[本文へジャンプ]

文字サイズ
  • 標準
  • 大きく
お問い合わせ
検索
alic 独立行政法人農畜産業振興機構
野菜 野菜分野の各種業務の情報、情報誌「野菜情報」の記事、統計資料など

ホーム > 野菜 > 野菜の情報 > 1 東京都・大阪市中央卸売市場の需給動向(令和3年10月)

需給動向 野菜情報 2021年12月号

1 東京都・大阪市中央卸売市場の需給動向(令和3年10月)

印刷ページ
野菜振興部・調査情報部

【要約】

⃝東京都中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は12万9026トン、前年同月比94.2%、価格は1キログラム当たり211円、同86.0%となった。
⃝大阪市中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は4万4237トン、前年同月比93.0%、価格は1キログラム当たり192円、同89.7%となった。
⃝東京都中央卸売市場における指定野菜14品目の価格のうち、平年を下回ったものは、にんじん(平年比48.9%)、ピーマン(同56.7%)、レタス類(同68.0%)、きゅうり(同68.5%)、ねぎ(同70.1%)、なす(同73.0%)、はくさい(同76.2%)、ほうれんそう(同79.0%)、トマト(同82.2%)、キャベツ類(同82.3%)、さといも(同87.5%)、だいこん(同90.0%)、平年を上回ったものは、ばれいしょ(平年比154.1%)、たまねぎ(同141.4%)となった。
⃝首都圏の需要を中心とした12月の見通しは、遅れた九州産も回復してくると予想されるが、果菜類は燃料代の高騰による影響が徐々に現れ、総じて価格はやや高めに推移すると見られる。11月に入って外食需要が戻ってきたが、最盛期の3割程度との声も聞かれた。12月に本格的な寒波がくれば東京市場などが価格を引っ張ることで、平年並みかやや高くなると予想している。

(1)気象概況

 上旬は、北日本では、天気は数日の周期で変化したものの、南から暖かい空気が流れ込みやすく、旬平均気温はかなり高く、旬降水量は平年並だった。旬間日照時間は北日本日本海側で多く、太平洋側では平年並だった。東・西日本と沖縄・奄美では暖かい空気の流れ込みに加え、高気圧に覆われ晴れた日が多かったため、旬間日照時間はかなり多かった。特に、西日本では旬平均気温は平年差+3.0度で、10月上旬として1946年の統計開始以来1位の高温、旬間日照時間は平年比176%で、1961年の統計開始以来1位の多照となった。旬降水量は、東日本日本海側と西日本でかなり少なく、特に西日本日本海側では10月上旬として1946年の統計開始以来1位の少雨となった。東日本太平洋側では、1日に台風第16号が接近し、まとまった雨となったため、また、沖縄・奄美では高気圧の南側となり東からの湿った気流の影響で雨が降った日があり、いずれも旬降水量としては平年並だった。旬平均気温は、全国的にかなり高かった。
 中旬は、前半は日本付近を高気圧が通過する一方、日本の北を低気圧が通過したため、寒気の影響を受けにくく、全国的に気温が高かった。17日からは、この時期としては強い寒気が流れ込み、全国的に低温となった。旬間日照時間は、北日本太平洋側でかなり少なく、北日本日本海側で少なかった。旬降水量は、北日本日本海側でかなり多く、北日本太平洋側で多かった。東・西日本日本海側では、低気圧や前線の影響を受けたことに加え、後半は寒気が流れ込みやすく曇りや雨の日が多かったため、旬間日照時間は少なかった。旬降水量は東日本日本海側で多く、西日本日本海側では平年並だった。東・西日本太平洋側では、高気圧に覆われて晴れた日もあったが、本州沿岸から南海上を通過する低気圧や前線の影響で曇りや雨の日もあり、旬間日照時間、旬降水量はいずれも平年並だった。旬平均気温は、西日本でかなり高く、東日本と沖縄・奄美で高かった。北日本では平年並だった。
 下旬は、北日本では、まとまった降水量となったところもあった。天気は数日の周期で変化したが、高気圧に覆われる日が多かった。旬平均気温は低く、旬間日照時間は多かった。東・西日本では、高気圧と低気圧が交互に通過し、天気は数日の周期で変化したが、高気圧に覆われる日が多かった。東日本日本海側では旬降水量がかなり少なかった。東日本太平洋側と西日本日本海側では旬降水量が少なかった。旬間日照時間は、東・西日本日本海側で多かった。旬平均気温は、東・西日本でかなり低く、北日本と沖縄・奄美で低かった。旬降水量は、北日本と西日本太平洋側では平年並だった。旬間日照時間は、東・西日本太平洋側と沖縄・奄美では平年並だった。
 旬別の平均気温、降水量、日照時間は以下の通り(図1)。

