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需給動向 野菜情報 2021年11月号

2 野菜の輸入動向(令和3年8月)

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野菜振興部

【ポイント】

1.8月の野菜輸入量:20万9497トン(前年同月比8%増)※以下、割合は前年同期比
 うち生鮮野菜4万7543トン(同15%減)、冷凍野菜9万3464トン(同19%増)、塩蔵等野菜3323トン(同5%減)、乾燥野菜3148トン(同17%増)
 
2.輸入野菜上位品目
生鮮野菜:たまねぎ1万6502トン(同2%減)、にんじん6686トン(同13%減)、ねぎ3620トン(同23%減)、ごぼう3460トン(同8%増)、ばれいしょ3289トン(同121%増)、ジャンボピーマン2403トン(同16%減)、にんにく2370トン(同7%増)、キャベツ1835トン(同71%減)、しょうが1555トン(同11%増)、メロン1007トン(同3%増)
冷凍野菜:その他の冷凍野菜3万892トン(同30%増)、ばれいしょ3万384トン(同16%増)、えだまめ6230トン(同5%増)、ブロッコリー5211トン(同12%増)、スイートコーン5054トン(同25%増)
塩蔵等野菜:その他塩蔵等野菜1611トン(同17%減)、きゅうり及びガーキン846トン(同57%増)、しょうが451トン(同13%減)
 
3.輸入先国上位3位
1位 中国 10万8277トン(同4%増)うちその他冷凍野菜2万5607トン(同29%増)、その他調製野菜1万8392トン(同14%増)、生鮮たまねぎ1万5950トン(同3%減)
2位 米国 3万8826トン(同6%増)うち冷凍ばれいしょ2万99トン(同2%減)、トマト加工品4537トン(同34%増)、生鮮ばれいしょ3289トン(同121%増)
3位 韓国 4161トン(同17%減)うちジャンボピーマン1724トン(同8%減)、その他調製野菜1719トン(同2%減)、生鮮トマト415トン(同16%減)

(1)令和3年8月(速報値)

 令和3年8月の野菜輸入量は、20万9497トン(前年同月比1万4680トン増、8%増)となった。生産野菜及び塩蔵等野菜が前年同月を下回ったものの、冷凍野菜、乾燥野菜、酢調製野菜、トマト加工品などが前年同月を上回ったことから、全体の輸入量は同8%増と前年同月をかなりの程度上回った(図1、表1)。

図1 野菜の輸入量の推移

表1 類別の輸入動向
 

(2) 生鮮野菜

 生鮮野菜の輸入量は、ばれいしょ、しょうが、ごぼうなどが前年を大幅に上回ったものの、キャベツ、ねぎ、ジャンボピーマンなどが前年を大幅に下回ったことから、全体での輸入量は前年同月比15%減と前年をかなり大きく下回った(図2)。

図2 生鮮野菜の輸入量の推移

 主な品目のうち最も増加率が高かったのはばれいしょで、3289トン(同1798トン増、121%増)となった。全量米国からの輸入であった。前年の輸入量が、港湾作業の停滞などにより大幅に減少したことから、前年を大幅に上回った。
 ばれいしょに次いで増加率が高かったのはしょうがで、1555トン(同148トン増、11%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1471トン、第2位がタイの83トンであった。前年が主な輸入先である中国が天候不順による不作であったことに加え、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により加工・業務用需要が大きく落ち込んだことで大幅に輸入量が減少したことから、前年をかなり大きく上回った。
 しょうがに次いで増加率が高かったのはごぼうで、3460トン(同247トン増、8%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の3428トン、第2位が台湾の31トンであった。前年がCOVID-19により加工・業務用需要が大きく落ち込んだことで大幅に輸入量が減少したことから、前年をかなりの程度上回った。
 一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはキャベツで、1835トン(同4490トン減、71%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1826トン、第2位が米国の9トンであった。COVID-19により外食産業などの需要が回復しきらない中、国産品の価格が安値で推移していたことから、前年を大幅に下回る輸入量となった。
 キャベツに次いで減少率が高かったのはねぎで、3620トン(同1105トン減、23%減)となった。全量中国からの輸入であった。COVID-19により外食産業などの需要が回復しきらない中、国産品の価格が比較的安値で推移したこと、輸入先国ではCOVID-19により港湾作業が停滞したことに加え、中国の山東省で作付面積の減少と多雨による減産で収穫量が減少したことから、前年を大幅に下回る輸入量となった。
 ねぎに次いで減少率が高かったのはジャンボピーマンで、2403トン(同456トン減、16%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が韓国の1724トン、第2位がオランダの637トン、第3位がカナダの28トンであった。COVID-19により外食産業などの需要が回復しきらない中、国産品の価格が安値で推移していたことから、前年を大幅に下回る輸入量となった(表2)。

表2 増減の多い品目(生鮮野菜)

 

(3)冷凍野菜等

 冷凍野菜の輸入量は、いちごなどが前年を下回ったものの、さといも、スイートコーン、ほうれんそう等などが前年を上回ったことから、全体では前年同月比19%増と前年を大幅に上回った(図3)。



 主な品目のうち最も増加率が高かったのはさといもで、2742トン(同604トン増、28%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の2729トン、第2位が台湾の13トンであった。
 さといもに次いで増加率の高かったのはスイートコーンで、5054トン(同1005トン増、25%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が米国の2768トン、第2位がタイの1229トン、第3位が中国の443トンであった。
 これらの品目は、前年が在庫調整のほか、COVID-19による外食産業などの業務用需要の減少により輸入量が減少したことから、前年を大幅に上回った。
 スイートコーンに次いで増加率が高かったのはほうれんそう等で、4343トン(同608トン増、16%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の4189トン、第2位がミャンマーの55トン、第3位が台湾の38トンであった。COVID-19により外食産業などの業務用需要が減少していたものの、国産品の価格が高値で推移していたことから、前年を大幅に上回る輸入量となった。
 一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはいちごで、2323トン(同449トン減、16%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1217トン、第2位が米国の369トン、第3位がエジプトの288トンであった。在庫調整に加え、COVID-19により外食産業などの需要が回復しきらなかったことから、前年を大幅に下回る輸入量となった(表3)。

表3 増減の多い品目(冷凍野菜)

 生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、塩蔵等野菜のきゅうり及びガーキンで846トン(同307トン増、57%増)、酢調製野菜のしょうがで1290トン(同15トン増、1%増)、トマト加工品のピューレ等関割以外で1万364トン(同2689トン増、35%増)、その他調製野菜のスイートコーンで5973トン(同831トン増、16%増)などであった。
(参考)令和3年8月の輸入量(速報値)



(参考)月毎輸入量(速報値)