野菜振興部
令和2年7月の野菜輸入量は、21万6961トン(前年同月比3万2762トン減、13%減)となった。梅雨の豪雨などによる生育停滞から国産野菜の市場入荷量が減少し、市場価格が高値で推移したことから生鮮野菜は前年同月をやや上回ったものの、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により加工・業務用需要が大きく減少したことや在庫調整により、冷凍野菜などの生鮮野菜以外の類別が前年同月を下回ったことから、全体の輸入量は同13%減と前年同月をかなり大きく下回った(図1、表1)。
生鮮野菜の輸入量は、ばれいしょ、ごぼう、ジャンボピーマンなどが下回ったものの、にんじん、かぼちゃ、キャベツなどが前年を大幅に上回ったことから、全体での輸入量は前年同月比5%増と前年をやや上回った(図2)。
主な品目のうち最も増加率が高かったのは、にんじんで1万1418トン(同4225トン増、59%増)、輸入先別の内訳は、第1位が中国の1万1162トン、第2位が豪州の195トン、第3位がニュージーランドの49トンであった。
にんじんに次いで増加率が高かったのはかぼちゃで、2428トン(同721トン増、42%増)で、輸入先別の内訳は、第1位が韓国の1341トン、第2位がメキシコの987トン、第3位がニュージーランドの96トンであった。
かぼちゃに次いで増加率が高かったのはキャベツで、2569トン(同440トン増、21%増)で、全量が中国からの輸入であった。これらの品目は、家計需要が堅調な中、曇雨天や低温などの天候不良により市場価格が前年を大幅に上回ったことから、前年を上回る輸入量となった。
一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのは、ばれいしょで4321トン(同1933トン減、31%減)、全量が米国からの輸入であった。前年の輸入量がかなりの程度多かったことから、前年を大幅に下回る輸入量となった。
ばれいしょに次いで減少率が高かったのはごぼうで、3699トン(同646トン減、15%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の3688トン、第2位が台湾の11トンであった。COVID-19による外食産業などの需要の減少により、加工・業務用需要が大きく減少したことから、前年をかなり大きく下回る輸入量となった。
ごぼうに次いで減少率が高かったのはジャンボピーマンで、4286トン(同724トン減、14%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が韓国の3950トン、第2位がオランダの317トン、第3位がカナダの19トンであった。COVID-19による外食産業などの需要の減少により、加工・業務用需要が大きく減少したことに加え、主な輸入先である韓国が天候不順による不作と国内価格の上昇により輸入量が減少したことから、前年をかなり大きく下回る輸入量となった(表2)。
冷凍野菜の輸入量は、さといも、ばれいしょ、いんげん豆等などほとんどの品目で前年を下回ったことから、全体では前年同月比20%減と前年を大幅に下回った(図3)。
主な品目のうち最も減少率が高かったのはさといもで、1751トン(同1765トン減、50%減)となった。輸入先別の内訳は第1位が中国の1750トン、第2位が台湾の1トンであった。
さといもに次いで減少率が高かったのはばれいしょで、2万8157トン(同1万571トン減、27%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が米国の2万865トン、第2位がベルギーの2762トン、第3位がカナダの1371トンであった。
ばれいしょに次いで減少率が高かったのはいんげん豆等で、1766トン(同576トン減、25%減)となった。輸入先別の内訳は第1位が中国の917トン、第2位がタイの552トン、第3位がベルギーの139トンであった。これらの品目は、在庫調整のほか、外食産業等の業務用需要の減少により輸入量が減少したとみられる(表3)。
生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、塩蔵等野菜のきゅうり及びガーキンで1058トン(同228トン減、18%減)、酢調整野菜のしょうがで1272トン(同579トン減、31%減)トマト加工品のピューレ等関割以外で9104トン(同1225トン減、12%減)などであった。