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需給動向 2 (野菜情報 2020年4月号)


2 野菜の輸入動向(令和2年1月)

野菜振興部


【要約】

 1月の輸入量は、生鮮野菜や乾燥野菜が減少したものの、冷凍野菜や塩蔵等野菜などが増加したことから、全体の輸入量は前年並みとなった。

(1)令和2年1月(速報値)

令和2年1月の野菜輸入量は、23万1372トン(前年同月比951トン増、0%増となった。生鮮野菜、乾燥野菜及び酢調製野菜が前年同月を下回った中、冷凍野菜、塩蔵等野菜、その他調製野菜、トマト加工品およびその他が前年同月を上回ったことから、全体の輸入量は同0%増と前年同月並みになった(図1、表1)。

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(2) 生鮮野菜

生鮮野菜の輸入量は、にんじん、にんにく、しょうがなどが前年を上回ったものの、結球レタス、キャベツ、メロンなどが前年を大幅に下回ったことから、全体での輸入量は前年同月比12%減と前年をかなり大きく下回った(図2)。

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主な品目のうち最も増加率が高かったのはにんじんで、7044トン(同999トン増、17%増)となった。国別の内訳は、第1位が中国の6561トン、第2位がベトナムの281トン、第3位が豪州の122トンであった。前年は国産品が安値で推移したことで輸入量が減少したことから、前年を大幅に上回る輸入量となった。

にんじんに次いで増加率が高かったのはにんにくで、2016トン(同204トン増、11%増)となった。国別の内訳は、第1位が中国の1876トン、第2位がスペインの129トン、第3位が米国の10トンであった。中国産の引き合いが強く、実需者が早めに手当てを行ったことから、前年をかなり大きく上回る輸入量となった。

にんにくに次いで増加率が高かったのはしょうがで、1431トン(同91トン増、7%増)となった。国別の内訳は、第1位が中国の1386トン、第2位がインドネシアの25トン、第3位がタイの21トンであった。主要な輸出先国である中国が減産となり、国際需給がひっ迫していた中、実需者が早めに手当てを行ったことから、前年をかなりの程度上回る輸入量となった。

一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのは結球レタスで、1614トン(同832トン減、34%減)となった。国別の内訳は、第1位が台湾の1556トン、第2位が韓国の37トン、第3位が中国の11トンであった。

結球レタスに次いで減少率が高かったのはキャベツで、2465トン(同1143トン減、32%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の2425トン、第2位がベトナムの38トン、第3位が米国の1トンであった。これらの品目は、国産品が安値で推移したことから、前年を大幅に下回る輸入量となった。

キャベツに次いで減少率が高かったのはメロンで、1134トン(同385トン減、25%減)となった。国別の内訳は、第1位が豪州の348トン、第2位がメキシコの333トン、第3位がグアテマラの250トンであった。主要な輸出先国であるメキシコにおける、9月のハリケーンによる生育遅れと小玉傾向により輸出量が伸びなかったことから、前年を大幅に下回る輸入量となった(表2)。

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(3)冷凍野菜等

冷凍野菜の輸入量は、ほうれんそう等、さといも、いんげん豆等などが前年を下回ったものの、いちご、えだまめ、スイートコーンなどが前年を上回ったことから、全体では前年同月比3%増と前年をやや上回った(図3)。

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主な品目のうち最も増加率が高かったのはいちごで、2522トン(同535トン増、27%増)となった。国別の内訳は、第1位が中国の1208トン、第2位がエジプトの504トン、第3位がチリの373トンであった。

いちごに次いで増加率が高かったのは、えだまめで5204トン(同870トン増、20%増)となった。国別の内訳は第1位が台湾の2431トン、第2位が中国の1382トン、第3位がタイの1107トンであった。

えだまめに次いで増加率が高かったのは、スイートコーンで3754トン(同392トン増、12%増)となった。国別の内訳は第1位が米国の2419トン、第2位がタイの652トン、第3位がニュージーランドの277トンであった。これらの品目は、在庫調整により輸入量が増加したとみられる。

一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはほうれんそう等で、4342トン(同656トン減、13%減)となった。国別の内訳は第1位が中国の4094トン、第2位が台湾の78トン、第3位がイタリアの53トンであった。

ほうれんそう等に次いで減少率が高かったのはさといもで、2948トン(同292トン減、9%減)となった。国別の内訳は第1位が中国の2944トン、第2位が台湾の4トンであった。

さといもに次いで減少率が高かったのはいんげん豆等で、2094トン(同71トン減、3%減)となった。国別の内訳は第1位が中国の1337トン、第2位がタイの495トン、第3位がインドの83トンであった。これらの品目については、在庫調整により輸入量が減少したとみられる(表3)。

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生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、塩蔵等野菜のきゅうり及びガーキンで2446トン(同848トン増、53%増)、酢調製野菜のしょうがで1706トン(同186トン増、12%増)、トマト加工品のトマトピューレ等関割で3455トン(同490トン増、17%増)、その他調製野菜のにんじんジュースで2442トン(同670トン増、38%増)などであった。

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