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需給動向 野菜情報 2022年1月号

1 東京都・大阪市中央卸売市場の需給動向(令和3年11月)

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野菜振興部・調査情報部

【要約】

○東京都中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は12万3074トン、前年同月比99.4%、価格は1キログラム当たり215円、同103.0%となった。
⃝大阪市中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は4万228トン、前年同月比96.0%、価格は1キログラム当たり204円、同109.1%となった。
⃝東京都中央卸売市場における指定野菜14品目の価格のうち、平年を下回ったものは、レタス類(平年比58.6%)、はくさい(同60.5%)、だいこん(同62.2%)、にんじん(同66.6%)、キャベツ類(同68.8%)、ねぎ(同69.3%)、ほうれんそう(同71.4%)、ピーマン(同74.3%)、きゅうり(同76.3%)、なす(同86.9%)、さといも(同92.0%)、平年を上回ったものは、たまねぎ(平年比202.8%)、ばれいしょ(同157.9%)、トマト(同102.9%)となった。
⃝首都圏の需要を中心とした1月の見通しは、トマトやばれいしょやたまねぎは若干不足気味であろうが、その他の品目はこの時期に起こりがちな価格上昇はないと予想される。果菜類は重油代の高騰下、厳冬期でもあり徐々に供給が細って価格は上昇気味に推移すると予想される。コンビニエンストアのおでん需要により、低迷しただいこんは徐々に価格上昇基調になると予想している。

(1)気象概況

 上旬は、全国的に天気は周期的に変化した。2日から4日にかけて、北日本をゆっくり通過した低気圧や上空の寒気の影響により、大気の状態が不安定となった。このため、北海道や青森では局地的な大雨となった所があった。その後、7日頃にかけては北・東・西日本では高気圧に覆われて晴れたところが多かった。一方、東シナ海から日本の南に進んだ低気圧や前線の影響で、沖縄・奄美では曇りや雨の日が多かった。8日から10日にかけては、前線を伴う低気圧が中国東北部からゆっくりと東進し、北海道に進んだ。このため、低気圧、前線や寒気の影響で全国的に雨が降った。旬平均気温は、北日本でかなり高く、東日本で高かった。一方、沖縄・奄美で低く、西日本では平年並だった。旬降水量は、北日本太平洋側でかなり多く、北日本日本海側、東日本、西日本太平洋側と沖縄・奄美で多かった。西日本日本海側では平年並だった。旬間日照時間は、北日本日本海側と東日本で多かった。一方、北日本太平洋側と沖縄・奄美で少なく、西日本では平年並だった。
 中旬は、東・西日本を中心に晴れた日が多かった。前半は、西日本中心の西高東低の冬型の気圧配置が持続した。このため、東・西日本太平洋側を中心に晴れた日が多く、西日本と沖縄・奄美は気温が低い日が多かった。一方、寒気の流入が弱かった北日本は、気温の高い日が多かった。後半は、北日本太平洋側と東・西日本を中心に、帯状の高気圧に覆われて晴れた日が多かった。旬平均気温は、北日本でかなり高く、一方、沖縄・奄美で低かった。東・西日本では平年並だった。旬降水量は、東日本太平洋側でかなり少なく、北日本太平洋側、西日本と沖縄・奄美で少なかった。北・東日本日本海側では平年並だった。旬間日照時間は、北日本太平洋側と東・西日本でかなり多く、北日本日本海側と沖縄・奄美で多かった。
 下旬は、21日から24日にかけて、偏西風から切り離された動きの遅い低気圧が発達しながら、日本海北部からオホーツク海に進んだ。この低気圧、前線や寒気の影響で、全国的に雨や雪が降り、北海道上川地方で24日に記録的な降雪量となった地点もあるなど、大雨や大雪となった所もあった。旬平均気温は、北日本で高かった。一方、沖縄・奄美で低く、東・西日本では平年並だった。旬降水量は、北日本日本海側と西日本でかなり多く、北日本太平洋側と東日本日本海側で多かった。東日本太平洋側と沖縄・奄美では平年並だった。旬間日照時間は、沖縄・奄美でかなり少なかった。一方、東日本太平洋側と西日本で多かった。北日本と東日本日本海側では平年並だった。
 旬別の平均気温、降水量、日照時間は以下の通り(図1)。

