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需給動向 野菜情報 2021年4月号

2 野菜の輸入動向(令和3年1月)

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野菜振興部

【ポイント】

1.1月の野菜輸入量:19万3157トン(前年同月比17%減)
 うち生鮮野菜5万2131トン(同15%減)、冷凍野菜7万7003トン(同17%減)、塩蔵等野菜5400トン(同34%  減)、乾燥野菜3994トン(同6%減)
2.輸入野菜上位品目
 生鮮野菜:たまねぎ1万4754トン(同27%減)、かぼちゃ1万2948トン(同38%増)、にんじん5097トン(同28%減)、ごぼう3674トン(同11%増)、ねぎ2865トン(同49%減)
 冷凍野菜:その他の冷凍野菜2万6163トン(同13%減)、ばれいしょ2万5407トン(同17%減)、ブロッコリー5048トン(同14%減)
 塩蔵等野菜:その他塩蔵等野菜2420トン(同35%減)、きゅうり及びガーキン1312トン(同46%減)、しょうが728トン(同2%減)
3.輸入先国上位3位
1位 中国 10万1935トン(同22%減)うち生鮮たまねぎ1万4541トン(同26%減)、生鮮にんじん4883トン(同26%減)、冷凍ほうれんそう等3523トン(同14%減)
2位 米国 2万6265トン(同27%減)うち冷凍ばれいしょ1万8362トン(同21%減)、冷凍スイートコーン1736トン(同28%減)トマト加工品1976トン(同54%減)
3位 韓国 3374トン(同5%増)うちジャンボピーマン1270トン(同17%減)、その他調製野菜1660トン(同30%増)、生鮮トマト266トン(同19%減)

(1)令和3年1月(速報値)

令和3年1月の野菜輸入量は、19万3157トン(前年同月比3万8194トン減、17%減)となった。1月7日以降、新型コロナウイルス感染症(COVID−19)の感染拡大に伴う緊急事態宣言が、首都圏などの大都市圏で発令されたことにより外食需要が伸び悩んだことから、すべての類別で前年同月を下回ったため、全体の輸入量は同17%減と前年同月を大幅に下回った(図1、表1)。

図1

表1

(2)生鮮野菜

 生鮮野菜の輸入量は、かぼちゃ、メロン、ごぼうなどが前年を上回ったものの、ねぎ、にんじん、たまねぎなどが前年を大幅に下回ったことから、全体での輸入量は前年同月比15%減と前年をかなり大きく下回った(図2)。

図2

 主な品目のうち最も増加率が高かったのはかぼちゃで、1万2948トン(同3544トン増、38%増)で、輸入先別の内訳は、第1位がメキシコの9977トン、第2位がニュージーランドの2968トン、第3位が韓国の3トンであった。主な輸入先であるメキシコで、低温により生育が遅れていたものの収穫が一気に進んだことに加え、12月のコンテナ不足による出荷遅れから、前年を大幅に上回る輸入量となった。
 かぼちゃに次いで増加率が高かったのはメロンで、1286トン(同152トン増、13%増)で、輸入先別の内訳は、第1位が豪州の778トン、第2位がグアテマラの229トン、第3位がメキシコの162トンであった。主な輸入先である豪州からの輸入量が、順調な生育により大幅に増加したことから、前年をかなり大きく上回る輸入量となった。
 メロンに次いで増加率が高かったのはごぼうで、3674トン(同378トン増、11%増)で、輸入先別の内訳は、第1位が中国の3664トン、第2位が台湾の10トンであった。前年は国産品が潤沢かつ安値で輸入量が少なかったことから、前年をかなり大きく上回った。
 一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはねぎで、2865トン(同2702トン減、49%減)で、輸入先別の内訳は、第1位が中国の2859トン、第2位がベトナムの7トンであった。主な輸入先である中国の作付面積の減少と天候不順による減産から、前年を大幅に下回る輸入量となった。
 ねぎに次いで減少率が高かったのはにんじんで、5097トン(同1947トン減、28%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の4883トン、第2位がベトナムの85トン、第3位が台湾の73トンであった。国産品の市場価格が徐々に落ち着いてきたことに加え、COVID−19による緊急事態宣言発令により外食産業などの需要が大きく落ち込んだことから、前年を大幅に下回る輸入量となった。
 にんじんに次いで減少率が高かったのはたまねぎで、1万4754トン(同5573トン減、27%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1万4541トン、第2位が米国の214トンであった。国産品が豊作基調で市場入荷量が安定していた中、COVID−19による緊急事態宣言発令により外食産業などの需要が大きく落ち込んだことから、前年を大幅に下回る輸入量となった(表2)。

表2
 

(3)冷凍野菜等

 冷凍野菜の輸入量は、いちご、スイートコーン、えだまめなど、ほとんどの品目で前年を下回ったことから、全体では前年同月比17%減と前年を大幅に下回った(図3)。

図3

 主な品目のうち最も減少率が高かったのはいちごで、1501トン(同1020トン減、40%減)となった。輸入先別の内訳は第1位が中国の744トン、第2位がチリの310トン、第3位がエジプトの168トンであった。
 いちごに次いで減少率が高かったのはスイートコーンで、2787トン(同967トン減、26%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が米国の1736トン、第2位がタイの478トン、第3位がニュージーランドの208トンであった。
 スイートコーンに次いで減少率が高かったのはえだまめで、3886トン(同1318トン減、25%減)となった。輸入先別の内訳は第1位が台湾の1726トン、第2位がタイの1004トン、第3位が中国の932トンであった。これらの品目は、COVID−19による緊急事態宣言発令により外食産業などの需要が大きく落ち込んだことから、輸入量が減少したとみられる(表3)。

表3

 生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、塩蔵等野菜のきゅうり及びガーキンで1312トン(同1134トン減、46%減)、酢調製野菜のしょうがで1230トン(同477トン減、28%減)、トマト加工品のピューレ等関割以外で7717トン(同807トン減、9%減)、その他調製野菜のたけのこで5556トン(同1343トン減、19%減)などであった。

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