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需給動向 野菜情報 2021年4月号

1 東京都・大阪市中央卸売市場の需給動向(令和3年2月)

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野菜振興部 調査情報部

【要約】

⃝東京都中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は11万4660トン、前年同月比94.0%、価格は1キログラム当たり232円、同107.4%となった。
⃝大阪市中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は3万6362トン、前年同月比94.4%、価格は1キログラム当たり204円、同109.7%となった。
⃝東京都中央卸売市場における指定野菜14品目の価格のうち、平年を下回ったものは、はくさい(平年比37.3%)、キャベツ(同57.6%)、レタス(同70.2%)、トマト(同75.8%)、ほうれんそう(同79.5%)、だいこん(同84.8%)、たまねぎ(同95.5%)、なす(同97.0%)、平年を上回ったものは、ばれいしょ(同164.1%)、ねぎ(同162.8%)、さといも(同117.0%)、にんじん(同116.8%)、きゅうり(同102.7%)、ピーマン(同100.2%)となった。
⃝首都圏の需要を中心とした4月の見通しは、昨年程ではないが、業務筋が仕入れを控える傾向は変わらないと見ている。高い気温が続けば、前進出荷が促進され、終わりが早まると予想される。

(1)気象概況

 上旬は、北日本付近を低気圧や前線が通過することが多く、低気圧の通過後には、北日本を中心に冬型の気圧配置の強まる時期があったため、北日本日本海側を中心に曇りや雪または雨の日が多かった。旬間日照時間は、北日本日本海側でかなり少なく、北日本太平洋側で少なかった。旬降水量は、北日本日本海側でかなり多く、東日本日本海側で多かった。また、1日に前線の通過に伴い、九州北部地方で大雨となった所もあったため、西日本日本海側でも多かった。一方、東日本太平洋側と西日本、沖縄・奄美では、大陸から張り出す高気圧に覆われやすかったため晴れる日が多かった。旬間日照時間はかなり多く、特に、西日本日本海側、西日本太平洋側、沖縄・奄美の平年比はそれぞれ155%、142%、252%で、ともに 1961年の統計開始以来、2月上旬として1位の多照となった。旬平均気温は、暖かい空気に覆われやすかったため、東・西日本と沖縄・奄美ではかなり高かったが、冬型の気圧配置が強まり、寒気の影響を受けた時期もあった北日本では平年並だった。
 中旬は、北日本では低気圧の影響を受けやすく、曇りや雪または雨の日が多かった。特に15日から16日にかけて、本州南岸の低気圧が急速に発達しながら北東へ進み、北海道付近で 946ヘクトパスカルまで発達した影響で、15日には静岡県天城山で日降水量が227.5ミリメートルと2月の記録を更新したほか、16日には147地点で日最大瞬間風速の2月の記録を更新(タイ記録含む)するなど、北・東日本を中心に広い範囲で大荒れとなった。また、低気圧の通過後は一時的に冬型の気圧配置が強まり、北・東・西日本日本海側で大雪となった所があった。このため、旬降水量は、北日本と東日本日本海側でかなり多く、東・西日本太平洋側と沖縄・奄美で多かった。一方、東日本以西では、高気圧に覆われて晴れる日が多かったため、旬間日照時間は、東・西日本日本海側でかなり多く、東・西日本太平洋側と沖縄・奄美で多かった。旬平均気温は、移動性高気圧に覆われた時期があったことや低気圧に向かって暖かい空気が流れ込みやすかったため、北・東日本でかなり高く、西日本で高かった。
 下旬は、北日本では、冬型の気圧配置となり寒気の影響を受けた時期があったが、全国的に高気圧に覆われやすく、東日本を中心に晴れの日が多かったほか、東日本以西では寒気の影響を受けにくかった。このため、旬降水量は、東日本ではかなり少なく、北日本太平洋側と西日本日本海側で少なかった。特に、旬降水量の平年比が東日本太平洋側で4%と1961年の統計開始以来2月下旬として1位の、東日本日本海側で14%と1位タイの少雨となった。また、旬間日照時間は、西日本日本海側で平年比152%と、1961年の統計開始以来2月下旬として1位の多照となるなど、東日本と西日本日本海側でかなり多く、北・西日本太平洋側と沖縄・奄美で多かった。旬平均気温は、高気圧に覆われやすく、北日本付近を通過した低気圧に向かって暖かい空気が流れ込んだ時期もあったため、西日本と沖縄・奄美でかなり高く、東日本で高かった。
 旬別の平均気温、降水量、日照時間は以下の通り(図1)。

