野菜振興部
12月の輸入量は、冷凍野菜やトマト加工品が増加したものの、国産野菜の順調な供給量を背景に生鮮野菜などが減少したことから、全体では2%の減少となった。
また、令和元年通年では、国産野菜の順調な供給量を背景に生鮮野菜が16%と大幅に減少し、全体では5%の減少となった。
令和元年12月の野菜輸入量は、23万9971トン(前年同月比4659トン減、2%減)となった。冷凍野菜、トマト加工品およびその他以外の類別がすべて前年同月を下回ったことから、全体の輸入量は同2%減と前年をわずかに下回った(図1、表1)。
生鮮野菜の輸入量は、メロン、にんじん、ジャンボピーマンなどが前年を上回ったものの、キャベツ、結球レタス、たまねぎなどが前年を大幅に下回ったことから、全体での輸入量は前年同月比9%減と前年をかなりの程度下回った(図2)。
主な品目のうち最も増加率が高かったのはメロンで、1811トン(同436トン増、32%増)で、国別の内訳は、第1位が豪州の1111トン、第2位がメキシコの554トン、第3位がグアテマラの128トンであった。前年は主産地の低温・降雪により大幅に減産したことから、前年を大幅に上回る輸入量となった。
メロンに次いで増加率が高かったのはにんじんで、8666トン(同972トン増、13%増)で、国別の内訳は、第1位が中国の8526トン、第2位が豪州の130トン、第3位が米国の10トンであった。台風などの影響から国産品の入荷量が少なめとなったことから、前年をかなり大きく上回る輸入量となった。
にんじんに次いで増加率が高かったのはジャンボピーマンで、3696トン(同354トン増、11%増)で、国別の内訳は、第1位が韓国の3227トン、第2位がニュージーランドの464トン、第3位がオランダの4トンであった。前年は輸入量が減少したことから、前年をかなり大きく上回る輸入量となった。
一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはキャベツで、2182トン(同1091トン減、33%減)で、国別の内訳は、第1位が中国の2143トン、第2位が台湾の20トン、第3位がベトナムの19トンであった。主な輸入先国である中国の作付け遅れのほか、国産品が安値で推移したことから、前年を大幅に下回る輸入量となった。
キャベツに次いで減少率が高かったのは結球レタスで、1560トン(同329トン減、17%減)となった。国別の内訳は、第1位が台湾の1352トン、第2位が米国の122トン、第3位が韓国の62トンであった。主な輸入先国である台湾からの輸入量が減少したことにより、前年を大幅に下回る輸入量となった。
結球レタスに次いで減少率が高かったのはたまねぎで、2万2094トン(同4648トン減、17%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の2万1552トン、第2位が米国の540トンであった。第3位がオランダの1トンであった。北海道の作柄が順調であったことに加え、主要な輸出先国である中国の国内価格が堅調であったことから、前年を大幅に下回る輸入量となった(表2)。
冷凍野菜の輸入量は、スイートコーン、ほうれんそう等、いちごなどが前年を下回ったものの、いんげん豆等、えだまめ、さといもなどが前年を上回ったことから、全体では前年同月比6%増と前年をかなり上回った(図3)。
主な品目のうち最も増加率が高かったのはいんげん豆等で、2400トン(同379トン増、19%増)となった。国別の内訳は、第1位が中国の1419トン、第2位がタイの733トン、第3位がベルギーの75トンであった。前年が在庫調整により輸入量が減少したことに加え、前月まで中国の減産により輸入量が少なかったことから、前年を大幅に上回る輸入量となった。
いんげん豆等に次いで増加率が高かったのは、えだまめで5890トン(同589トン増、11%増)となった。国別の内訳は第1位が台湾の2464トン、第2位が中国の1824トン、第3位がタイの1308トンであった。在庫調整により輸入量が増加したとみられる。
えだまめに次いで増加率が高かったのは、さといもで3581トン(同101トン増、3%増)となった。国別の内訳は第1位が中国の3552トン、第2位がベトナムの19トン、第3位が台湾の9トンであった。生育期の天候不順により国産品の入荷量が減少したことから、前年をやや上回る輸入量となった。
一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはスイートコーンで、3729トン(同350トン減、9%減)となった。国別の内訳は第1位が米国の2009トン、第2位がタイの860トン、第3位が中国の397トンであった。
スイートコーンに次いで減少率が高かったのはほうれんそう等で、5028トン(同456トン減、8%減)となった。国別の内訳は第1位が中国の4776トン、第2位がイタリアの104トン、第3位が台湾の81トンであった。
ほうれんそう等に次いで減少率が高かったのはいちごで、1763トン(同102トン減、5%減)となった。国別の内訳は第1位が中国の1079トン、第2位がペルーの210トン、第3位が米国の128トンであった。これらの品目については、在庫調整により輸入量が減少したとみられる(表3)。
生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、塩蔵等野菜のきゅうり及びガーキンで1431トン(同227トン減、14%減)などであった。
令和元年の全体の輸入量は、277万6971トン(前年比15万1434トン減、5%減)となった。
類別では、生鮮野菜が、はくさい、キャベツ、結球レタスなどの葉物野菜を中心に、国産品が生育初期の天候不順や収穫期前の台風等の影響を受けたものの、価格が安値で推移したことで輸入量が減少したことから、年間の輸入量は82万2040トン(同16万1413トン減、16%減)と前年を大幅に下回った。その他、冷凍野菜が111万2369トン(同3万7077トン増、3%増)、塩蔵等野菜が7万9894トン(同6329トン減、7%減)、乾燥野菜が4万6124トン(同419トン減、1%減)、酢調製野菜が3万2563トン(同353トン増、1%増)、トマト加工品が26万2912トン(同3438トン増、1%増)、その他調製野菜が40万3958トン(同22778トン減、5%減)、その他が1万7111トン(同1363トン減、7%減)となった。