図1

(2)東京都中央卸売市場

 10月の東京都中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は12万9026トン、前年同月比94.2%、価格は1キログラム当たり211円、同86.0%となった(表1)。

表1

 根菜類は、にんじんの価格が、太物が多かったため前年を4割ほど下回り、平年の半値以下となった(図2)。
 葉茎菜類は、レタスの価格が、9月の高値が解消され、安めに推移した前年を1割ほど下回り、平年を3割以上下回った(図3)。
 果菜類は、ピーマンの価格が、大幅に高めに推移した前年の半値以下となり、平年を4割以上下回った(図4)。
 土物類は、ばれいしょの引き合いがやや落ち着くも絶対数不足から堅調な価格となり、高めに推移した前年を4割以上上回り、平年を5割以上上回った(図5)。

ず2-5
 
 なお、品目別の詳細については表2のとおり。

表2
表2-1

(3)大阪市中央卸売市場

 10月の大阪市中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は4万4237トン、前年同月比93.0%、価格は1キログラム当たり192円、同89.7%となった(表3)。

表3
 
 品目別の詳細については表4の通り。

表4
表4-1

(4)首都圏の需要を中心とした12月の見通し

 10月後半に野菜が安いとテレビの情報番組で取り上げられ、関東産は遅れたが高温傾向であった北海道・東北産が潤沢に入荷した。12月は遅れた九州産も回復してくると予想されるが、果菜類は燃料代の高騰による影響が徐々に現れ、総じて価格はやや高めに推移すると見られる。11月に入って外食需要が戻ってきたが、最盛期の3割程度との声も聞かれた。12月に本格的な寒波がくれば東京市場などが価格を引っ張ることで、平年並みかやや高くなると予想している。
 
根菜類 だいこん
 だいこんは、千葉産は出荷が始まっているが、適度な降雨もあり順調で肥大も良好である。当面のピークは12月から年明け1月であり、量的には前年並である。神奈川産は10月に入ってからの好天もあり、定植の遅れは取り戻してきた。11月中旬には例年並に増え、年末年始も潤沢出荷されると予想している。「三浦大根」は12月25~27日の販売予定であるが、例年並で肥大についても適度の降雨で問題ない。大分産は11月から12月の需要期に向けて例年並みに出荷できると予想している。コンビニのおでん需要は例年より減少しているが、他の業務需要は旺盛である。徳島産は11月7日から例年並みに出荷が始まった。12月から翌1月がピークであるが、特に12月下旬から1月中旬が多い。作付けは前年並である。
 にんじんは、千葉産が11月中旬から本格的に増え始め、11月20日過ぎから年末にかけてピークと予想され、量的には前年並の見込みである。埼玉産の生育は順調で、当面のピークは12月と予想している。年内で切り上がる生産者もいるが、1月から2月も多い。香川産の「金時人参」の出荷は始まっている。生育そのものは順調であり、ピークは例年どおり12月中旬である。年明けも出荷され、3月10日頃まで。Lサイズ中心とまずまずであるが、今後の天候で変わると予想される。
 
