野菜振興部
令和2年5月の野菜輸入量は、20万5007トン(前年同月比2万7820トン減、前年同月比12%減)となった。前月同様、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により、家計需要が大幅に増加したものの、COVID-19による移動制限、外食産業などに対する自粛要請に伴う、加工・業務用需要の減少により、生鮮野菜が前年同月を大幅に下回ったことから、全体の輸入量は同12%減と前年同月をかなり大きく下回った(図1、表1)。
生鮮野菜の輸入量は、はくさい、キャベツなどが前年を大幅に上回ったものの、ばれいしょ、ねぎ、かぼちゃなどの多くの品目が前年を大幅に下回ったことから、全体での輸入量は前年同月比29%減と前年を大幅に下回った(図2)。
主な品目のうち最も増加率が高かったのは、はくさいで1383トン(同1253トン増、同10.7倍)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の832トン、第2位が韓国の551トンであった。
はくさいに次いで増加率が高かったのはキャベツで、2703トン(同792トン増、同41%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の2675トン、第2位が米国の28トンであった。これらの品目は、曇天や低温などの天候不良や家庭内需要の増加により国内の市場価格が前年を大幅に上回ったことから、前年を大幅に上回る輸入量となった。
一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのは、ばれいしょで2506トン(同2501トン減、同50%減)となり、全量が米国からの輸入であった。
ばれいしょに次いで減少率が高かったのはねぎで、2626トン(同2105トン減、同44%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の2618トン、第2位がベトナムの8トンであった。COVID-19による移動制限、外食産業などに対する自粛要請により、加工業務用需要が大きく減少したことから、前年を大幅に下回る輸入量となった。
ねぎに次いで減少率が高かったのはかぼちゃで、6640トン(同4450トン減、同40%減)となった。輸入先別の内訳は、第1位がニュージーランドの3379トン、第2位がメキシコの3261トン、第3位が韓国の1トンであった。2月に主な輸入先であるメキシコのソノラ州にて霜害、シナロア州にて多雨があったことにより減産したため、前年を大幅に下回る輸入量となった(表2)。
冷凍野菜の輸入量は、いんげん豆等などが前年を上回ったものの、いちご、えだまめ、ばれいしょなどが前年を大幅に下回ったことから、全体では前年同月比7%減と前年をかなりの程度下回った(図3)。
主な品目のうち最も増加率が高かったのはいんげん豆等で、1971トン(同297トン増、同18%増)となった。輸入先別の内訳は、第1位が中国の1047トン、第2位がタイの612トン、第3位がベルギーの131トンであった。これは、主な輸入先である中国の前年の輸入量が、天候不順により少なかったため、輸入量が増加したとみられる。
一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはいちごで、2428トン(同1048トン減、同30%減)となった。輸入先別の内訳は第1位が中国の900トン、第2位がエジプトの504トン、第3位がチリの451トンであった。
いちごに次いで減少率が高かったのはえだまめで、6822トン(同710トン減、同9%減)となった。輸入先別の内訳は第1位が台湾の3243トン、第2位がタイの1943トン、第3位が中国の1323トンであった。
えだまめに次いで減少率が高かったのはばれいしょで、3万579トン(同2978トン減、同9%減)となった。輸入先別の内訳は第1位が米国の2万2026トン、第2位がベルギーの3762トン、第3位がオランダの2278トンであった。これらの品目は、在庫調整のほか、COVID-19による港湾作業の遅延などにより輸入量が減少したとみられる(表3)。
生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、塩蔵等野菜のきゅうり及びガーキンで1201トン(同545トン減、同31%減)、酢調整野菜のしょうがで1158トン(同99トン減、同8%減)、トマト加工品のトマトピューレ等関割で4932トン(同559トン増、同13%増)などであった。