野菜振興部
2月の輸入量は、中国産のたまねぎおよびキャベツの減少により生鮮野菜が前年同月比24%と大幅に減少し、全体でも前年同月を大幅に下回った。
令和2年2月の野菜輸入量は、17万3406トン(前年同月比4万239トン減、19%減)となった。すべての品目が前年同月を下回ったことから、全体の輸入量は同19%減と前年同月を大幅に下回った(図1、表1)。
生鮮野菜の輸入量は、メロン、かぼちゃ、しょうがなどが前年を上回ったものの、キャベツ、たまねぎ、にんじんなどが前年を大幅に下回ったことから、全体での輸入量は前年同月比24%減と前年を大幅に下回った(図2)。
主な品目のうち最も増加率が高かったのはメロンで、1509トン(同213トン増、16%増)で、国別の内訳は、第1位がメキシコの467トン、第2位がホンジュラスの460トン、第3位がコスタリカの265トンであった。前年は、輸出先国の降雨、低温などの天候不順により輸入量が減少したことから、前年を大幅に上回る輸入量となった。
メロンに次いで増加率が高かったのはかぼちゃで、1万7245トン(同1497トン増、10%増)で、国別の内訳は、第1位がNZの1万6506トン、第2位がメキシコの739トンであった。主な輸入先国であるメキシコが、多雨により減産した中、NZの生育が前進し、メキシコの減産分以上増産したことにより、前年をかなり大きく上回る輸入量となった。
かぼちゃに次いで増加率が高かったのはしょうがで、1724トン(同39トン増、2%増)で、国別の内訳は、第1位が中国の1573トン、第2位がタイの127トン、第3位がインドネシアの25トンであった。前月に引き続き、主要な輸出先国である中国が減産となり、国際需給がひっ迫していた中、実需者が早めに手当てを行ったことから、前年をわずかに上回る輸入量となった。
一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはキャベツで、1014トン(同3256トン減、76%減)で、国別の内訳は、第1位が中国の1004トン、第2位が米国の10トンであった。
キャベツに次いで減少率が高かったのはたまねぎで、1万6160トン(同9174トン減、36%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の1万5261トン、第2位が米国の426トン、第3位がタイの404トンであった。
たまねぎに次いで減少率が高かったのはにんじんで、4487トン(同1397トン減、24%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の3837トン、第2位がベトナムの283トン、第3位が台湾の240トンであった。これらの品目は、前月同様、国産品が安値で推移したことに加え、主な輸入先国である中国における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響から、前年を下回る輸入量となった(表2)。
冷凍野菜の輸入量は、ばれいしょ、いちごなどが前年を上回ったものの、ほうれんそう等、さといも、ブロッコリーなどが前年を下回ったことから、全体では前年同月比10%減と前年をかなりの程度下回った(図3)。
主な品目のうち最も増加率が高かったのはばれいしょで、2万8229トン(同3011トン増、12%増)となった。国別の内訳は、第1位が米国の2万574トン、第2位がベルギーの2864トン、第3位がオランダの2318トンであった。
ばれいしょに次いで増加率が高かったのは、いちごで2300トン(同147トン増、7%増)となった。国別の内訳は第1位がエジプトの864トン、第2位がチリの591トン、第3位が中国の467トンであった。これらの品目は、在庫調整により輸入量が増加したとみられる。
一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはほうれんそう等で、2329トン(同939トン減、29%減)となった。国別の内訳は第1位が中国の2126トン、第2位が台湾の54トン、第3位がイタリアの46トンであった。
ほうれんそう等に次いで減少率が高かったのはさといもで、1466トン(同536トン減、27%減)となった。国別の内訳は第1位が中国の1456トン、第2位が台湾の7トン、第3位が米国の3トンであった。
さといもに次いで減少率が高かったのはブロッコリーで、3101トン(同911トン減、23%減)となった。国別の内訳は第1位がエクアドルの1918トン、第2位が中国の977トン、第3位がグアテマラの70トンであった。これらの品目については、在庫調整により輸入量が減少したとみられる(表3)。
生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、塩蔵等野菜のきゅうり及びガーキンで765トン(同491トン減、39%減)、トマト加工品のピューレ等関割以外で8323トン(同1292トン減、13%減)、その他調製野菜のたけのこで2424トン(同2076トン減、46%減)などであった。