野菜振興部
令和2年10月の野菜輸入量は、21万1777トン(前年同月比8432トン減、4%減)となった。トマト加工品が前年同月を上回ったものの、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による外食需要が回復しない中、国産野菜のうち、根菜類や葉茎菜類などの市場入荷量が増加したことで市場価格が前年をやや下回り、生鮮野菜など、多くの類別が前年同月を下回り、全体の輸入量は同4%減と前年同月をやや下回った(図1、表1)。
生鮮野菜の輸入量は、メロン、にんじん、にんにくなどが上回ったものの、キャベツ、たまねぎ、アスパラガスなどが前年を下回ったことから、全体での輸入量は前年同月比6%減と前年をかなりの程度下回った(図2)。
主な品目のうち最も増加率が高かったのはメロンで、1249トン(同333トン増、36%増)で、輸入先別の内訳は、第1位が米国の934トン、第2位が豪州の314トンであった。豪州産の輸入量が大幅に増加したことから、前年を大幅に上回る輸入量となった。
メロンに次いで増加率が高かったのはにんじんで、8378トン(同861トン増、11%増)で、輸入先別の内訳は、第1位が中国の8204トン、第2位が豪州の167トン、第3位が米国の7トンであった。国産品の市場価格が前年を大幅に上回ったことから、前年をかなり大きく上回る輸入量となった。
にんじんに次いで増加率が高かったのはにんにくで、1855トン(同73トン増、4%増)で、輸入先別の内訳は、第1位が中国の1719トン、第2位がスペインの117トン、第3位が米国の12トンであった。主な輸入先である中国の貯蔵ものが潤沢であったことから、前年をやや上回る輸入量となった。
一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはキャベツで、1902トン(同1034トン減、35%減)で、輸入先別の内訳は、第1位が中国の1886トン、第2位が米国の11トン、第3位が韓国の5トンであった。COVID-19による外食産業などの需要が回復しない中、国産品の安定入荷により市場価格が平年をかなりの程度下回ったことから、前年を大幅に下回る輸入量となった。
キャベツに次いで減少率が高かったのはたまねぎで、1万9876トン(同2625トン減、12%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1万9524トン、第2位が米国の352トンであった。国産品の安定入荷により市場価格がやや下回った中、主な輸入先国である中国の天候不順により不作となったことから、前年をかなり大きく下回る輸入量となった。
たまねぎに次いで減少率が高かったのはアスパラガスで、1348トン(同144トン減、10%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位がメキシコの701トン、第2位が豪州の635トン、第3位がタイの8トンであった。主な輸入先国であるメキシコからの輸入量が前年の2倍近くと大幅に増加したものの、夏期に干ばつとなった豪州産の輸入量が前年の4割減と大幅に減少したことから、前年をかなりの程度下回る輸入量となった(表2)。
冷凍野菜の輸入量は、さといも、いんげん豆等などが前年を上回ったものの、えだまめ、スイートコーン、ブロッコリーなどが前年を下回ったことから、全体では前年同月比5%減と前年をやや下回った(図3)。
主な品目のうち増加したのはさといもで、3038トン(同481トン増、19%増)となった。輸入先別の内訳は第1位が中国の3026トン、第2位がインドネシアの10トン、第3位が台湾の2トンであった。国産品の市場価格が前年をかなりの程度上回ったことに加え、前年は輸入量が減少したことから、前年を大幅に上回った。
さといもに次いで増加率が高かったのはいんげん豆等で、2104トン(同65トン増、3%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1358トン、第2位がタイの542トン、第3位がベルギーの72トンであった。前年は輸入量が減少したことから、前年をやや上回った。
一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはえだまめで、4280トン(同1284トン減、23%減)となった。輸入先別の内訳は第1位が台湾の1853トン、第2位が中国の1124トン、第3位がタイの1093トンであった。
えだまめに次いで減少率が高かったのはスイートコーンで、3989トン(同1140トン減、22%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が米国の2391トン、第2位がタイの876トン、第3位が中国の313トンであった。
スイートコーンに次いで減少率が高かったのはブロッコリーで、4754トン(同687トン減、13%減)となった。輸入先別の内訳は第1位が中国の2290トン、第2位がエクアドルの2280トン、第3位がグアテマラの76トンであった。これらの品目は、COVID-19による外食産業などの業務用需要の減少により、輸入量が減少したとみられる(表3)。
生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、塩蔵等野菜のしょうがで560トン(同398トン減、42%減)、トマト加工品のピューレ等関割以外で9963トン(同3112トン増、45%増)、その他調整野菜のたけのこで5585トン(同322トン減、5%減)などであった。