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需給動向 野菜情報 2022年2月号

2.野菜の輸入動向(令和3年11月)

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野菜振興部

【ポイント】

1.11月の野菜輸入量:22万6197トン(前年同月比8%増)※以下、割合は前年同期比
うち生鮮野菜6万1939トン(同19%増)、冷凍野菜9万6072トン(同7%増)、塩蔵等野菜6866トン(同2%増)、乾燥野菜3826トン(同1%減)

 2.輸入野菜上位品目
生鮮野菜:たまねぎ2万7763トン(同61%増)、ばれいしょ5481トン(同3205%増)、にんじん4890トン(同25%減)、ごぼう4825トン(同11%増)、ねぎ4187トン(同12%減)、ジャンボピーマン3256トン(同24%減)、にんにく2324トン(同27%増)、かぼちゃ1806トン(同39%減)、しょうが1243トン(同14%減)、アスパラガス1205トン(同6%増)
冷凍野菜:その他の冷凍野菜3万2808トン(同12%増)、ばれいしょ3万2585トン(同6%増)、ブロッコリー6000トン(同29%増)、ほうれんそう等4447トン(同4%増)、えだまめ3924トン(同16%減)
塩蔵等野菜:その他塩蔵等野菜2888トン(同7%減)、きゅうり及びガーキン1835トン(同5%増)、しょうが1032トン(同14%増)

3.輸入先国上位3位
1位 中国 13万2407トン(同12%増)うちその他冷凍野菜2万8763トン(同12%増)、その他調製野菜2万4186トン(同7%増)、生鮮たまねぎ2万5966トン(同53%増)
2位 米国 3万7900トン(同9%増)うち冷凍ばれいしょ2万2623トン(同4%減)、トマト加工品2352トン(同22%減)、生鮮ばれいしょ5481トン(同3105%増)
3位 韓国 5529トン(同7%減)うちジャンボピーマン3013トン(同21%減)、その他調製野菜1903トン(同14%増)、生鮮トマト459トン(同30%増)

(1)令和3年11月(速報値)

  令和3年11月の野菜輸入量は、22万6197トン(前年同月比1万6799トン増、8%増)となった。乾燥野菜およびトマト加工品が前年同月を下回ったものの、生鮮野菜、冷凍野菜、塩蔵等野菜、酢調製野菜などが前年同月を上回ったことから、全体の輸入量は同8%増と前年同月をかなりの程度上回った(図1、表1)。

図1 野菜の輸入量の推移

表1 類別の輸入動向

(2) 生鮮野菜

  生鮮野菜の輸入量は、かぼちゃ、にんじん、ジャンボピーマンなどが前年を下回ったものの、ばれいしょ、たまねぎ、にんにくなどが前年を上回ったことから、全体での輸入量は前年同月比19%増と前年を大幅に上回った(図2)。

図2 生鮮野菜の輸入量の推移

 主な品目(注)のうち最も増加率が高かったのはばれいしょで、5481トン(同5310トン増、3205%増)となった。全量米国からの輸入であった。国産品の端境である2~9月に限られていたばれいしょの輸入時期が、前年2月から通年輸入が解禁となったことに加え、本年の国産品の不作などにより増加となった。
 ばれいしょに次いで増加率が高かったのはたまねぎで、2万7763トン(同1万570トン増、61%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の2万5966トン、第2位が米国の1735トン、第3位が韓国の44トンであった。国産品が高温干ばつで不作となったことから、前年を大幅に上回った。
 たまねぎに次いで増加率が高かったのはにんにくで、2324トン(同495トン増、27%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の2123トン、第2位がスペインの178トン、第3位が米国の14トンであった。中国の在庫量が多い中、海運の手配がある程度ついて在庫調整を行ったことから、前年を大幅に上回ったと思われる。
 一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはかぼちゃで、1806トン(同1132トン減、39%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位がメキシコの1345トン、第2位がニューカレドニアの433トン、第3位がトンガの24トンであった。前月同様、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により外食産業などの需要が回復しきらない中、国産品の価格が前年を下回って推移していたことから、前年を大幅に下回る輸入量となった。
 かぼちゃに次いで減少率が高かったのはにんじんで、4890トン(同1613トン減、25%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の4807トン、第2位が豪州の77トン、第3位が米国の24トンであった。COVID-19により外食産業などの需要が回復しきらない中、国産品の価格が比較的安値で推移したことから、前年を大幅に下回る輸入量となった。
 にんじんに次いで減少率が高かったのはジャンボピーマンで、3256トン(同1013トン減、24%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が韓国の3013トン、第2位がニュージーランドの233トン、第3位がオランダの10トンであった。COVID-19により外食産業などの需要が回復しきらない中、前年の輸入量が多かった韓国産が減少したことから、前年を大幅に下回る輸入量となった(表2)。

表2 増減の多い品目(生鮮野菜)

(注)本文中の「主な品目」とは、輸入数量の多い品目のことである。

(3)冷凍野菜等

 冷凍野菜の輸入量は、えだまめ、いちご、いんげん豆等などが前年を下回ったものの、ブロッコリー、ばれいしょ、さといもなどが前年を上回ったことから、全体では前年同月比7%増と前年をかなりの程度上回った(図3)。

図3 冷凍野菜の輸入量の推移

 主な品目のうち最も増加率が高かったのはブロッコリーで、6000トン(同1331トン増、29%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の3030トン、第2位がエクアドルの2684トン、第3位がスペインの105トンであった。前年はCOVID-19による外食産業などの業務用需要の減少により輸入量が減少していたことから、前年を大幅に上回った。
 ブロッコリーに次いで増加率が高かったのはばれいしょで、3万2585トン(同1883トン増、6%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が米国の2万2623トン、第2位がベルギーの3231トン、第3位がカナダの2156トンであった。前月同様、ファストフードの需要が堅調な中、米国における港湾作業の停滞により輸入先国をカナダなどに切り替えたことから、前年をかなりの程度上回った。
 ばれいしょに次いで増加率が高かったのはさといもで、3746トン(同151トン増、4%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の3726トン、第2位がベトナムの16トン、第3位が台湾の4トンであった。国産品が平年並みからわずかに上回る価格で推移していたことから、前年をやや上回った。
 一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはえだまめで、3924トン(同766トン減、16%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が台湾の1661トン、第2位が中国の1208トン、第3位がタイの870トンであった。在庫調整に加え、COVID-19により外食産業などの需要が回復しきらなかったことから、前年を大幅に下回る輸入量となった。
 えだまめに次いで減少率が高かったのはいちごで、2002トン(同325トン減、14%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1271トン、第2位がチリの317トン、第3位がモロッコの161トンであった。前年の輸入量が多かったことに加え、COVID-19により外食産業などの需要が回復しきらなかったことから、前年をかなり大きく下回る輸入量となった。
 いちごに次いで減少率が高かったのはいんげん豆等で、1898トン(同58トン減、3%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1202トン、第2位がタイの424トン、第3位がインドの69トンであった。在庫調整に加え、COVID-19により外食産業などの需要が回復しきらなかったことから、前年をやや下回る輸入量となった(表3)。

表3 増減の多い品目(冷凍野菜)

 生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、塩蔵等野菜のしょうがで1032トン(同125トン増、14%増)、酢調製野菜のきゅうり及びガーキンで418トン(同148トン増、55%増)、トマト加工品のピューレ等関割で1118トン(同1149トン減、51%減)、その他調製野菜のばれいしょで1013トン(同130トン増、15%増)などであった。

参考表 令和3年11月の輸入量(速報値)


参考表 月毎輸入量(速報値)