図1 気象概況

(2)東京都中央卸売市場

 11月の東京都中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は12万3074トン、前年同月比99.4%、価格は1キログラム当たり215円、同103.0%となった(表1)。

表1 東京都中央卸売市場の動向(11月速報)
 
 根菜類は、だいこんの価格が月間を通して苦しい展開が続き、安めに推移した前年をかなりの程度下回り、平年を4割近く下回った(図2)。
 葉茎菜類は、レタスが潤沢な出回りから価格を下げ、大幅な安値で推移した前年を1割以上上回ったものの、平年を4割以上下回った(図3)。
 果菜類は、トマトの価格が、熊本産の入荷減から堅調に推移し、やや安めに推移した前年を1割以上上回り、平年をわずかに上回った(図4)。
 土物類は、たまねぎの価格が、絶対数不足から引き合いが強く、なかなか落ち着きを見せず、安めに推移した前年の2.2倍以上、平年の2倍強となった(図5)。

図2~図4 品目別入荷量と卸価格の推移
 
 なお、品目別の詳細については表2のとおり。

表2 表2 品目別入荷量・価格の動向(東京都中央卸売市場)
表2-2

(3)大阪市中央卸売市場

 11月の大阪市中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は4万228トン、前年同月比96.0%、価格は1キログラム当たり204円、同109.1%となった(表3)。

表3 大阪市中央卸売市場の動向(11月速報)
 
 品目別の詳細については表4の通り。

表4 品目別入荷量・価格の動向(大阪市中央卸売市場)
表4-2

(4)首都圏の需要を中心とした1月の見通し

 全国的に好天が続き天候は安定して推移したため、東北や北海道、高原産地などの切り上がり時期が例年より後ろに延びた。そのため関東や西南暖地の秋冬野菜、冬春野菜と夏秋産地が競合して価格は安めとなった。それでも関東産の重量野菜の前進による急増がなかったことで、大幅な価格低迷は避けられた。重量野菜産地が出荷を控えた部分もあると推測される。
 1月はトマトやばれいしょ、たまねぎは若干不足気味であろうが、その他の品目はこの時期に起こりがちな価格上昇はないと予想される。果菜類は重油代の高騰下、厳冬期でもあり徐々に供給が細って価格は上昇気味に推移すると予想される。コンビニエンスストアのおでん需要により、低迷しただいこんは徐々に価格上昇基調になると予想している。
 
根菜類 だいこんのイラスト
 だいこんは、神奈川産は雨が多かった時期の影響で病気が散見され、例年よりも秀品率は低下している。11月の価格低迷もあって、年末年始は平年を下回る出荷と予想している。千葉産の現状は生育順調で、若干前進気味である。年明けは厳冬期に入ることもあり、年内よりも減ってくると予想される。適度の降雨もあって平年並のL・2Lサイズ中心と予想される。徳島産は12月は単価安から抑え気味に出荷している。生育は順調で、1月も引き続き潤沢に出荷できるであろう。2Lサイズ中心で、3Lサイズも例年より多くなる見込みである。静岡産は12月中旬から全産地の出荷が揃って1月中下旬がピークである。2Lサイズ中心であるが、3Lも多くなろう。切り上がりは2月末頃から3月上旬と予想される。
 にんじんは、千葉産の現状は例年より早めで、11月下旬から12月にピークになると予想される。年明けは寒波が厳しく、凍害がなければ順調に入荷し、Lサイズ中心と予想している。埼玉産は12月がピークで1月には減りながら推移し2月初め頃までと予想している。初めはLサイズ中心であるが、12月下旬から2Lサイズも増えてこよう。生育は順調であるが、前進傾向となると早めに切り上がる可能性もある。
 