図1

(2)東京都中央卸売市場

 2月の東京都中央卸売市場における野菜全体の入荷状況は、入荷量が11万4660トン、前年同月比94.0%、価格は1キログラム当たり232円、同107.4%となった(表1)。

表1

 根菜類は、神奈川産、千葉産が中心となったが低温と干ばつにより、生育不良気味で入荷量は下旬にかけて少なくなった。そのため、価格は堅調に推移し、にんじんは前年、平年ともに大幅に上回った(図2)。
 葉茎菜類は、関東産が中心で低温干ばつの影響が見られたものの、台風などの天候不順による被害などがなく、順調な入荷から価格が下落し、特にはくさいは平年の37.3%と大幅な価格安となった(図3)。
果菜類は、全体的に入荷量が多く、価格は軟調に推移した。業務筋の需要も望めず、トマトは大幅な安値となった(図4)。
 土物類は、北海道産の貯蔵から新物に移行する時期となったが、家庭内需要が引き続き強く、価格は上昇し、ばれいしょは前年の2倍以上、たまねぎも大幅に前年を上回った(図5)。

図2-5

 なお、品目別の詳細については表2の通り。

表2表2-2
 

(3)大阪市中央卸売市場

 2月の大阪市中央卸売市場における野菜の入荷量および価格は、入荷量が3万6362トン、前年同月比94.4%、価格は1キログラム当たり204円、同109.7%となった(表3)。

表3

 品目別の詳細については表4の通り。

表4表4-2

(4)首都圏の需要を中心とした4月の見通し

 年明けの1月前半に九州地方に強い寒波が入ったが、その後は2月まで晴れて高温の日が続き、関東では雨が降っても乾燥注意報が解除されず、大規模な山火事の発生もあった。全国的にも干ばつ傾向であった。本来、干ばつが続けば地温が上がらず生育遅れとなるが、1月~2月の好天によりトマトなどの果菜類は順調であった。露地物も3月初旬に降雨が続き、回復が早まった。
 昨年の3月はコロナ禍による自粛が始まるなど業務筋が仕入れを控え市場価格は低迷した。今年は昨年程でないが、基本的な状況は変わらないと見込んでおり、業務向けを意識した品目や産地の危機意識は強いものがある。業界としての傷が癒えるのに時間がまだかかると思われ、入荷はそれ程多くないのに、価格は高くないといった展開が続くと予想される。
 4月は春物や新物に切り換わる時期ではあるが、長期予報による気温高の傾向から前進傾向で、この先、高い気温が続けば終わりが早まると予想される。

根菜類

だいこん
 だいこんは、千葉産の春だいこんは3月以降、数量が多く4月も横ばいで推移し、特別ピークはないと予想している。肥大については一部で横縞は見られるものの順調で、L・2Lサイズ中心の見込み。
 にんじんは、徳島産の出荷は平年どおり3月下旬から計画している。日々、定量出荷で4月中旬には切り上がる。作付面積は前年並み、品種は変わらず「彩誉」である。天候は寒暖の差が激しなど変動が大きいが、生育は順調である。同県の板野郡の出荷は3月下旬から5月中旬までピークとなり、当初はMサイズ中心であるが、4月中旬からLサイズが中心になってくる。品種は「彩誉」を中心に「翔彩」などである。

