ホーム > 野菜 > 野菜の情報 > 2 野菜の輸入動向(令和3年2月)
令和3年2月の野菜輸入量は、20万707トン(前年同月比2万7302トン増、16%増)となった。生鮮野菜は前年同月をかなりの程度、トマト加工品は大幅に下回ったものの、冷凍野菜などその他の類別が前年同月を大幅に上回ったことから、全体の輸入量は同16%増と前年同月を大幅に上回った(図1、表1)。
生鮮野菜の輸入量は、ばれいしょ、にんにく、にんじんなどが前年を大幅に上回ったものの、かぼちゃ、ねぎ、結球レタスなどが前年を大幅に下回ったことから、全体での輸入量は前年同月比10%減と前年をかなりの程度下回った(図2)。
主な品目のうち最も増加率が高かったのは
ばれいしょで、4413トン(同4291トン増、36.2倍)で、全量が米国からの輸入であった。前年は収穫期の寒波により輸入量が大幅に少なかったことから、前年を大幅に上回る輸入量となった。
ばれいしょに次いで増加率が高かったのはにんにくで、1540トン(同427トン増、38%増)で、輸入先別の内訳は、第1位が中国の1450トン、第2位がアルゼンチンの66トン、第3位がスペインの15トンであった。前年は、主な輸入先である中国において、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により輸入量が大幅に少なかったことから、前年を大幅に上回る輸入量となった。
にんにくに次いで増加率が高かったのはにんじんで、5538トン(同1052トン増、23%増)で、輸入先別の内訳は、第1位が中国の3971トン、第2位がベトナムの849トン、第3位が台湾の649トンであった。国産品の価格は高値で推移したことから、前年を大幅に上回った。
一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはかぼちゃで、1万32トン(同7213トン減、42%減)で、輸入先別の内訳は、第1位がニュージーランドの9328トン、第2位がメキシコの701トン、第3位が韓国の2トンであった。主な輸入先であるニュージーランドが不作傾向であったことに加え、COVID-19により外食産業などの需要が大きく落ち込んだことから、前年を大幅に下回る輸入量となった。
かぼちゃに次いで減少率が高かったのはねぎで、2389トン(同1216トン減、34%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の2373トン、第2位がベトナムの16トンであった。前月に引き続き、主な輸入先である中国の作付面積の減少と天候不順による減産から、前年を大幅に下回る輸入量となった。
ねぎに次いで減少率が高かったのは結球レタスで、1218トン(同487トン減、29%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が台湾の1212トン、第2位が中国の6トンであった。国産品が豊作基調で安値傾向となったことに加え、COVID-19により外食産業などの需要が大きく落ち込んだことから、前年を大幅に下回る輸入量となった(表2)。
冷凍野菜の輸入量は、ほうれんそう等、さといも、ブロッコリーなど、すべての品目で前年を上回ったことから、全体では前年同月比37%増と前年を大幅に上回った(図3)。
主な品目のうち最も増加率が高かったのはほうれんそう等で、4182トン(同1853トン増、80%増)となった。輸入先別の内訳は第1位が中国の4017トン、第2位がイタリアの51トン、第3位が台湾の33トンであった。
ほうれんそう等に次いで増加率が高かったのはさといもで、2592トン(同1126トン増、77%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の2588トン、第2位が台湾の4トンであった。
さといもに次いで増加率が高かったのはブロッコリーで、4839トン(同1738トン増、56%増)となった。輸入先別の内訳は第1位が中国の2993トン、第2位がエクアドルの1718トン、第3位がグアテマラの48トンであった。
これらの品目は、前年同月はCOVID-19により港湾業務が停滞していたことで輸入量が少なかったことに加え、COVID-19により消費者が家庭内調理を行う機会が増えたことで冷凍野菜の需要が増加したことにより、輸入量が増加したとみられる(表3)。
生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、塩蔵等野菜のしょうがで1139トン(同431トン増、61%増)、酢調製野菜のしょうがで1455トン(同638トン増、78%増)、トマト加工品のピューレ等関割以外で7091トン(同1232トン減、15%減)、その他調製野菜のたけのこで5104トン(同2680トン増、2.1倍)などであった。