葉茎菜類 キャベツ
 キャベツは、千葉産は定植時期の天候不順で出遅れて、10月までは少なめの出荷となった。11月には回復に向かい増え始め、12月にはピークとなり平年並みの出荷と予想される。神奈川産の出荷は始まっており、11月下旬から12月さらに翌1月中旬までピークと予想される。品種は春系で作付けは前年並である。愛知産は天候に恵まれ順調で、豊作傾向と予想される。年内の出荷量は前年並を予想している。品種は冬系が7割、残りは春系である。
 はくさいは、茨城産は定植時期の天候の乱れから現状はやや遅れ気味である。11月中旬には回復して、12月には4玉サイズ中心まで回復すると予想している。作付けは微減となっているが、12月の出荷は前年並を予想している。
 ほうれんそうは、埼玉産が年末の需要期に向けて出荷できるように、10月に播種(はしゅ)が十分に行われた。その後も好天が続いて順調で、前年を上回る出荷と予想している。
 ねぎは、茨城産は12月に入り本格的な出荷が始まると予想している。8月の天候不順の影響で平年比では90%の出荷となり、やはり天候不順で少なかった前年並と予想している。千葉産の現状は秋冬物の出始めの時期である。夏季の高温や集中豪雨により圃場(ほじょう)によって欠株などがあり、ばらつきが見られる。12月に出荷のピークを迎えるが、量的には前年の98%程度と予想している。
 レタスは、静岡産は10月の好天もあり生育順調で、2Lサイズ中心と肥大も良好である。年内から年明けの出荷は前年並と予想している。兵庫産は全般的に干ばつ気味で、高温の時期もあったが生育は順調である。例年と同様12月~翌1月が出荷のピークで、2Lサイズ中心とほぼ前年並の出荷と予想している。長崎産は作付け前の8月までは雨が多かったが、その後は干ばつ気味でやや生育は遅れている。出荷のピークは11月下旬から12月である。寒さが厳しくなるとの予報で動きは鈍くなろうが、12月は前年並の出荷を予想している。
 
果菜類 きゅうり
 きゅうりは、宮崎産が11月半ばに出そろい、末頃に一旦ピークを迎えると予想している。11月は現状の好天もあり前年を上回ると予想している。12月は今後の天候によるが、極端な変化がなければ前年並の出荷と予想される。千葉産の越冬きゅうりは始まっているが、11月末頃から増え始め、ピークは年明けの1月と予想される。
 なすは、高知産が11月に一旦増える時期があるが、12月に入りやや落ち着いて年明けに本格的なピークが来ると予想している。12月は大きな天候の乱れがなければ前年並の出荷を予想している。
 トマトは、熊本産の11月は寒さにより減少し、下旬には盛り返してくるが、12月に大きな山はなく、平準ペースで出荷されると予想している。ミニトマトも同様の推移が予想されるが、12月に入りピークとなる予想している。愛知産の現状は草勢が弱く、小玉傾向で量的に減っている。11月下旬から12月にかけて回復し、例年並みの出荷と予想している。M・Lが中心サイズと予想している。栃木産の現状は寒さにより出荷は少なくなっている。当面のピークは11月中下旬と予想している。その後年末に向けて減りながら推移すると予想し、12月としては前年並の見込みである。
 ピーマンは、宮崎産の生育は順調で、11月20日頃から本格的に増えると予想している。10月の気温が高く、木のバランスは良好である。11月下旬にピークが来て、天候に問題がなければ、12月も前年より多い出荷と予想している。茨城産は温室ピーマンとなるが、7月の定植後、8月から9月の曇天の影響でやや作柄は悪い。10月前半はある程度出たが、その後は減っている。11月20日前後に一旦切り上がる生産者もいるため、12月の出荷は11月の半分以下と予想している。それでも年内いっぱいから年明けまで出荷する生産者もいるため、12月は例年並と予想される。
 
