、前年からCOVID-19により外食産業などの需要が大きく落ち込んで輸入量が大幅に減少していたことから、前年を大幅に上回った。
かぼちゃに次いで増加率が高かったのは結球レタスで、1485トン(同267トン増、22%増)となった。全量が台湾からの輸入であった。国産品が低温干ばつのために高値であったことに加え、前年は国産品が豊作基調であったこと、また、COVID-19による外食需要の落ち込みで輸入量が大幅に減少していたことから、前年を大幅に上回った。
一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはにんじんで、1904トン(同3635トン減、66%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1615トン、第2位が豪州の109トン、第3位が台湾の97トンであった。COVID-19により外食産業などの需要が回復しきらない中、国産品の価格が前年を下回って推移していたことから、前年を大幅に下回る輸入量となった。
にんじんに次いで減少率が高かったのはばれいしょで、3462トン(同951トン減、22%減)となった。全量が米国からの輸入であった。COVID-19により外食産業などの需要が回復しきらなかったことに加え、前年の輸入量が多かったことから、前年を大幅に下回る輸入量となった。
ばれいしょに次いで減少率が高かったのはにんにくで、1308トン(同231トン減、15%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1195トン、第2位がスペインの102トン、第3位が米国の10トンであった。COVID-19により外食産業などの需要が回復しきらなかったことに加え、前年の輸入量が多かったことから、前年をかなり大きく下回る輸入量となった(表2)。
(注)本文中の「主な品目」とは、輸入数量の多い品目のことである。