ホーム > 野菜 > 野菜の情報 > 2 野菜の輸入動向(令和3年4月)
令和3年4月の野菜輸入量は、24万3161トン(前年同月比2万1721トン減、8%減)となった。生鮮野菜は前年同月をわずかに上回ったものの、それ以外の品目が前年同月を下回ったことから、全体の輸入量は同8%減と前年同月をかなりの程度下回った(図1、表1)。
生鮮野菜の輸入量は、キャベツ、メロン、かぼちゃなどが前年を下回ったものの、ごぼう、にんにく、ねぎなどが前年を大幅に上回ったことから、全体での輸入量は前年同月比2%増と前年をわずかに上回った(図2)。
主な品目のうち最も増加率が高かったのはごぼうで、4368トン(同1282トン増、42%増)で、輸入先別の内訳は、第1位が中国の4222トン、第2位が台湾の146トンであった。2020年産秋作の作柄が良好だったことから、前年を大幅に上回った。
ごぼうに次いで増加率が高かったのはにんにくで、2193トン(同574トン増、35%増)で、輸入先別の内訳は、第1位が中国の1990トン、第2位がスペインの180トン、第3位が米国の16トンであった。国産品の価格が高値で推移したことに加え、前年産が中国における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により港湾作業が停滞して輸入量が減少したことから、前年を大幅に上回った。
にんにくに次いで増加率が高かったのはねぎで、3795トン(同845トン増、29%増)で、輸入先別の内訳は、第1位が中国の3787トン、第2位がベトナムの8トンであった。国産品の価格は高値で推移したことに加え、中国の主要産地である福建省の生育回復により、前年を大幅に上回った。
一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはキャベツで、1265トン(同1115トン減、47%減)で、輸入先別の内訳は、第1位が中国の1192トン、第2位が台湾の61トン、第3位が米国の12トンであった。COVID-19により外食産業などの需要が回復しきらない中、国産品の価格が安値で推移したことから、前年を大幅に下回る輸入量となった。
キャベツに次いで減少率が高かったのはメロンで、1814トン(同964トン減、35%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位がホンジュラスの674トン、第2位がメキシコの554トン、第3位がグアテマラの371トンであった。COVID-19による外食産業などの需要が回復しきらない中、主な輸入先であるメキシコが干ばつで不作となったために輸入量が大幅に減少したことから、前年を大幅に下回る輸入量となった。
メロンに次いで減少率が高かったのはかぼちゃで、1万4904トン(同746トン減、5%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位がニュージーランドの1万4434トン、第2位がメキシコの470トン、第3位が韓国の1トンであった。COVID-19により外食産業などの需要が回復しきらない中、主な輸入先であるニュージーランドが、コンテナ不足や海運コスト上昇などにより日本への仕向量が減少したことで、前年をやや下回る輸入量となった(表2)。
冷凍野菜の輸入量は、えだまめ、スイートコーン、いんげん豆等など、ほとんどの品目で前年を下回ったことから、全体では前年同月比10%減と前年をかなりの程度下回った(図3)。
主な品目のうち最も減少率が高かったのはえだまめで、6038トン(同2499トン減、29%減)で、輸入先別の内訳は、第1位が台湾の2906トン、第2位がタイの1525トン、第3位が中国の1321トンであった。
えだまめに次いで減少率が高かったのはスイートコーンで、4007トン(同1013トン減、20%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が米国の2079トン、第2位がタイの899トン、第3位が中国の403トンであった。
スイートコーンに次いで減少率が高かったのはいんげん豆等で、1876トン(同243トン減、11%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の999トン、第2位がタイの538トン、第3位がベルギーの105トンであった。これらの品目は、COVID-19により外食産業などの需要が回復しきらないことに加え、在庫調整により、前年を大幅に下回る輸入量となったとみられる(表3)。
生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、塩蔵等野菜のきゅうり及びガーキンで1777トン(同360トン減、17%減)、酢調製野菜のしょうがで1319トン(同316トン減、19%減)、トマト加工品のピューレ等関割以外で9562トン(同4278トン減、31%減)、その他調製野菜のたけのこで5497トン(同740トン減、12%減)などであった。