土物類 じゃがいも
 さといもは、埼玉産は天候に恵まれ生育順調で豊作傾向である。そのため年末の出荷は前年を上回ると予想している。年内の出荷は12月23日まで、2L・Lサイズ中心である。新潟産の「五泉の芋」は目立った自然災害がなく、ほぼ平年並みに仕上がった。12月がピークで、出荷は年明け3月いっぱいから4月初め頃まで。大きさは2L中心と平年並みである。千葉産の八頭は12月中旬に5回程度の出荷を予定している。現状親芋の生育は順調で、大振りの仕上がりを予想している。栽培農家の件数は変わらないため前年をやや上回る出荷を予想している。
 たまねぎは、北海道産の生産量は前年の70%と少ない。市場向けも例年を大幅に下回っている。大きさはLサイズ中心である。
 ばれいしょ類は、北海道産(ようてい)の生産量は「男爵」が前年の70%、「きたあかり」65~70%、「キタカムイ」55%と干ばつの影響を受けた。Lサイズ中心ではあるが、全般に小玉が多くなっている。年内の出荷は24日で終了し、年明けは7日か8日から開始の予定である
 同産(芽室)十勝の産地は、「メークイン」「男爵」「洞爺」は前年比、平年比とも少なく(前年比20%減)やや(おそ)い品種の「マチルダ」「さやか」「ホッカイコガネ」は平年よりも10~20%多い。7月の高温と干ばつの厳しい時期を乗り越えた品種が多くなった。
 
その他 ブロッコリー
 ブロッコリーは、埼玉産は10月は例年の半分程度と少なく、病気の発生など定植時期の天候の乱れが響いた。11月中旬から例年並みのペースに戻り、12月は正常化して例年並の出荷と予想している。愛知産の現状は順調で前年並の出荷となっているが、例年どおり12月からピークと予想している。
 かぼちゃは、北海道産の現状は前年並の出荷となっているが、12月の出荷は15日まで。「くりゆたか」は5玉6玉サイズ中心である。後半の作が特に順調で、トータルの作柄は良かった。
 かんしょは、千葉産は夏の天候の乱れの影響が大きかったが、その後天候の回復もあって平年作となっている。現状は収穫作業の終盤を迎えているが、11月の半ばに貯蔵作業も終えて出荷が本格化すると予想している。12月はピークになるが、貯蔵に向かない「シルクスィート」「ベニアズマ」中心で「べにはるか」は年明けから。農家によっては肥大のばらつきがあるが、Lサイズ中心と予想している。徳島産の収穫は終了しているが、生産量は前年並かやや多い。前年がやや小ぶりの仕上がりとなったことから、今年はLサイズ中心と平年並である。
 ごぼうは、青森産の収穫作業は始まっており11月いっぱい続くと予想している。その後はながいもの収穫となる。夏の高温や干ばつの影響で皮の傷みなどが見られ反収は低下すると予想している。そのため当面のピークの12月は前年を下回る出荷と予想している。
 れんこんは、茨城産は収穫が本格化し、出荷もじわじわ増えてきている。年内の出荷については問題なく出荷できるが、年明け以降に少なくなると予想している。
 いちごは、栃木産の定植は例年どおりで、病気の発生も見られず順調である。10月下旬から早期出荷物が始まり、クリスマス前に問題なく例年どおり出荷できると予想している。中心品種は「とちおとめ」で、作付けについても前年並である。福岡産は株を冷やす暗黒低温処理ものは11月末頃からピークを迎えると予想している。ポットの普通作も12月に入って出荷が始まり、クリスマス前にはピークとなり潤沢に出荷されると予想している。作付けは前年並で、「あまおう」が中心である。
 くわいは、広島産が11月9日から始まったが12月上中旬までの出荷と予想している。面積は昨年の11.9ヘクタールから11.5ヘクタールと若干の減少となっているが現状の生育は順調である。
 菜の花は、千葉産は11月20日過ぎから増え始め、最大のピークは年明け2月の節句の時期であるが、12月も前年を下回るものの平年並の出荷と予想している。
 
(執筆者:千葉県立農業大学校 講師 加藤 宏一)


 
東京


 
大阪



このページのトップへ

Copyright 2016 Agriculture & Livestock Industries Corporation All rights Reserved.