葉茎菜類 キャベツのイラスト
 キャベツは、愛知産の生育は順調で、豊作傾向となっている。冬春シーズン中は1月が最も少ないが、暖冬傾向となれば1月の出荷は伸びることもある。Lサイズ中心で例年並である。神奈川産は大雨や強風により根が損傷して一旦生育が止まるなど、現状は遅れ気味である。それでも11月下旬に入ってからの好天で順調に推移して年末年始は平年並みの出荷となろう。千葉産は現状までは順調な出荷が続いているが、気温の低下に伴い、12月中下旬から減り始めると予想している。1月としては平年並みの出荷を予想しているが、価格の低迷もありMサイズ以下の出荷はかなり少なくなると予想している。静岡産の「キャンディキャベツ」は12月10日以降から出荷が始まるが、ピークは1月23日以降である。2月いっぱいで終了するが、比較的暖冬気象で推移して生育順調である。作付けは若干増えている。
 はくさいは、茨城産の生育は問題なく順調であるが、葉の上部を縛る作業の人手が確保できず、霜枯れを起こす恐れがあるため年明け以降は減る可能性がある。
 ほうれんそうは、埼玉産は年末に一旦ピークが来て、1月は減り気味に推移し、2月から3月にかけて再び増えてくると予想している。厳冬期は生育に時間がかかるためであるが、暖冬気味に推移すると前進から例年を上回る展開も予想される。作付けは前年を上回っている。栃木産は生育順調であるが、12月にピークが来て年明けは徐々に減りながら推移しよう。1月にピークとなる「ちぢみほうれんそう」は面積を減らしている。2月に入り減少し始め、月末頃に切り上がる見込み。
 ねぎは、千葉産は例年どおりの展開であり、年内は出荷が揃わなかったが1月と2月がピークである。今後は2Lが増えてくるが、冷え込みが強ければLとの比率は同じくらいになると予想される。埼玉産の現状は病害もなく順調で、年明け出荷は増えてこよう。12月上旬から1月にかけてがピークで、2月から3月は徐々に減りながら推移しよう。作付けは前年並であり、量的にも前年並と予想している。
 レタスは、香川産は現状までは適度の降雨と高温気味で推移したことから、生育は順調で前進気味である。それでも12月に入り冷え込んできて、量的には落ち着いてきている。12月には玉肥大も抑えられてくると予想される。今後は天気次第であるが、12月~翌2月はピークが続くと予想している。厳冬となれば、出荷に山谷ができることも予想される。兵庫産は12月にピークが来て、1月は厳寒期でもあるため徐々に減りながら推移しよう。生育は順調であるが、12月の初めに集中豪雨があり一部圃場(ほじょう)で被害を受けた。そのため1月の出荷は前年を若干下回る可能性もある。静岡産は12月にピークとなり順調な出荷が続いている。年明けはやや減るが、引き続き一定のペースで2月まで推移し4月の初め頃に切り上がると予想される。2Lサイズ中心でその次に多いのはLサイズと予想される。
 
