野菜 野菜分野の各種業務の情報、情報誌「野菜情報」の記事、統計資料など

ホーム > 野菜 > 野菜の情報 > 1 東京都・大阪市中央卸売市場の需給動向(令和4年1月)

需給動向 野菜情報 2022年3月号

1 東京都・大阪市中央卸売市場の需給動向(令和4年1月)

印刷ページ
野菜振興部・調査情報部

【要約】

⃝東京都中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は11万1631トン、前年同月比98.3%、価格は1キログラム当たり247円、同99.4%となった。
⃝大阪市中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は3万3847トン、前年同月比94.9%、価格は1キログラム当たり222円、同104.7%となった。
⃝東京都中央卸売市場における指定野菜14品目の価格のうち、平年を下回ったものは、はくさい(平年比52.8%)、キャベツ類(同71.2%)、にんじん(同73.6%)、ねぎ(同78.6%)、だいこん(同78.9%)、きゅうり(同81.8%)、ピーマン(同82.5%)、さといも(同87.4%)、なす(同87.6%)、トマト(同96.2%)、平年を上回ったものは、たまねぎ(平年比178.4%)、ばれいしょ(同169.0%)、レタス類(同105.7%)ほうれんそう(同103.2%)となった。
⃝首都圏の需要を中心とした3月の見通しは、干ばつが続く限り地温が上がらず、野菜の生育の停滞は解消されないであろう。特にキャベツやレタスは小振りで箱数が伸びないと予想される。雨の降り方や降雪など今後の天候によって供給は大きく左右されるが、供給量がタイトであることは確実である。それでも業務用の需要が盛り上がらないため、価格高騰の場面はないと見込まれる。

(1)気象概況

 上旬は、低気圧が数日の周期で北海道付近を通過し、通過後は北日本中心の冬型の気圧配置となったが、冬型の気圧配置が緩む時期もあった。また、北・東・西日本太平洋側では、6日は本州の南岸を低気圧が通過したため、東京で10センチメートルの積雪を観測するなど、雪が降ったところもあったが、その他の日は低気圧の影響を受けにくく、晴れの日が多かった。このため、北・東・西日本の旬間日照時間はかなり多く、沖縄・奄美で平年並だった。特に、移動性高気圧に覆われた時期のあった西日本日本海側は、平年比162%で、1961年の統計開始以来、1月上旬として1位の多照となった。また、冬型の気圧配置が緩む時期があり、太平洋側では低気圧の影響を受けづらかったため、旬降水量は、東日本日本海側でかなり少なく、北・東日本太平洋側と西日本で少なかった。北日本日本海側と沖縄・奄美で平年並だった。上旬の前半は北・東日本に寒気が流れ込み、北・東日本の旬平均気温は低く、西日本と沖縄・奄美で平年並だった。
 中旬は、低気圧が北海道付近を通過し、通過後は冬型の気圧配置となることが多かった。このため、北日本では太平洋側も含めてまとまった雨や雪が降り、旬降水量は北日本でかなり多く、東日本日本海側で多かった。冬型の気圧配置となることが多かった西日本太平洋側で少なく、東日本太平洋側、西日本日本海側、沖縄・奄美で平年並だった。特に、北日本日本海側の旬降水量は、平年比187%で、1946 年の統計開始以来1月中旬として1位の多雨となった。また、旬間日照時間は、東日本日本海側でかなり少なく、北日本太平洋側と沖縄・奄美で少なかった。北日本日本海側、東日本太平洋側、西日本で平年並だった。寒気は東日本以南に流れ込み、東・西日本と沖縄・奄美の旬平均気温は低く、寒気の影響を受けにくかった北日本は高かった。
 下旬は、旬の初めと終わりは冬型の気圧配置になったが、その他の日は、低気圧と高気圧が交互に東北地方付近を通過することが多く、冬型の気圧配置となることは少なかった。また、北海道太平洋側は高気圧に覆われることが多かった。このため、旬降水量は、北日本太平洋側と東日本日本海側でかなり少なく、北日本日本海側と東日本太平洋側で少なかった。沖縄・奄美でかなり多く、西日本日本海側で多かった。西日本太平洋側で平年並だった。特に、東日本日本海側は、平年比29%で、1946年の統計開始以来1月下旬として1 位の少雨となった。旬間日照時間は、北日本と東日本日本海側で多かった。西日本太平洋側で少なかった。東日本太平洋側、西日本日本海側、沖縄・奄美で平年並だった。旬平均気温は、南からの暖かい空気が流れ込んだ沖縄・奄美でかなり高く、西日本で高かった。北・東日本で平年並だった。
 旬別の平均気温、降水量、日照時間は以下の通り(図1)。
 