葉茎菜類

キャベツ
 キャベツは、愛知産は春キャベツがピークになっているが、中心となる冬キャベツは4月には減ってくるが、前進傾向から平年比を下回る出荷と予想される。千葉産は年明け以降、前進傾向で、3月中旬まで多かったが後半から減り、4月下旬以降に再び増えて大型連休明けが最大のピークになると予想している。定植も順調で潤沢ペースの出荷が続くと予想している。神奈川産は降雨により一回目のピークは3月下旬と早めの予想。次のピークは4月中旬から下旬で量的には前年並を予想している。
 はくさいは、茨城産の春はくさいは平年よりやや遅い始まりである。生育は順調で、4月~5月のピークとなり6月初旬まで出荷が続く。
 ほうれんそうは、群馬産は4月から高原産地からの露地物の出荷となり、大型連休前から本格的に増えてくると予想している。埼玉産の生育は前進傾向で12月上旬播種(はしゅ)のものが2月下旬に集中して出荷された。年明け以降に播種したものは3月下旬に出荷が始まり、4月上旬まで数量は多い見込み。その後、中旬から下旬へと減少しながら推移するが、少なかった前年を上回る見込み。
 ねぎは、千葉産の春ねぎの出荷が3月中旬から始まっているが、1月の強風で葉折れもあって育ちは悪い傾向で、4月についても引き続き例年を下回る可能性が高い。茨城産の初夏ねぎは4月下旬の大型連休の前から出荷が始まってくるが、平年並に回復してくる見込み。
 レタスは、茨城産が4月に入り出荷のピークとなる。前倒し気味で潤沢ペースが続くが数量的には前年並みで、4月いっぱいで切り上がると予想している。兵庫産は端境期を超えて3月下旬から出荷が増え、4月中下旬にピークと予想される。台風などの気象災害がなく豊作となっている。群馬産は4月中旬から始まり、高原物の出荷は4月下旬からとなる。ほぼ平年並みの出荷ペースを予想しているが、天候によっては前進気味も予想される。干ばつがブレーキ要因となっているが、大型連休前に最初のピークが来ると予想している。香川産は3月からのピークが4月いっぱい続き5月に入り減ってくる。前進傾向で来ているが、雨も適度に降って気温も高いため生育は順調である。

果菜類

きゅうり
 きゅうりは、埼玉産は干ばつの影響でハウス内の湿度が足りず生育が遅れている。病気の発生はないが、虫の発生は多い。それでも生育そのものは順調で大型連休前のピークに向けて増えながら推移する見込み。数量的には前年並みを見込んでいる。群馬産は日照時間が長い、雨が少ない、気温が高いと3拍子揃いで生育は順調である。最大のピークである5月~6月に向かって日々増量しながら推移する
 なすは、高知産が高温、晴天により2月に多く出荷された反動で3月は減少したが、下旬には回復し、4月については平年並み、中旬から5月がピークになると予想している。福岡産も2月に出荷が大幅に多く、やや成り疲れの傾向が見られるが3月下旬には再び増え始める。4月以降、気温の上昇とともに徐々に増えながら推移し、寒の戻りなどから少なめだった前年を上回る出荷を見込んでいる。
 トマトは、愛知産が1月上旬に定植したものの出荷が3月中旬以降に始まる。生育は順調で、4月下旬から6月いっぱいがピークとなろう。熊本産は天候に恵まれ1月~3月は前進気味に出荷され出荷量は平年を上回った。4月~5月は通常、ピークの時期だが、好天が予想されることから前年を上回る出荷が予想される。栃木産は4月に入り気温の上昇とともに再び増え、少なかった前年を上回る見込み。促成の春トマトが中心だが、越冬トマトも順調で玉のサイズはやや大きくなる見込み。
 ピーマンは、宮崎産は3月上旬の曇雨天、日照時間不足により3月後半から4月前半は少なめの出荷となることが予想される。茨城産は春ピーマンが増えてきて、越冬の促成物との二本立ての販売となる。天候に恵まれ生育は順調で、前年並みかやや多めの入荷が予想される。

