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需給動向 野菜情報 2021年7月号

1 東京都・大阪市中央卸売市場の需給動向(令和3年5月)

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野菜振興部 調査情報部

【要約】

●東京都中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は12万2610トン、前年同月比96.3%、価格は1キログラム当たり251円、同98.3%となった。
●大阪市中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は3万7085トン、前年同月比99.5%、価格は1キログラム当たり224円、同101.8%となった。
●東京都中央卸売市場における指定野菜14品目の価格のうち、平年を下回ったものは、キャベツ(平年比67.8%)、はくさい(同71.2%)、ほうれんそう(同86.6%)、だいこん(同89.9%)、ねぎ(同99.6%)、にんじん(同99.7%)、平年を上回ったものは、ばれいしょ(平年比169.2%)、さといも(同134.5%)、たまねぎ(同120.2%)、レタス(同106.4%)、きゅうり(同106.3%)、ピーマン(同105.5%)、トマト(同104.0%)、なす(同101.4%)となった。
●首都圏の需要を中心とした7月の見通しは、関東産の終盤ものと東北・北海道産、高原もののシェアが高くなると予想される。主要野菜は、ほぼ平年並みの出回りとなり、価格は平年を上回るしっかりした展開と予想される。

(1)気象概況

 上旬は、低気圧と高気圧が交互に通過し、北・東・西日本では天気が周期的に変化した。低気圧や前線の影響を受けやすかった東日本日本海側では、旬降水量が多く、旬間日照時間が少なかった。また、低気圧通過後に寒気の影響を受けた西日本では、気温が低かった。5日に梅雨前線が顕在化し、その後、沖縄・奄美から本州南海上で停滞した。沖縄・奄美ではそのころ梅雨入りしたとみられる。旬平均気温は、西日本で低い一方、沖縄・奄美では高かった。旬降水量は、北日本太平洋側で少ない一方、東日本日本海側で多かった。旬間日照時間は、東・西日本太平洋側で多かった。一方、東日本日本海側で少なかった。
 中旬は、活発な梅雨前線が本州付近に停滞し、九州南部では11日頃、九州北部・四国・中国 地方では15日頃、近畿・東海地方では16日頃、それぞれ平年よりかなり早く梅雨入りしたとみられる。このため、東・西日本では曇りや雨の日が多く、特に西日本日本海側では旬降水量が292%と、統計開始の1946年以来、5月中旬として最も多く、西日本日本海側と太平洋側では、旬間日照時間がそれぞれ32%、28%と、統計開始の1961年以来5月中旬として最も少なくなった。北日本では天気が周期的に変化した。旬平均気温は、西日本と沖縄・奄美でかなり高く、北・東日本では高かった。旬降水量は、北日本日本海側と西日本でかなり多く、東日本日本海側で多かった。一方、沖縄・奄美では少なかった。旬間日照時間は、東日本太平洋側と西日本でかなり少なく、東日本日本海側で少なかった。一方、北日本日本海側と沖縄・奄美では多かった。
 下旬は、梅雨前線や低気圧の影響で、北・東・西日本では曇りや雨の日が多かった。旬平均気温は、沖縄・奄美でかなり高かった。一方、西日本で低かった。旬降水量は、北日本日本海側でかなり多く、北日本太平洋側と東・西日本、沖縄・奄美で多かった。旬間日照時間は、北日本日本海側でかなり少なく、北日本太平洋側、東日本、西日本太平洋側、沖縄・奄美で少なかった。
 旬別の平均気温、降水量、日照時間は以下の通り(図1)。

図1
 

(2)東京都中央卸売市場

 5月の東京都中央卸売市場における野菜全体の入荷状況は、12万2610トン、前年同月比96.3%、価格は1キログラム当たり251円、同98.3%となった(表1)。

表1

 根菜類は、だいこんの価格が数量少なく高めに推移した前年を2割以上下回り、平年を1割ほど下回った(図2)。
 葉茎菜類は、キャベツの価格が、家庭需要特需に支えられて高かった前年の半額近くまで下がり、平年を3割以上下回った(図3)。
 果菜類は、ピーマンがコロナ特需などで大幅に高かった前年を2割以上下回ったが、平年は上回った(図4)。
 土物類は、ばれいしょの価格が大玉を中心に相場は軟化傾向も、高値を引きずっているため、高かった前年を3割近く上回り、平年を7割近く上回った(図5)。

図2

 なお、品目別の詳細については表2のとおり。

表2表2-2

 

(3)大阪市中央卸売市場

 5月の大阪市中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は3万7085トン、前年同月比99.5%、価格は1キログラム当たり224円、同101.8%となった(表3)。