図1  気象概況

(2)東京都中央卸売市場

 1月の東京都中央卸売市場における野菜全体の入荷状況は、入荷量は11万1631トン、前年同月比98.3%、価格は1キログラム当たり247円、同99.4%となった(表1)。
 
表1 東京都中央卸売市場の動向(1月速報)表1
 
 根菜類は、にんじんの価格が、端境なく順調な出回りから、下旬に向けて価格を下げ、高めに推移した前年を3割ほど下回り、平年を3割近く下回った(図2)。
 葉茎菜類は、ねぎの価格が、太物中心の潤沢な入荷で苦しい展開となり、下等級品の比率も上がってきていたことから、下旬に向け価格を下げ、大幅に高く推移した前年を4割弱下回り、平年を2割以上下回った(図3)。
 果菜類は、ピーマンの価格が、順調な入荷で安めに推移した前年を1割強下回り、平年を2割近く下回った(図4)。
 土物類は、たまねぎの価格が絶対数不足から引き合いが強く、堅調な動きが続き、安めに推移した前年の2倍強となり、平年を8割近く上回った(図5)。
 なお、品目別の詳細については表2のとおり。
 
図2-4 品目別入荷量と卸売価格の推移
 
表2 品目別入荷量・価格の動向(東京都中央卸売市場)表2-2

(3)大阪市中央卸売市場

 1月の大阪市中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は3万3847トン、前年同月比94.9%、価格は1キログラム当たり222円、同104.7%となった(表3)。
 品目別の詳細については表4の通り。
 
表3 大阪市中央卸売市場の動向(1月速報)
 
表4 品目別入荷量・価格の動向(大阪市中央卸売市場)
表4-2

(4)首都圏の需要を中心とした3月の見通し

 干ばつが続く限り地温が上がらず、野菜の生育の停滞は解消されないであろう。特にキャベツやレタスは小振りで箱数が伸びないと予想される。3月前半までの冬春にんじんは早まる気配で、その後の春にんじんが出回るまでは谷間となることも心配される。春はくさいも必ずしも定石通りには始まってこない可能性もある。きゅうりやトマトなどの加温ものは、燃料代の高騰で施設の設定温度が理想通りでなく、寒波で色付きが遅れたり、病気もあって全般に前年を下回ると予想される。
 雨の降り方や降雪など今後の天候によって供給は大きく左右されるが、供給量がタイトであることは確実である。それでも業務用の需要が盛り上がらないため、価格高騰の場面は用のないと見込まれる。
 
根菜類 だいこん
 だいこんは、神奈川産が緊急需給調整を行ったため、1月までは例年の70%台の出荷となった。2月以降は3Lも出荷されるため、1月よりも増えると予想される。千葉産は2月に入って露地ものは終了し、トンネルものの春だいこんとなる。ピークは2月下旬から3月の初め頃までで、サイズはL中心の2Lと、生育は順調である。3月としては例年並みの出荷と予想される。
 静岡産は2月に入り春だいこんとなるが、中旬がピークで3月には減ってきて中旬に切り上がると予想される。生産量としては前年並みであり、特に肥大良好で2Lサイズ中心と予想される。3Lや4Lもあるが、()場で廃棄した物もある。
 にんじんは、徳島産(板野郡)が3月中旬からとなるが、出荷は前年より7日程度早まると予想している。始まるとすぐにピークとなり出荷は4月中旬までと見込まれる。M・Lサイズ中心の見込みである。作付けは前年並である。同産(阿南)の生育は順調で、例年より早く、中旬から始まると予想している。ピークは4月上中旬の見込みである。主力品種「綾誉」はLサイズ中心の見込み。千葉産の出荷のピークは3月上旬までで、その後減り始め令和3月いっぱいと予想される。中心サイズはL・2Lと大きくなっており、この冬春にんじんは豊作であった。
 