果菜類 きゅうりのイラスト
 きゅうりは、千葉産は10月から11月の好天で生育順調である。当面のピークは12月10日~15日で、その後1月も連続して前年を上回る出荷と予想される。高知産の生育は順調で12月~翌1月は前年を若干上回ると予想している。12月20日前後に2回目のピークが来て、年明けは常時多くなってくると予想される。宮崎産は現状までは横ばいで出荷できており、12月15日頃から増えてこよう。年明けも減ることなく、そのまま一定ペースで出荷されると予想される。ここ数年は暖冬で11月に前進して多くなり、その後伸び悩むことはあったが、今年は安定している。
 なすは、高知産の現状は病虫害の発生もなく、生育順調である。大きな天候の崩れがなければ前年並と予想される。福岡産のながなすは序盤は多めの出荷で始まったが、12月に入り寒さから実が細くなっている。年明け1月も寒さから例年と同様少なめの出荷と予想される。2月には日長によって緩やかに伸びてこよう。
 トマトは、熊本産が例年より少なめの出荷となっているが、ここに来て追い付いてきている。花も十分付いており、12月から1月は平年並みと予想される。1月の出荷量は12月と同等と予想している。愛知産の現状は生育順調であるが、定植時期の天候不順の影響で小玉傾向である。1月には植替え時期を迎えるため、12月の6割程度と少なくなろう。引き続きMサイズ中心と予想される。
 ピーマンは、宮崎産は生育の初め頃に降雨が多く、やや徒長気味で木のバランスが崩れた。量的には12月中旬から回復に向かうが、1月は前年を下回ると予想される。農家によっては温室の温度を抑えることも予想される。平年並みに戻るのはやや先になる可能性が大である。茨城産は温室ピーマンのみとなるため、12月より減ってくると予想される。天候に恵まれて生育順調で、例年並みの出荷と予想される。ただ重油代の高騰から、温室を18度にキープできない農家が多くなると、例年を下回ることも想定される。
 
土物類 ばれいしょのイラスト
 さといもは、埼玉産は貯蔵物が年明けに出荷されるが、年内に続き前年を上回る出荷となると予想される。台風の被害がなかったことや病気の発生もなかったことが幸いした。
 たまねぎは、北海道産は11月の出荷は不作の影響により前年の80%程度となった。年明けも同様に少なく、5月までLサイズ中心に計画販売していく。静岡産は11月の好天による少雨の影響が心配されるが、年明けから始まる「ホワイト」と「黄玉」の生育は順調である。ホワイトのピークは1月で、葉付きで出荷される物が多く2月にはかなり少なくなると予想される。黄玉のピークは2月となると予想されるが、いずれも作付けは前年並である。
 ばれいしょは、北海道産(ようてい)道央の21年産「男爵」は前年の70%程度と不作で、年明けは急減すると予想される。Lサイズ中心で、次はL、Mと小玉傾向である。同産(芽室)十勝の「メークイン」は面積の減少もあり前年の80%の生産量である。例年は3月までの出荷となるが、今年度は2月中旬に早めに切り上がると予想される。中心サイズはLであるが、小玉傾向である。鹿児島産の「赤土新馬鈴薯」は1月下旬から平年並みに始まる予想される。3月が出荷のピークと予想され、今のところ生育順調である。
 
その他 さつまいものイラスト
 かんしょは、徳島産の21年産は平年作であり、12月に続き1月も多く出荷されると予想され、Lサイズ中心と肥大はまずまずである。千葉産は「高系14号」系の「紅高系」の販売となるが、ほぼ平年作である。9月の早堀り物は遅れたが、後半物は肥大して盛り返してきた。Lサイズ中心である。
 しゅんぎくは、千葉産は大きな台風もなく生育は順調である。年末にピークが来るが、1月も潤沢な出荷ペースを保てると予想している。気温が平年を下回る日が続くと、昨年を下回る出荷も予想される。
 ブロッコリーは、埼玉産の10月の出荷は半作に近い状況で、12月に回復してきて1月は平年並みに出荷できると予想している。例年1月はそれ程多くない時期である。愛知産は現状は冷え込みもあって生育は止まったが、降雨もあって回復してくると予想される。1月、2月にピークを迎える平年並みの出荷と予想している。形状も例年どおり美しく仕上がっており、12玉のLサイズ中心の入荷と予想される。
 豆類は、鹿児島産の「実えんどう」「スナップえんどう」は10月から出荷が始まっているが、「そらまめ」は例年より遅れて12月6日から始まると予想される。
 
(執筆者:千葉県立農業大学校 講師 加藤 宏一)

 
(参考) 指定野菜の卸売価格の推移(東京都中央卸売市場)


(参考) 指定野菜の卸売価格の推移(大阪市中央卸売市場)



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