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需給動向 野菜情報 2022年4月号

2.野菜の輸入動向(令和4年1月)

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野菜振興部

【要約】

 1月の輸入量は、前年がCOVID-19による外食産業などの業務用需要の減少により輸入量が減少していたことから、乾燥野菜以外のすべての品目が前年を上回り、全体では前年同月比14%の増加となった。

(1)令和4年1月(速報値)

 令和4年1月の野菜輸入量は、21万9688トン(前年同月比2万6524トン増、14%増)となった。乾燥野菜を除くすべての品目で前年同月を上回ったことから、全体の輸入量は同14%増と前年同月をかなり大きく上回った(図1、表1)。

図1 野菜の輸入量の推移 表1 類別の輸入動向

(2)生鮮野菜

 生鮮野菜の輸入量は、にんじん、しょうが、結球レタスなどが前年を下回ったものの、ばれいしょ、たまねぎ、ねぎなどが前年を上回ったことから、全体での輸入量は前年同月比18%増と前年を大幅に上回った(図2)。

図2 生鮮野菜の輸入量の推移 

 主な品目(注)のうち最も増加率が高かったのはばれいしょで、4346トン(同3891トン増、同855%増)となった。全量米国からの輸入であった。前年が米国の港湾が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により停滞したことで輸入量が減少したことに加え、本年は国産品が不作となったことから、前年を大幅に上回った。
 ばれいしょに次いで増加率が高かったのはたまねぎで、2万4198トン(同9444トン増、64%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の2万1006トン、第2位が米国の2392トン、第3位がオランダの469トンであった。国産品が高温干ばつで不作となった中、主な輸入先である中国の甘粛省の作付面積増加、COVID-19の防疫強化による港湾および国内流通の停滞、海外の需要低迷などで在庫が潤沢であったことから輸入量は前年を大幅に上回った。
 たまねぎに次いで増加率が高かったのはねぎで、3712トン(同846トン増、30%増)となった。全量が中国からの輸入であった。前年が中国の作付面積の減少と天候不順による減産で、輸入量が大幅に減少したことから、本年は前年を大幅に上回った。
 一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはにんじんで、2192トン(同2905トン減、57%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の2146トン、第2位が台湾の24トン、第3位が豪州の21トンであった。COVID-19により外食産業などの需要が回復しきらない中、国産品の価格が前年を下回って推移していたことから、前年を大幅に下回る輸入量となった。
 にんじんに次いで減少率が高かったのはしょうがで、1286トン(同144トン減、10%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1262トン、第2位がタイの22トン、第3位がベトナムの2トンであった。COVID-19により外食産業などの需要が回復しきらない中、国産品の価格が前年を下回って推移したことから、前年をかなりの程度下回る輸入量となった。
 しょうがに次いで減少率が高かったのは結球レタスで、1214トン(同69トン減、5%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が台湾の1149トン、第2位が中国の47トン、第3位が米国の17トンであった。国産品が前進出荷の反動で品薄になったことで平年を上回る価格となったものの、COVID-19により外食産業などの需要が回復しきらなったことから、前年をやや下回る輸入量となった(表2)。

表2 増減の多い品目(生鮮野菜)
 
(注)本文中の「主な品目」とは、輸入数量の多い品目のことである。

(3)冷凍野菜等

 冷凍野菜の輸入量は、えだまめ、スイートコーン、いんげん豆等などが前年を下回ったものの、ブロッコリー、さといも、いちごなどが前年を上回ったことから、全体では前年同月比12%増と前年をかなり大きく上回った(図3)。

図3 冷凍野菜の輸入量の推移

 主な品目のうち最も増加率が高かったのはブロッコリーで、6063トン(同1015トン増、20%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位がエクアドルの3311トン、第2位が中国の2611トン、第3位がグアテマラの57トンであった。
 ブロッコリーに次いで増加率が高かったのはさといもで、2897トン(同1015トン増、16%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の2864トン、第2位がインドネシアの22トン、第3位が台湾の10トンであった。前年がCOVID-19による外食産業などの業務用需要の減少により輸入量が減少していたことに加え、堅調な家庭向け冷凍野菜需要を背景に、本年は前年を大幅に上回った。
 そのほか増加率が高かったのはいちごで、1652トン(同151トン増、10%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の924トン、第2位がペルーの205トン、第3位がチリの173トンであった。前年はCOVID-19による外食産業などの業務用需要の減少により輸入量が減少していたことから、前年をかなりの程度上回った。
 一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはえだまめで、3515トン(同371トン減、10%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が台湾の1513トン、第2位が中国の1214トン、第3位がタイの657トンであった。在庫調整に加え、COVID-19により外食産業などの需要が回復しきらなかったことから、前年をかなりの程度下回る輸入量となった。
 えだまめに次いで減少率が高かったのはスイートコーンで、2633トン(同153トン減、5%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が米国の1383トン、第2位がタイの420トン、第3位がニュージーランドの330トンであった。前月同様、輸入先国である米国における11月の大雨による道路の寸断や港湾の停滞などから、前年をやや下回る輸入量となった。
 スイートコーンに次いで減少率が高かったのはいんげん豆等で、1880トン(同65トン減、3%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1069トン、第2位がタイの549トン、第3位がインドの76トンであった。在庫調整に加え、COVID-19により外食産業などの需要が回復しきらなかったことから、前年をやや下回る輸入量となった(表3)。

表3 増減の多い品目(冷凍野菜)

 生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、塩蔵等野菜のきゅうり及びガーキンで1967トン(同655トン増、50%増)、酢調製野菜のしょうがで1582トン(同353トン増、29%増)、トマト加工品のピューレ等関割で3105トン(同1089トン増、54%増)、その他調製野菜のたけのこで7449トン(同1893トン増、34%増)などであった。
 
(参考)令和4年1月の輸入量(速報値)

 
(参考)月毎輸入量(速報値)