葉茎菜類 キャベツ
 キャベツは、愛知産は寒波が繰り返し到来する厳寒期であるが、ほぼ例年並みの出荷となっている。ここに来てやや小玉の比率も高まってきているが、3月も谷間はなく、全体として前進気味で継続的に出荷されるであろう。今後の降雨とともに肥大も回復してくると予想される。千葉産の現状は平年並の出荷となっているが、干ばつと寒さで生育は停滞しており、やや小玉傾向で出荷されている。3月中下旬には平年並みの大きさに回復してくると予想される。神奈川産の現状はまとまった降雨もなく低温傾向もあり遅れているが、基本的には順調である。2月から3月にかけてほぼ横ばいで推移し、増えるのは春キャベツが増え始める3月下旬からと予想される。
 はくさいは、茨城産の秋冬はくさいは平年並の出荷となっている。圃場に残っており、出荷は横ばいで変動はないであろう。春はくさいは3月10日頃に始まり、ピークは4月である。
 ほうれんそうは、埼玉産は12月中旬まで降雨もあり、暖冬気味で前進した。下旬になって気温が低下し、一部ベト病の発生もあるなど、11月4~10日()きの物は伸びが止まっている。2月に入っても横ばいで、3月にかけては日照時間も長くなって量的に回復してくると予想される。現状は降雨待ちの状況にある。
 ねぎは、千葉産の現状は平年並の出荷となっているが、台風の被害がなかったこと、寒さで病気の発生がないことにより順調である。Lサイズが少なく太めの仕上がりで、箱数は伸びている。3月中旬までは秋冬もの、その後は春ねぎが中心になってくると予想される。茨城産の秋冬ものの生育は順調である。夏の天候不順の影響で欠株が発生していることから株間が開き、肥大が良好で太物が多くなっている。3月は前年比微増と予想される。埼玉産の3月は秋冬ものの終盤となるが、切り上がりは4月に入ってからで、4月には春ねぎも始まると予想される。現状は寒さによる葉の損傷が見られるが、3月には回復してくると予想される。2Lサイズ中心に、前年並の見込み。
 レタスは、静岡産の現状は低温と干ばつの影響でやや少なめの出荷となっているが、2月いっぱいは横ばいで推移すると予想される。3月に入って減りながら推移するであろうが、例年より多めの出荷と予想される。生育環境が良いため、高品質で2L・L中心の見込みである。兵庫産は2月の末頃からピークとなり、5月のゴールデンウイーク明け頃までと見込まれる。生育は順調であるが、若干遅れている。3月の出荷量は平年並を予想している。茨城産の生育は順調であるが、干ばつで若干小玉傾向となっている。3~4月が出荷のピークであるが、3月としては前年比微減を予想している。コロナ禍もあって価格の低迷で農家の生産意欲は減退している。また、マルチやトンネルの資材の高騰も、後半の作へ比重を移している理由である。
 
果菜類 きゅうり
 きゅうりは、群馬産が低温の影響で生育日数が長くなって、その分例年よりも5%程度下回る可能性がある。また例年3月20日頃に出揃うが、やや後半にずれ込むことも想定される。低温については多日照でカバーできるため、ほぼ前年に近い水準を維持できると予想している。埼玉産の一番早いものは1月9日定植もので2月末頃から始まってくると予想される。作付けは前年並みであるが、2~3日程度は後ろにずれて3月はやや前年を下回る可能性もある。最大のピークは5月である。
 なすは、高知産が寒さの影響で出荷が減っており、前年を下回っている。それでも親指大の実もしっかり付いており、気温が上がれば2月中旬には増え始めると予想している。今年は日照時間が長く、3月には例年並みに回復してくると予想している。作付けは前年並である。福岡産は(2月上旬の前半の段階では)当面曇りの日が多いと予想され、今後への影響が懸念されるが、実や花が付いているため2月下旬から増え始めて、3月にはピークになってくると予想される。ただ昨年が暖冬で大幅に出荷が増えたため、前年を下回る出荷になるが、作柄は悪くない。
 トマトは、熊本産が低温と干ばつで、現状は少なめの出荷となっている。前年10月の初期の段階で無理に活着させたことも影響している。施設の加温を控えていることもあり、木に力がない。それでも日が伸びる3月には例年並の出荷に戻ると予想している。佐賀産「光樹トマト」の現状は、出荷が順調に始まり、3月から6月まで増えながら推移すると予想される。干ばつ環境でコナジラミが発生し易く、一部に黄化葉巻病も見られる。さらに施設の設定温度が理想どおりでなく、出荷数量はある程度抑えられると予想している。愛知産は1月下旬から2月上旬は寒波の影響で数量が減ったが、今後3月にかけては平年並みの出荷状況が予想される。5月のピークにかけて増えていくが、3月は前年並の見込み。ミニトマトは、熊本産の早期定植が増えて前進気味になっている。作型そのものが多様化していることもあり、3月はそれほど増えることはなく、前年並の見込みである。
 ピーマンは、茨城産の温室ピーマンは現状やや減っているが、3月にはやや回復し継続的な出荷となると予想される。春ピーマンの現状は出始めで、3月は増えながら推移し4~5月がピークと予想される。鹿児島産は、10月から翌5月までの冬春ピーマンは厳冬期で少なくなっているが、本格的には3月に入ってから。新規にピーマンを始める人がいるなど作付けは増えている。
 
