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需給動向 野菜情報 2021年10月号

2 野菜の輸入動向(令和3年7月)

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野菜振興部

【ポイント】

1.7月の野菜輸入量:22万3214トン(前年同月比3%増)
うち生鮮野菜5万6718トン(同14%減)、冷凍野菜9万7415トン(同16%増)、塩蔵等野菜4314トン(同10%減)、乾燥野菜3609トン(同10%増)
 
2.輸入野菜上位品目
生鮮野菜:たまねぎ2万386トン(同9%減)、にんじん6499トン(同43%減)、ばれいしょ4555トン(同5%増)、ごぼう4467トン(同21%増)、ねぎ4286トン(同19%減)、ジャンボピーマン3682トン(同14%減)、かぼちゃ2399トン(同1%減)、にんにく2262トン(同10%減)、キャベツ1792トン(同30%減)、しょうが1490トン(同8%減)
冷凍野菜:ばれいしょ3万3992トン(同21%増)、その他の冷凍野菜3万46トン(同13%増)、えだまめ7488トン(同1%増)、ブロッコリー4997トン(同11%増)、スイートコーン4741トン(同15%増)
塩蔵等野菜:その他塩蔵等野菜2050トン(増減なし)、きゅうり及びガーキン960トン(同9%減)、しょうが796トン(同34%減)

3.輸入先国上位3位
1位 中国 11万2311トン(同2%減)うちその他冷凍野菜2万5067トン(同11%増)、その他調製野菜1万9146トン(同1%増)、生鮮たまねぎ1万8487トン(同10%減)
2位 米国 4万2072トン(同11%増)うち冷凍ばれいしょ2万3823トン(同14%増)、生鮮ばれいしょ4555トン(同5%増)、トマト加工品3848トン(同2%増)
3位 韓国 5849トン(同23%減)うちジャンボピーマン3363トン(同15%減)、その他調製野菜1773トン(同10%増)、生鮮トマト492トン(同1%減)

(1)令和3年7月(速報値)

 令和3年7月の野菜輸入量は、22万3214トン(前年同月比6252トン増、3%増)となった。生産野菜および塩蔵等野菜が前年同月を下回ったものの、冷凍野菜、乾燥野菜、酢調製野菜、トマト加工品などが前年同月を上回ったことから、全体の輸入量は同3%増と前年同月をやや上回った(図1、表1)。

図1 野菜の輸入量の推移

表1 類別輸入動向

(2)生鮮野菜

 生鮮野菜の輸入量は、ごぼうが前年を大幅に上回り、ばれいしょも前年をやや上回ったものの、にんじん、キャベツ、ねぎなどが前年を大幅に下回ったことから、全体での輸入量は前年同月比14%減と前年をかなり大きく下回った(図2)。

図2 生鮮野菜の輸入量の推移

 主な品目のうち最も増加率が高かったのはごぼうで、4467トン(同768トン増、21%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の4457トン、第2位が台湾の10トンであった。前年が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により加工・業務用需要が大きく落ち込んだことで大幅に輸入量が減少したことから、前年を大幅に上回った。
 ごぼうに次いで増加率が高かったのはばれいしょで、4555トン(同234トン増、5%増)となった。全量米国からの輸入であった。前年の輸入量が、港湾作業の停滞などにより大幅に減少したことから、前年をやや上回った。
 一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはにんじんで、6499トン(同4919トン減、43%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の6346トン、第2位が豪州の119トン、第3位がニュージーランドの24トンであった。COVID-19により外食産業などの需要が回復しきらない中、国産品の価格が安値で推移していたことから、前年を大幅に下回る輸入量となった。
 にんじんに次いで減少率が高かったのはキャベツで、1792トン(同777トン減、30%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1785トン、第2位が米国の7トンであった。前月同様、COVID-19により外食産業などの需要が回復しきらない中、国産品の価格が安値で推移したことから、前年を大幅に下回る輸入量となった。
 キャベツに次いで減少率が高かったのはねぎで、4286トン(同974トン減、19%減)となった。全量中国からの輸入であった。国内ではCOVID-19により外食産業などの需要が回復しきらない中、国産品の価格が安値で推移していたこと、輸入先国ではCOVID-19により港湾作業が停滞したことに加え、作付面積が減少したことから、前年を大幅に下回る輸入量となった(表2)。

表2 増減の多い品目(生鮮野菜)

(3)冷凍野菜等

 冷凍野菜の輸入量は、えんどう、ほうれんそう等、いんげん豆等などほぼすべての品目が前年を上回ったことから、全体では前年同月比16%増と前年を大幅に上回った(図3)。

図3 冷凍野菜の輸入量の推移

 主な品目のうち最も増加率が高かったのはえんどうで、1119トン(同428トン増、62%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の553トン、第2位が米国の239トン、第3位がニュージーランドの228トンであった。
 えんどうに次いで増加率の高かったのはほうれんそう等で、4078トン(同1033トン増、34%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の3770トン、第2位がイタリアの106トン、第3位が台湾の80トンであった。
 ほうれんそう等に次いで増加率が高かったのはいんげん豆等で、2167トン(同401トン増、23%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1162トン、第2位がタイの696トン、第3位がベルギーの159トンであった。
 これらの品目は、前年が在庫調整のほか、COVID-19による外食産業などの業務用需要の減少により輸入量が減少したことから、前年を大幅に上回った(表3)。

表3 増減の多い品目(冷凍野菜)

 生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、塩蔵等 野菜のきゅうり及びガーキンで960トン(同98トン減、9%減)、酢調製野菜のしょうがで1180トン(同92トン減、7%減)、トマト加工品のピューレ等関割以外で11572トン(同2468トン増、27%増)、その他調製野菜のたけのこで4522トン(同581トン増、15%増)などであった。

表 令和3年7月輸入量(速報値)



表 月毎輸入量(速報値)