土物類

ばれいしょ
 たまねぎは、佐賀産が定植時に干ばつが続き当初の生育は遅れたが、2月の高温で回復しており現状やや遅い程度である。4月は極早生と早生の2本立ての販売になるが、前年は前進から多く入荷したため前年程多くない見込み。作付面積は早生が減少し極早生と中晩生が増えている。兵庫産は極早生が始まっているが、前年と前々年が生育が進み過ぎであったことからすると、今年は平年並みの進捗になると予想している。3月はマルチの極早生、4月に入り露地の極早生、露地の早生は4月末頃から。大きさは3月の雨次第であるが、現状ではL中心の2Lと予想している。作付けは極早生と中晩生が増えて早生が減っている。全体の出荷のピークは6月である。北海道産の出荷は平年通り5月までで、計画的に販売していく。20年産は豊作であったが、終盤の5月については平年よりやや少なめと予想している。品質は最 後まで問題ない。
 ばれいしょ類は、長崎産の「新じゃがいも」は平年より遅れて、4月中下旬から本格スタートとなる見込み。作付面積は微減しているが、種芋不足も原因の一つである。一部で寒波の影響も受けているが、現状はかなり回復している。また、肥大については今後も期待できる。鹿児島産は長島の「赤土ばれいしょ(ニシユタカ)」が4月上旬から始まり、中旬から5月中旬までピークとなる見込み。ここ2年は暖冬もあり早く始まったが、今年については年明け以降の降雪の影響もあり前年より遅く、平年よりもやや遅い始まりとなろう。当初はやや小ぶりであるが、ピーク時には平年並みの大きさに追いついてこよう。北海道のようてい産は平年どおり4月中下旬の切り上がりを予想しているが、強い需要から前倒し気味で出荷したため、量的には平年の70~80%と大幅に少ない見込み。

その他

メロン
 メロン類は、茨城産の「オトメ」の出荷が4月中旬から始まり、「アンデス」は一週間後の中旬に始まる。開花時期から好天が続き生育は順調である。「オトメ」のピークは4月下旬~5月上旬、「アンデス」と「クインシー」は5月中下旬~6月上旬にピークとなろう。熊本産の「アンデス」は平年よりやや早めに3月中旬から始まり、4月上中旬ピークの見込みで、その後減っていく。作付面積は年々減少傾向にあるが、大きな減少ではない。
 スイートコーンは、沖縄産が4月中旬~5月上旬まで連日の販売となる。2月の強風の影響が心配されるものの、花付きの時期は天候に恵まれたことから、ほぼ順調に仕上がると予想している。品種はバイカラーの「グラビス」である。主力産地は南部地域である。
 オクラは、沖縄産は4月から増え始め、5月からピークとなって来る。最大のピークは7月である。
 えだまめは、沖縄産は4月下旬から始まり5月中旬まで連日の販売となる。前年が豊作であったため、それよりもやや少なめと予想される。主力産地は南部の糸満地域である。
 そらまめは、鹿児島産が4月中旬からから本格的に始まってくるが、ピークは25日から30日頃と見込んでいる。作付面積は若干減少しているが、量的には前年並となろう。
 アスパラガスは、栃木産が4月にウォーターカーテン物は終了し、無加温のハウス物となる。4月上中旬が最大のピークと予想され、量的にも前年を若干上回ると予想される。6月には立茎物となり、年内の最終は10月いっぱいまでとなる。長崎産は4月上旬から立茎も始まり徐々に数量減らしながら推移し、5月が出荷の底になり6月から夏芽となって再び増えてくる。今年は、適度な寒さから株が充実して、太物が多く出ている。
 ブロッコリーは、埼玉産の春ブロッコリーのピークが4月中旬となる見込み。現状干ばつ気味だが、生育順調で出荷は前年並みである。熊本産は3月~4月中旬が端境期となる。生育は順調で4月下旬から増え始め、5月に再びピークとなる。引き続き発泡スチロール箱の氷詰めの出荷となる。香川産の出荷は4月いっぱい続き、5月に入り減ってくる。干ばつ気味ではあるが、一週間に1回程度の雨があって前進気味で推移している。
 かぼちゃは、鹿児島産は前年の販売は前進もあり4月に多かったが、今年は大型連休明けからとなると予想している。気象災害もなく生育は順調であるが、農家の老齢化により作付けは90%程度と減っている。沖縄産は小玉傾向で例年の70~80%となっており、4月いっぱいで終了する。
(執筆者:千葉県立農業大学校 講師 加藤 宏一)

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