表3

 品目別の詳細については表4の通り。

表4表4-2

(4)首都圏の需要を中心とした7月の見通し

 5月の東京市場の野菜は平年比でも若干高く、4月までの平年を下回る水準から、ようやく上昇してきた。キャベツは平年価格の半分程度と低迷しており、出荷量が多いキャベツが安いことから、全体の単価が薄まっており、実際の市場の仲卸店頭価格はかなり高いと判断されている。時間が経てば一般の小売価格に影響すると思われる。
 7月は西南暖地ものが梅雨入りが早かったこともあり、切り上がりは早めで、関東産の終盤ものと東北・北海道、高原もののシェアが高くなると予想される。5月の低温で一旦は遅れたが、その後気温は回復し例年並に回復している。主要野菜は、ほぼ平年並みの出回りとなろう。価格は平年を上回るしっかりした展開と予想される。
 
根菜類
だいこん
 だいこんは、北海道産は例年並に7月1日からの出荷と予想しており、7月下旬の収穫物がやや少なくなることが心配されるが、6月に天候回復すれば生育は挽回できるため、大きな減収は回避できると予想される。青森産はトンネルものからの切り換わりで少なくなるが、6月中旬から回復してこよう。7月出荷ものの生育は順調であり、前年並に潤沢に出荷されると予想される。
 にんじんは、北海道産(網走管内の美幌)が7月下旬からとなり、出荷のピークは8月、9月である。作付けは前年並で、中心品種は「向陽2号」である。中心サイズはMと予想される。道南の新函館は6月20日頃からの出荷と予想される。5月の低温の影響がどこまで残るか心配されるが、6月の天候次第では十分取り返せると予想される。出荷のピークは7月上旬で、20日過ぎには切りあがろう。作付けは前年の90%と減っている。品種は「紅みのり」、中心サイズは収量を勘案しながらだが、L中心になるであろう。
 
葉茎菜類
キャベツ
 キャベツは、群馬産が6月10日頃からとなり、ほぼ例年並の見込みで。苗の状況が非常に良く生育順調である。7月は前年並の見込みでL中心と予想される。最大のピークとなる9月に向け、徐々に増えながら推移しよう。岩手産の作付けは410~420ヘクタールと昨年よりも若干下回っているが、外国人の技能実習生がいないため減らしている。出荷は前年並に6月20日頃からと予想し、7月に入り山岳地帯の出荷も始まって、10日頃から10月まで定量出荷となろう。
 はくさいは、長野産が標高1000メートル地帯の産地からの出荷となる。現状は一部抽苔の発生も見られるものの、平年並の出荷が予想される。その後の8月についても順調で、量もそのまま推移すると予想される。作付けは農家の意欲が旺盛で、前年並である。
 ほうれんそうは、群馬産が7月に入って雨除けものとなり、7月よりも量は増えると予想される。蒔きつけも順調で、前年並と予想される。栃木産の当面のピークは6月下旬で、7月にはやや減りながら推移しよう。岐阜産のスタートは早く、順調に始まったが、梅雨入りが早くなった影響もあり現状は少なくなっている。間もなく回復し、7月には例年並みのピークになると予想される。8月には減り気味で推移しよう。
 ねぎは、茨城産は今のところ順調で、5月末から7月20日頃まで出荷のピークが続くと予想される。梅雨の天候が平年並みであれば、前年を上回る出荷が予想される。北海道産は早いものは7月10日過ぎから出荷が始まるが、ピークは9月に入ってからとなる。作付けは前年の110%である。青森産の露地ものは7月20日頃から始まると予想され、平年並の見込みである。作付けは前年並で、9月上旬からピークと予想される。
 レタスは、長野産が6月10日から15日にいったんピークが来るが、本格的には7月10日以降と予想される。生育は一時早まったが、急増といった場面はないであろう。全般に干ばつ傾向で一時低温はあったが、生育は順調である。群馬産の現状は生育順調で、定植も問題なく行われている。6月に続き7月についてもスムーズな流れを維持できると予想される。
 
