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需給動向 野菜情報 2021年8月号

2 野菜の輸入動向(令和3年5月)

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野菜振興部

【ポイント】

1.5月の野菜輸入量:21万1049トン(前年同月比3%増)

うち生鮮野菜5万7858トン(同15%増)、冷凍野菜8万2688トン(同3%減)、塩蔵等野菜5825トン(同3%減)、乾燥野菜3724トン(同2%増)

 

2.輸入野菜上位品目

生鮮野菜:たまねぎ1万5663トン(同7%増)、かぼちゃ1万3995トン(同111%増)、にんじん5341トン(同10%増)、ばれいしょ3770トン(同50%増)、ジャンボピーマン3383トン(同10%減)、ごぼう3347トン(同41%増)、ねぎ3053トン(同16%増)、にんにく1788トン(同2%増)、メロン1454トン(同38%減)、しょうが1263トン(13%増)

冷凍野菜:ばれいしょ2万7137トン(同11%減)、その他の冷凍野菜2万5857トン(同8%増)、えだまめ5728トン(同16%減)、ブロッコリー4916トン(同2%減)、いちご4708トン(同94%増)

塩蔵等野菜:その他塩蔵等野菜2585トン(同7%増)、きゅうり及びガーキン1525トン(同27%増)、しょうが904トン(同37%減)

 

3.輸入先国上位3位

1位 中国 9万8537トン(同4%増)うちその他冷凍野菜2万1700トン(同9%増)、その他調製野菜1万9066トン(増減なし)、生鮮たまねぎ1万4462トン(同8%増)

2位 米国 3万5675トン(同10%減)うち冷凍ばれいしょ1万8391トン(同17%減)、トマト加工品5747トン(同1%増)、その他調製野菜3792トン(同5%増)、

3位 韓国 5585トン(同84%)うちジャンボピーマン3274トン(同11%減)、その他調製野菜1828トン(同13%減)、生鮮トマト351トン(同54%増)

(1)令和3年5月(速報値)

 令和3年5月の野菜輸入量は、21万1049トン(前年同月比6178トン増、3%増)となった。生鮮野菜、乾燥野菜、酢調製野菜及びトマト加工品が前年同月を上回ったことから、全体の輸入量は同3%増と前年同月をやや上回った(図1、表1)。

図1

 
表1

(2)生鮮野菜

 生鮮野菜の輸入量は、キャベツ、メロン、ジャンボピーマンなどが前年を下回ったものの、かぼちゃ、ばれいしょ、ごぼうなどが前年を大幅に上回ったことから、全体での輸入量は前年同月比15%増と前年をかなり大きく上回った(図2)。

図2

 主な品目のうち最も増加率が高かったのはかぼちゃで、1万3995トン(同7355トン増、111%増)で、輸入先別の内訳は、第1位がニュージーランドの8372トン、第2位がメキシコの5541トン、第3位が豪州の81トンであった。前年が主な輸入先国であるメキシコのひょう害や大雨による不作で輸入量が大幅に減少していたことから、前年を大幅に上回った。
 かぼちゃに次いで増加率が高かったのはばれいしょで、3770トン(同1264トン増、50%増)で、全量が米国からの輸入であった。前年の輸入量が大幅に減少していたことから、前年を大幅に上回った。
 ばれいしょに次いで増加率が高かったのはごぼうで、3347トン(同979トン増、41%増)で、輸入先別の内訳は、第1位が中国の3190トン、第2位が台湾の156トンであった。前月同様、2020年産秋作の作柄が良好だったことから、前年を大幅に上回った。
 一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはキャベツで、1066トン(同1637トン減、61%減)で、輸入先別の内訳は、第1位が中国の1049トン、第2位が米国の11トン、第3位がベトナムの6トンであった。新型コロナ感染症(COVID-19)により外食産業などの需要が回復しきらない中、国産品の価格が安値で推移したことに加え、主な輸入先国である中国が、コンテナ不足や海運コスト上昇などにより日本への仕向量が減少したことで、前年を大幅に下回る輸入量となった。
 キャベツに次いで減少率が高かったのはメロンで、1454トン(同891トン減、38%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位がメキシコの606トン、第2位がホンジュラスの479トン、第3位がグアテマラの195トンであった。前月同様、COVID-19による外食産業などの需要が回復しきらない中、主な輸入先国であるメキシコが干ばつで不作となったために輸入量が大幅に減少したことから、前年を大幅に下回る輸入量となった。
 メロンに次いで減少率が高かったのはジャンボピーマンで、3383トン(同391トン減、10%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が韓国の3274トン、第2位がオランダの71トン、第3位がカナダの19トンであった。コンテナ不足や港湾作業の停滞により韓国産をはじめ、オランダ、ニュージーランドからの輸入量が減少したことから、前年をかなりの程度下回る輸入量となった(表2)。

表2

(3)冷凍野菜等

 冷凍野菜の輸入量は、いちごなどが前年を上回ったものの、スイートコーン、えだまめ、いんげん豆等が前年を下回ったことから、全体では前年同月比3%減と前年をやや下回った(図3)。

図3

 主な品目のうち最も増加率が高かったのはいちごで、4708トン(同2280トン増、94%増)で、輸入先別の内訳は、第1位がエジプトの1848トン、第2位がモロッコの1103トン、第3位が中国の789トンであった。前年の輸入量が大幅に減少したことから、前年を大幅に上回った。
 一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはスイートコーンで、3449トン(同1109トン減、24%減)で、輸入先別の内訳は、第1位が米国の1685トン、第2位がタイの768トン、第3位が中国の387トンであった。
 スイートコーンに次いで減少率が高かったのはえだまめで、5728トン(同1094トン減、16%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が台湾の2485トン、第2位がタイの1746トン、第3位が中国の1215トンであった。
 えだまめに次いで減少率が高かったのはいんげん豆等で、1713トン(同258トン減、13%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の825トン、第2位がタイの607トン、第3位がベルギーの101トンであった。
 これらの品目は、COVID-19により外食産業などの需要が回復しきらないことに加え、コンテナ不足、海運コストの上昇、在庫調整により、前年を大幅に下回る輸入量となったとみられる(表3)。

表3

 生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、塩蔵等野菜のきゅうり及びガーキンで1525トン(同324トン増、27%増)、酢調製野菜のしょうがで1488トン(同330トン増、28%増)、トマト加工品のピューレ等関割以外で9237トン(同2061トン増、29%増)、その他調製野菜のたけのこで5044トン(同767トン増、18%増)などであった。


五月
五月2

参考1
参考2