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需給動向 野菜情報 2022年1月号

2 野菜の輸入動向(令和3年10月)

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野菜振興部

【ポイント】

1.10月の野菜輸入量:20万8423トン(前年同月比2%減)※以下、割合は前年同期比
うち生鮮野菜5万5587トン(同3%減)、冷凍野菜9万523トン(同4%増)、塩蔵等野菜5610トン(同6%減)、乾燥野菜3449トン(同4%増)
 
2.輸入野菜上位品目
生鮮野菜:たまねぎ2万2159トン(同11%増)、にんじん6274トン(同25%減)、ねぎ4549トン(同27%減)、ごぼう4142トン(同9%減)、ばれいしょ3407トン(純増)、ジャンボピーマン2247トン(同12%減)、にんにく1893トン(同2%増)、キャベツ1790トン(同6%減)、かぼちゃ1473トン(同35%減)、しょうが1183トン(同24%減)
冷凍野菜:ばれいしょ3万293トン(同3%増)、その他の冷凍野菜3万35トン(同3%増)、ブロッコリー6369トン(同34%増)、えだまめ4411トン(同3%増)、スイートコーン4199トン(同5%増)
塩蔵等野菜:その他塩蔵等野菜2812トン(同6%減)、きゅうり及びガーキン1603トン(同1%減)、しょうが500トン(同11%減)
 
3.輸入先国上位3位
1位 中国 11万6298トン(同6%減)うちその他冷凍野菜2万5627トン(同1%増)、その他調製野菜1万9888トン(同12%減)、生鮮たまねぎ2万1295トン(同9%増)
2位 米国 3万6794トン(同3%増)うち冷凍ばれいしょ2万939トン(同8%減)、トマト加工品3343トン(同51%増)、生鮮ばれいしょ3407トン(純増)
3位 韓国 3876トン(同19%増)うちジャンボピーマン1569トン(同5%増)、その他調製野菜1754トン(同23%増)、生鮮トマト436トン(同55%増)

(1)令和3年10月(速報値)

 令和3年10月の野菜輸入量は、20万8423トン(前年同月比3354トン減、2%減)となった。冷凍野菜、乾燥野菜およびその他が前年同月を上回ったものの、生鮮野菜、塩蔵等野菜、酢調製野菜、トマト加工品およびその他調製野菜が前年同月を下回ったことから、全体の輸入量は同2%減と前年同月をわずかに下回った(図1、表1)。

図1 野菜の輸入量の推移


表1 類別の輸入動向

(2)生鮮野菜

(2)生鮮野菜

 生鮮野菜の輸入量は、ばれいしょ、たまねぎ、トマトなどが前年を上回ったものの、かぼちゃ、ねぎ、アスパラガスなどが前年を下回ったことから、全体での輸入量は前年同月比3%減と前年をやや下回った(図2)。
 

図2 生鮮野菜の輸入量の推移

 主な品目(注)のうち最も増加率が高かったのはばれいしょで、3407トン(同3407トン増、純増)となった。全量米国からの輸入であった。国産品の端境である2~9月に限られていたばれいしょの輸入時期が、前年2月から通年輸入が解禁となったことに加え、本年の国産品の不作などにより増加となった。
 ばれいしょに次いで増加率が高かったのはたまねぎで、2万2159トン(同2284トン増、11%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の2万1295トン、第2位が米国の787トン、第3位がニュージーランドの78トンであった。国産品が高温干ばつで不作となったことから、前年をかなり大きく上回った。
 たまねぎに次いで増加率が高かったのはトマトで、1014トン(同60トン増、6%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が韓国の436トン、第2位がカナダの215トン、第3位がオランダの105トンであった。前年は輸入量が減少したことから、前年をかなりの程度上回った。
 一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはかぼちゃで、1473トン(同783トン減、35%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位がニューカレドニアの1212トン、第2位がメキシコの239トン、第3位が韓国の22トンであった。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により外食産業などの需要が回復しきらない中、国産品の価格が前年を下回って推移していたことから、前年を大幅に下回る輸入量となった。
 かぼちゃに次いで減少率が高かったのはねぎで、4549トン(同1645トン減、27%減)となった。全量中国からの輸入であった。前月同様、COVID-19により外食産業などの需要が回復しきらない中、国産品の価格が比較的安値で推移したこと、中国の山東省で作付面積の減少と多雨による減産で収穫量が減少したことから、前年を大幅に下回る輸入量となった。
 ねぎに次いで減少率が高かったのはアスパラガスで、1007トン(同340トン減、25%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位がメキシコの722トン、第2位が豪州の279トン、第3位がペルーの5トンであった。豪州産が収穫労働力不足や港湾作業の停滞により、前年の半分以下となったことから、前年を大幅に下回る輸入量となった(表2)。

表2 増減の多い品目(生鮮野菜)
 
(注)本文中の「主な品目」とは、輸入数量の多い品目のことである。

(3)冷凍野菜等

 冷凍野菜の輸入量は、いんげん豆等、さといも、ほうれんそう等などが前年を下回ったものの、ブロッコリー、スイートコーン、ばれいしょなどが前年を上回ったことから、全体では前年同月比4%増と前年をやや上回った(図3)。

図3 冷凍野菜の輸入量の推移

 主な品目のうち最も増加率が高かったのはブロッコリーで、6369トン(同1614トン増、34%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位がエクアドルの3245トン、第2位が中国の2879トン、第3位がグアテマラの148トンであった。前年はCOVID-19による外食産業などの業務用需要の減少により輸入量が減少していたことから、前年を大幅に上回った。
 ブロッコリーに次いで増加率が高かったのはスイートコーンで、4199トン(同210トン増、5%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が米国の2381トン、第2位がタイの962トン、第3位が中国の304トンであった。前年同様、COVID-19による外食産業などの業務用需要の減少や米国の港湾作業の停滞により、ほぼ前年並みとなった。
 スイートコーンに次いで増加率が高かったのはばれいしょで、3万293トン(同968トン増、3%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が米国の2万939トン、第2位がベルギーの2698トン、第3位がオランダの2287トンであった。ファストフードの需要が堅調な中、米国における港湾作業の停滞により輸入先国をカナダに切り替えたことから、前年をやや上回った。
 一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはいんげん豆等で、1616トン(同488トン減、23%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1092トン、第2位がタイの207トン、第3位がインドネシアの90トンであった。在庫調整に加え、COVID-19により外食産業などの需要が回復しきらなかったことから、前年を大幅に下回る輸入量となった。
 いんげん豆等に次いで減少率が高かったのはさといもで、2846トン(同192トン減、6%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の2836トン、第2位が台湾の8トン、第3位がベトナムの1トンであった。前年の輸入量が多かったことに加え、COVID-19により外食産業などの需要が回復しきらなかったことから、前年をかなりの程度下回る輸入量となった。
 さといもに次いで減少率が高かったのはほうれんそう等で、3962トン(同185トン減、4%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の3697トン、第2位がミャンマーの101トン、第3位が台湾の91トンであった。国産品が安値となったことに加え、COVID-19により外食産業などの需要が回復しきらなかったことから、前年をやや下回る輸入量となった(表3)。

表3 増減の多い品目(冷凍野菜)

 生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、酢調製野菜のしょうがで926トン(同358トン減、28%減)、トマト加工品のピューレ等関割以外で7158トン(同2805トン減、28%減)、その他調製野菜のスイートコーンで4984トン(同612トン増、14%増)などであった。
 
参考 令和3年10月の輸入量(速報値)
 
参考 月毎輸入量(速報値)