果菜類
きゅうり
 きゅうりは、宮城産の主力の促成ものは7月中旬頃に切り返し時期で急減しよう。夏秋もの(ハウスと露地)は6月下旬から始まって7月に入り本格化し、出荷については天候によるが、前年並かやや多いと予想される。福島産の主力はハウスものと雨よけものとなるが、作型が重なる7月が最大のピークである。露地は4月から始まっているが、これから定植する農家が多く、7月10日頃から本格的に増えてこよう。
 トマトは、群馬産の夏秋トマトは7月上旬から出荷が始まり、当面のピークは7月20日過ぎから8月の盆過ぎ頃までと予想される。作付けは前年並で、品種は「りんか」が80%である。青森産の出荷は6月15日から始まり、8月のお盆頃まで続くと予想される。品種は「セレクト」を中心に桃太郎系で、2Lサイズ中心となろう。北海道産のピークは7月下旬から8月上旬と予想される。栃木産の4月に定植した夏秋ものは生育順調で、6月に一回目のピークが来て、次のピークは7月上中旬となろう。作付けは前年並で、品種は「桃太郎はるか」と「麗月」でLサイズ中心の見込みである。
 ミニトマトは、北海道産は5月の低温の影響で、若干遅れている。7月は増えながら推移し、8月の盆明けが最大のピークと予想される。
 ピーマンは、岩手産(花巻)のピークは7月から8月の盆前頃までとなる。作付けはハウスものが前年の110%であった。昨年は天候不順で出荷の伸びが悪かったが、今年は順調で前年を上回る出荷が予想される。岩手ふるさとは7月に入って露地も始まり、海の日前後から8月までピークが続くと予想される。作付けは露地中心に2ヘクタール増えている。
 
土物類
ばれいしょ
 たまねぎは、佐賀産の現状までの出荷は前年の83%となっているが、早生たまねぎの2L比率が昨年ほど多くないことが影響している。現状は中生と晩生の出荷が始まってきているが、大きさは平年並である。収穫作業は6月上旬で終るが、7月はJAや農家で貯蔵したものの販売で、出荷量は平年並が予想される。兵庫産の現状は晩生の収穫のピークで、前年程ではないが大玉傾向である。収量も前年程ではないが、平年を上回ろう。7月には貯蔵ものとなり、L・2L中心の出荷と予想される。
 ばれいしょ類は、長崎産は6月いっぱいピークで、例年どおり7月上旬までの出荷と予想される。静岡産の「三方ヶ原男爵」は5月下旬のまとまった雨の影響で現状やや遅れているが、作柄は平年並かやや良いと予想される。ピークは6月いっぱい続き、7月に入り減ってきて月末までの出荷となろう。大きさはL中心の2Lと予想される。静岡産の「三島馬鈴薯」(メークイン)の出荷は6月に入ってからで、20日頃から量的にまとまり、7月5日前後をピークに7月下旬に切りあがろう。L・2Lサイズ中心で肥大も良好である。梅雨の長雨の影響で小玉傾向であった前年に比べ120%の増収になると予想される。
 
その他
ブロッコリー
 かぶは、青森産のピークは6月中下旬から7月となろうが、前年は天候不順で少なかったことから前年を上回る見込みである。作付けは前年を上回っている。
 こねぎは、福岡産は梅雨入りが早くやや徒長気味であるが、生育はおおむね順調である。これから年間を通して最も少ない時期に向かうが、量的には前年並かやや多くなると予想される。
 ブロッコリーは、北海道産の出荷のピークは6月末から7月で、8月にはやや減ってこよう。作付けは前年並である。長野産は標高1000メートル地帯からの出荷となり、6月中旬からから7月上旬にピークが来よう。8月に入りやや減るが、9月中下旬から再び増え始めよう。作付けは微増である。
 とうもろこしは、千葉産は全量露地ものであり、6月下旬から出荷は始まり、本格的には7月10日過ぎからで、8月の盆前には切りあがろう。昨年は作柄悪く減収となり、その影響で作付けはやや減少している。中心品種は「ゴールドラッシュ」で、定植は終了した。群馬産は7月20日過ぎから始まるが25日から8月の盆前までピークとなろう。作付けは前年並で、品種は「恵味スター」である。
 いんげんは、福島産の細長丸莢(まるさや)タイプの「いちず」は6月末から出荷が始まり7月20日頃にピークを迎え、その後2番莢、3番莢と徐々に減少するが、8月もしっかり出荷できよう。平莢の「びっくりジャンボ」も6月末から始まるが5月定植ものが7月10日頃に一旦ピークとなろう。8月に入り半分位に減り、9月に再び増えて10月までの出荷となろう。
 にんにくは、香川産が4月20日から始まったが、6月上旬から乾燥ものの出荷に切り換わり、7月いっぱいの出荷となろう。3Lサイズ中心と大玉傾向であり、収量は前年の120%と多い見込みである。
 すいかは、長野産は例年どおり7月上旬から出荷が始まり、中下旬から8月5日頃までをピークに9月末までとなる。作付けは前年並である。昨年は7月まで天候不順であったが、今年の梅雨が平年並であれば前年を上回る出荷と予想される。山形産の出荷は7月15日前後とほぼ平年並を予想される。ピークは7月25日から8月5日頃と予想される。昨年はやや遅れて始まったことから、7月としては前年を上回ると予想される。
(執筆者:千葉県立農業大学校 講師 加藤 宏一)

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