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需給動向 1 (野菜情報 2020年2月号)


1 東京都・大阪市中央卸売市場の需給動向(令和元年12月)

野菜振興部 調査情報部


【要約】

 東京都中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量が12万9528トン、前年同月比99.0%、価格は1キログラム当たり242円、同105.4%となった。
 大阪市中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は4万2028トン、同99.7%、価格は1キログラム当たり202円、同97.1%となった。
 入荷量は前年並みとなったが、前年が安値だったはくさい、だいこん、トマト、ピーマンなどで前年をかなり上回る値動きとなった、一方、豊作傾向である北海道産のばれいしょ、たまねぎでは前年の単価高から一転して、安値での推移となった。

(1)気象概況

上旬は、低気圧と高気圧が本州付近を交互に通過し、低気圧の通過後は冬型の気圧配置となり、大陸から寒気が流れ込んだ。このため、北・東日本日本海側では、曇りや雨または雪の日が多く、4 日から6 日にかけては、東北日本海側を中心に大雪となった所があった。東日本太平洋側と西日本では、天気は数日の周期で変わり、日照時間が少なく、西日本では降水量が多かった。気温は、大陸からの寒気の影響が強かった北日本と西日本から沖縄・奄美で低くなった。

中旬は、冬型の気圧配置が続かず、前線を伴った低気圧が日本海から北日本付近を通過することが多かった。このため、北日本から西日本にかけて、天気は数日の周期で変わり、北・東日本太平洋側では日照時間が少なかったが、東・西日本日本海側では日照時間が多く、降水量が少なかった。気温は、寒気の南下が弱く、低気圧に向かって南からの暖かい空気がたびたび流れ込んだため、全国的にかなり高かった。

下旬は、冬型の気圧配置が続かず、日本付近を低気圧と高気圧が交互に通過し、全国的に天気は数日の周期で変わり、27日は、低気圧の影響で東北北部を中心に大雪となった所があった。日照時間は、西日本ではかなり少なく、東日本太平洋側で少なかった。一方、東日本日本海側の日照時間は多く、北・東日本日本海側の降水量は少なかった。旬平均気温は、本州以南では大陸からの寒気の影響が弱く、低気圧に向かって南からの暖かい空気がたびたび流れ込んだため、東日本と沖縄・奄美ではかなり高く、西日本で高かった。

旬別の平均気温、降水量、日照時間は以下の通り(図1)。

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(2)東京都中央卸売市場

12月の東京都中央卸売市場における野菜全体の入荷状況は、入荷量が12万9528トン、前年同月比99.0%、価格は1キログラム当たり242円、同105.4%となった(表1)。

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根菜類は、千葉産のだいこんは暖冬と適度な降雨から生育順調であったが、神奈川産は生育遅延や病害から出荷が少なかった(図2)。

葉茎菜類は、茨城が中心となったはくさいは、前年が安値だったことから入荷増の単価高となった。また、ほうれんそうは播種遅れなどから入荷量が伸び悩み、安かった前年を大幅に上回った(図3)。

果菜類は、関東産のトマト、ピーマン、きゅうりに病害や生育不良がみられたことから入荷量は前を下回った。前年が安値だったなす、トマト、ピーマン単価前年を上回った(図4)。

土物類は、北海道産のばれいしょ、たまねぎは潤沢な入荷が続き、価格は安値安定で推移した(図5)。

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なお、品目別の詳細については表2の通り。

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(3)大阪市中央卸売市場

12月の大阪市中央卸売市場における野菜の入荷量および価格は、入荷量が4万2028トン、前年同月比99.7%、価格は1キログラム当たり202円、同97.1%となった。(表3)。

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品目別の詳細については表4の通り。

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(4)首都圏の需要を中心とした2月の見通し

産地からの情報では12月の天候は曇天が支配的で、しかも平均気温は高めであった。年明けも後も長期予報通り全国的に暖冬で推移している。日照不足はきゅうりなど果菜類にとっては過酷な環境である。またはくさいは圃場にあるものの、昨年の多雨の影響を引きずりダメージを受けており、暖冬で多雨となれば必ずしも出荷できるものばかりでない。

気象推移に敏感な農家は、この1月前半の気象は例年の展開より一カ月早い三寒四温の状況に近いとみている。これは2014年に似た展開で、関東平野の内陸にも大雪もあり得ると警戒している。何よりもハウスの倒壊を防がねばならない。

12月の東京中央卸売市場入荷量は12万9528トン(前年比99%)、価格は242円(同105.4%)となり、入荷量は前年並み、価格は前年をやや上回った。品目別ではキャベツ、たまねぎなどは低迷果菜類は、ピーマンが高く、葉茎菜類は、ほうれんそう、レタスが高くなった。そのため品目構成によっては、価格が大幅に低迷している市場もあった。今年の2月は、全体として価格は抑えられて平年並みかやや高い水準で年度末まで推移すると予想される。

根菜類 根菜

だいこんは、千葉産の肥大は平年並みとなっており、2月から出荷がスタートするさわやかだいこんもほぼ平年並みの出荷と予想される。神奈川産は1月下旬から2月にかけて、出荷が本格化してくる。中心サイズは2Lと肥大は良好で、数量的には平年並みを予想している。徳島産の生育は順調で、出荷も平年通り始まっているピークは2月いっぱいで、2Lサイズを中心に前年並みの出荷を見込んでいる。