土物類 ジャガイモ
 さといもは、埼玉産は選果場の新設もあって出回りが多くなっている。農家の調整作業などの省力化により、作付けも伸びている。3月も前年を上回る出荷と予想している。3月には次年度の植え付けが開始され、出荷は4月いっぱいまでと見込まれる。
 ばれいしょは、鹿児島産(いずみ)の現状は早春ばれいしょの出荷のピークで、2月末頃までと予想される。その後は11月下旬植えの春ばれいしょが4月初めからと予想される。ピークは4月下旬を予想しているが、芽出しの段階では予断を許さず、寒波の被害がなければ順調と予想される。同産(徳之島)の春ばれいしょは2月10日頃からとなるが、天候不順で掘り採り作業が遅れたため、例年より7日程度の遅れとなっている。2月中旬に最初のピークとなり、3月中旬に2回目のピークが来ると予想しており、4月10日の最終販売を目標としている。「ニシユタカ」は2Lサイズ中心で、肥大は良好である。北海道産は例年、4月末までの出荷であるが、今年は1カ月早く3月末までと予想され、2月に続き前年の70%程度と少ない見込みである。
 たまねぎは、北海道産が4月までの出荷となろうが、平年比では20~30%減の出荷と予想される。引き続きLサイズ中心の見込みである。静岡産は2月から「黄玉」中心の出荷となっているが、3月上旬までピークが続くと予想している。4月いっぱいは出荷できるが、まとまった量が出荷できるのは3月中旬までと見込まれる。全般に出遅れ傾向である。
 
その他 アスパラ
 アスパラガスは、佐賀産のハウスの1年生株は2月の中旬に一旦ピークを迎えるが、株の栄養不足から生育が良くなく、3月は減ると予想される。多年生は1月中下旬から加温を開始するが、2月中旬頃から増え始めて3月上旬にピークとなると予想される。夏芽への切り替えが早まり、3月は前年を下回る出荷と予想される。
 かんしょは、千葉産は「べにはるか」となるが、収量は前年を上回っている。現状は苗作りの作業に忙しく、出荷はやや減っている。3月にはやや増える見込みである。最終の7月までLサイズ中心の出荷と予想される。徳島産は2月に入り定植作業もあり出荷は減っている。3月には再び増えるが残量は少なく、例年を下回る可能性もある。それでも4~6月まで計画どおり出荷されると予想している。
 たけのこは、千葉産が2月初めからとなったが、ピークは4月に入ってから。出荷については、平年どおりと予想される。静岡産は例年どおり3月上旬から始まり、今年は表年で昨年を上回ると予想しているが、現状ではもう少し雨が欲しいところである。最大のピークは4月上旬の見込みである。
 豆野菜は、鹿児島産(いずみ)のグリーンピースは1月末から始まり例年並である。2月下旬から本格的に増え始め、3月10日前後にピークを迎えると予想される。若干霜の被害を受けた圃場も一部あるが、生育は順調である。面積は微減となっている。同産(指宿)のスナップえんどうは、現状では露地ものの出荷となっているが、2月までは多く、3月には減りながら推移すると予想される。そらまめは現状では増えながら推移しているが、3月中旬が最大のピークで4月中旬ごろまでと見込まれる。作柄は例年並であるが、3月としてはやや少なめの可能性がある。沖縄産のいんげんは植替えものが始まったところで、2月はやや減る可能性がある。3月に入り大きな山が来て4月10日頃まで続く。作付けは前年並であるが、ジャンボいんげんが増えている。量的には前年並を予想している。
 山菜は、山形産の「雪うるい」は1月上旬から始まったが、ピークは2月下旬から3月上旬である。栽培農家の減少もあるが、昨夏の天候不順で株の充実不足のため。最終は4月中旬ごろで数量も前年を下回ると予想される。「たらのめ」も1月上旬から始まり、ピークは3月上中旬と予想される。昨夏の天候不順と連作障害から前年を下回る出荷と予想される。
 なのはなは、千葉産が寒さと干ばつで減っているが圃場には十分あって、回復は雨次第である。当面は節句前頃にピークの出荷を予想している。
 すいかは、熊本産が1~2月も出荷はあったが、本年は3月一斉スタートと号令がかかっている。5月のピーク時に向けて増えながら推移すると予想されるが、3月は前年の96~97%とやや前年を下回ると予想している。品種は「朝ひかり」で、Mサイズ中心の見込みである。
                             (執筆者:千葉県立農業大学校 講師 加藤 宏一)

 
(参考) 指定野菜の卸売価格の推移(東京都中央卸売市場)

(参考) 指定野菜の卸売価格の推移(大阪市中央卸売市場)