生鮮野菜の輸入量は、キャベツ、ねぎ、にんじんなどが前年を下回ったものの、ばれいしょ、ジャンボピーマン、しょうがなどが前年を上回ったことから、全体での輸入量は前年同月比1%増と前年をわずかに上回った(図2)。
主な品目のうち最も増加率が高かったのはばれいしょで、3961トン(同3961トン増、純増)となった。全量米国からの輸入であった。米国が干ばつによって不作となっていることに加え、新型コロナウイルス感染症(COVID―19)により、米国の港湾作業の停滞など輸入環境が厳しい中で、本年の国産品の不作などにより増加となった。
ばれいしょに次いで増加率が高かったのはジャンボピーマンで、2519トン(同593トン増、31%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が韓国の1342トン、第2位がオランダの1139トン、第3位がカナダの20トンであった。前年がCOVID―19による外食産業などの需要の減少により加工・業務用需要が大きく減少したことに加え、主な輸入先である韓国が天候不順による不作と国内価格の上昇により輸入量が減少したことから、前年を大幅に上回った。
ジャンボピーマンについで増加率が高かったのはしょうがで、1197トン(同170トン増、17%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1156トン、第2位がタイの42トンであった。前年が主な輸入先である中国およびタイが天候不順による不作であったことに加え、COVID―19により加工・業務用需要が大きく落ち込んだことで大幅に輸入量が減少したこと、本年の中国産は作付面積が増加したことに加えて豊作となったため、前年を大幅に上回った。
一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはキャベツで、1795トン(同3834トン減、68%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1761トン、第2位が韓国の19トン、第3位が米国の15トンであった。前月同様、COVID―19により外食産業などの需要が回復しきらない中、国産品の価格が安値で推移していたことから、前年を大幅に下回る輸入量となった。
キャベツに次いで減少率が高かったのはねぎで、3740トン(同1023トン減、21%減)となった。全量中国からの輸入であった。前月同様、COVID―19により外食産業などの需要が回復しきらない中、国産品の価格が比較的安値で推移したこと、輸入先国ではCOVID―19により港湾作業が停滞したことに加え、中国の山東省で作付面積の減少と多雨による減産で収穫量が減少したことから、前年を大幅に下回る輸入量となった。
ねぎに次いで減少率が高かったのはにんじんで、7050トン(同88トン減、1%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の6911トン、第2位が豪州の130トン、第3位が米国の9トンであった。COVID―19により外食産業などの需要が回復しきらない中、国産品の価格が安値で推移していたことから、前年をわずかに下回る輸入量となった(表2)。