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需給動向 野菜情報 2021年6月号

2 野菜の輸入動向(令和3年3月)

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野菜振興部

【ポイント】

1.3月の野菜輸入量:23万5969トン(前年同月比6%減)
うち生鮮野菜7万6180トン(同4%増)、冷凍野菜9万6トン(同13%減)、塩蔵等野菜6394トン(同4%減)、乾燥野菜3877トン(同8%増)
 
2.輸入野菜上位品目
1)生鮮野菜:たまねぎ1万8399トン(同6%増)、かぼちゃ1万6294トン(同15%減)、にんじん9042トン(同67%増)、ばれいしょ5549トン(同8%減)、ねぎ4481トン(同26%増)
2)冷凍野菜:ばれいしょ3万1207トン(同18%減)、その他の冷凍野菜2万7305トン(同12%減)、えだまめ5766トン(同18%減)
3)塩蔵等野菜:その他塩蔵等野菜2490トン(同30%減)、しょうが1696トン(同65%増)、きゅうり及びガーキン1337トン(同48%増)
 
3.輸入先国上位3位
1位 中国 11万4265トン(同5%減)うちその他冷凍野菜2万3399トン(同13%減)、その他調製野菜2万835トン(同15%減)、生鮮たまねぎ1万7513トン(同7%増)
2位 米国 3万6297トン(同22%減)うち冷凍ばれいしょ1万9594トン(同33%減)、生鮮ばれいしょ5549トン(同8%減)、冷凍スイートコーン2904トン(同18%増)
3位 韓国 4227トン(同9%増)うちその他調製野菜2132トン(同35%増)、ジャンボピーマン1611トン(同24%減)、生鮮トマト360トン(同8%増)

(1)令和3年3月(速報値)

 令和3年3月の野菜輸入量は、23万5969トン(前年同月比1万5604トン減、6%減)となった。生鮮野菜は前年同月をやや上回ったものの、冷凍野菜、酢調製野菜などが前年同月を下回ったことから、全体の輸入量は同6%減と前年同月をかなりの程度下回った(図1、表1)。

図1

表1

(2)生鮮野菜

 生鮮野菜の輸入量は、キャベツ、ジャンボピーマン、かぼちゃなどが前年を下回ったものの、にんじん、ごぼう、ねぎなどが前年を大幅に上回ったことから、全体での輸入量は前年同月比4%増と前年をやや上回った(図2)。

ず2

 主な品目のうち最も増加率が高かったのはにんじんで、9042トン(同3625トン増、67%増)で、輸入先別の内訳は、第1位が中国の6793トン、第2位がベトナムの1178トン、第3位が台湾の828トンであった。
 にんじんに次いで増加率が高かったのはごぼうで、4231トン(同1296トン増、44%増)で、輸入先別の内訳は、第1位が中国の4139トン、第2位が台湾の92トンであった。これらの品目は、国産品の価格が高値で推移したことから、前年を大幅に上回った。
 ごぼうに次いで増加率が高かったのはねぎで、4481トン(同916トン増、26%増)で、輸入先別の内訳は、第1位が中国の4469トン、第2位がベトナムの12トンであった。にんじん同様、国産品の価格が高値で推移したことに加え、中国の主要産地である福建省(ふっけんしょう)の生育回復により、前年を大幅に上回った。
 一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはキャベツで、1056トン(同270トン減、20%減)で、輸入先別の内訳は、第1位が中国の887トン、第2位がベトナムの135トン、第3位が台湾の20トンであった。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により外食産業などの需要が回復しきらない中、国産品の価格が安値で推移したことから、前年を大幅に下回る輸入量となった。
 キャベツに次いで減少率が高かったのはジャンボピーマンで、2101トン(同391トン減、16%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が韓国の1611トン、第2位がニュージーランド(NZ)の490トンであった。COVID-19による外食産業などの需要が回復しきらない中、主な輸入先である韓国からの輸入量が大幅に減少したことから、前年を大幅に下回る輸入量となった。
 ジャンボピーマンに次いで減少率が高かったのはかぼちゃで、1万6294トン(同2957トン減、15%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位がNZの1万5900トン、第2位がメキシコの391トン、第3位が韓国の3トンであった。COVID-19により外食産業などの需要が回復しきらない中、日本への仕向量が減少したことで、前年をかなり大きく下回る輸入量となった(表2)。

ひょう2
 

(3)冷凍野菜等

 冷凍野菜の輸入量は、いちご、スイートコーン、ブロッコリーなどで前年を上回ったものの、ほうれんそう等、さといも、ばれいしょなどが前年を大幅に下回ったことから、全体では前年同月比13%減と前年をかなり大きく下回った(図3)。

ず3

 主な品目のうち最も増加率が高かったのはいちごで、3666トン(同903トン増、33%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1220トン、第2位がエジプトの912トン、第3位がチリの615トンであった。
 いちごに次いで増加率が高かったのはスイートコーンで、4585トン(同443トン増、11%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が米国の2904トン、第2位がタイの808トン、第3位が中国の353トンであった。
 スイートコーンに次いで増加率が高かったのはブロッコリーで、5075トン(同146トン増、3%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位がエクアドルの2690トン、第2位が中国の2124トン、第3位がグアテマラの162トンであった。
 これらの品目は、COVID-19により消費者が家庭内調理を行う機会が増えたことで冷凍野菜の需要が増加したことにより、輸入量が増加したとみられる。
 一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはほうれんそう等で、3233トン(同1752トン減、35%減)で、輸入先別の内訳は、第1位が中国の3044トン、第2位がミャンマーの87トン、第3位が台湾の55トンであった。
 ほうれんそう等に次いで減少率が高かったのはさといもで、2531トン(同556トン減、18%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の2526トン、第2位が台湾の5トンであった。
 さといもに次いで減少率が高かったのはばれいしょで、3万1207トン(同6719トン減、18%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が米国の1万9594トン、第2位がベルギーの3704トン、第3位がカナダの3662トンであった。
 これらの品目は、COVID-19により外食産業などの需要が回復しきらないことに加え、在庫調整により、前年を大幅に下回る輸入量となったとみられる(表3)。

ひょう3
 

 生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、塩蔵等野菜のしょうがで1696トン(同669トン増、65%増)、酢調製野菜のきゅうり及びガーキンで469トン(同58トン増、14%増)、トマト加工品のピューレ等関割以外で6292トン(同2027トン減、24%減)、その他調製野菜のたけのこで5478トン(同1825トン減、25%減)などであった。


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