にんじんは、現在、出荷されている千葉産は早く播種したもので、台風や長雨の影響は軽微である。暖冬の影響でやや小振りで、平年を下回る出荷になると予想している。徳島産は、暖冬の影響で1週間程度、前進出荷気味だが、出荷が本格的に始まるのは3月以降を見込んでいる。

ごぼうは、青森産の貯蔵物の出荷が4月まで続く。19年産は豊作で品質も良好であるが、市場価格が安いため、スローペースで出荷している。

葉茎菜類葉茎菜類

キャベツは、千葉産が好天と暖冬もあり、1月よりも増えて平年並みの出荷が予想される。神奈川の三浦産は、干ばつによる遅延から1月は少なめだが、2月以降に遅れた部分が出荷され数量は多くなる見込み。病気の発生もなく生育は順調である。愛知産は、暖冬により12月から全体が前進傾向で、通常、切り上がりは6月だが早まると予想される。2~3月まで前進気味で推移し、出荷の谷間はなく平年並みだった前年よりもやや多く出荷されると予想している。静岡産は、キャンディーキャベツが2月末までの計画であるが、高齢化で生産者が減って、前年を下回ると予想している。

はくさいは、茨城産が少なめのスタートとなった。昨年10月の長雨や暖冬下の降雨の影響で、2月としては平年を下回ると予想している。

ねぎは、茨城産の秋冬ねぎのピークが続いているが、現状は作業が遅れ気味である。秋の葉物類が不振であったためねぎの作業に注力し、前倒し気味での出荷が続いた。そのため年明け1~2月は例年より少なめの出荷を予想している。品質については病気の発生もなく、良好である。千葉産は台風による曲がりはあるが、総じて生育は順調である。秋冬物から冬春物への変化はあるが、月としては平年並みの出荷を予想している。

ほうれんそうは、栃木産が前年の大雨の影響で播種できなかった圃場があり、2月については前年をやや下回ると予想している。ハウスもあるがトンネルが中心である。露地のちぢみほうれんそうも、やはり昨年より少ない見込みである。埼玉産は11月以降の播種が計画通り出来たことから、出荷は増えており、トンネル栽培物となるが、2月にピークとなり、3月いっぱい出荷が続く見込み。出荷量は、今後、災害がなければ前年を上回ることが予想される。

レタスは、茨城産が2月上中旬から出荷がスタートし、後半から増えながら推移し、4月にピークとなる。生育も定植作業も順調で、充実した物の出荷が続くと予想される。静岡産は、年明け以降は後半戦となるが月まで現状維持から微減ペースで推移しよう。前年は早めに切り上がったが、今年は月いっぱいまでの平年並の出方が予想される。兵庫(淡路産は、年内は干ばつであったが、年明けは降雨もあり、さらに気温高もあり月までは安定した出荷が予想される。2Lサイズ中心に平年並の出荷が予想される。

ブロッコリーは、愛知産は潤沢で、出荷開始が一カ月ほど早まるなど大幅に前進しており、通常冬期の出荷は4月上旬までであるが、出荷が始まる中で平年を下回る可能性もある。

果菜類果菜類

なすは、高知産が曇天の影響で少なめの出荷となっており、2月以降は1月よりも増えるが、今後の天候次第という部分もあり、快晴が続くようであれば平年並みの出荷も期待できる。福岡産は、年内の出荷が多かったため、年明け以降は反動で減っている。生産者の高齢化により、作付面積が減少しているものの、2月以降は平年並みの出荷を見込んでいる。

きゅうりは、2月は宮崎産のピークであるが、このまま昼の曇天さらに夜温の高い状況が続くと前年を下回る可能性もある。群馬産がそろうのが2月中旬以降で、作業は順調に進んでいるが、暖冬かつ日照不足という状況下、このままの気象状況では平年の出荷量に届かないと予想される。

トマトは、熊本産については、年内出荷が前進化したこともあって、1月下旬から減って3月まで少なくなると予想している。また、例年同様、熟すまでに時間がかかることも減少傾向を促す要因となっている。愛知産の生育は順調で、2月以降も前年通り出荷される見込み。これから植替えの時期を迎え、3月までは減りながら推移する。品種は引き続き桃太郎系を中心にりんかなどとなる。栃木産は病害もなく、生育は順調である。越冬トマトの収穫は6~8段、春トマトは1~3段となるが、2月は増えながら推移する見込み。それでも作業人数の減少と昨年10月の暖秋の影響で若干前年を下回る可能性もある。

ピーマンは、宮崎産は11月にかなり出荷量が多く樹勢が弱っているため、2月は少なめの出荷となると予想している。今後の天気によるが、1月の温暖により2月の谷間は深まると予想している。茨城産は、台風後に定植のし直しや大雨の影響で根の障害が発生し、少なめの出荷になっている。2月については今後の天候次第で回復も期待できるが、平年に届かないと予想している。

かぼちゃは、沖縄産の出荷が1月下旬から始まり、3月中旬のピークに向けて増えながら推移する見込み。作付面積は前年並みで、作柄は良好である。品種は、えびすが中心でその他、栗系品種である。

土物類土物類

ばれいしょは、鹿児島産が1月末から出荷がスタートし、4月10日ごろまで出荷が続く見込み。前年も少なめであったが、今年はさらに前年を下回ると予想される。品種は、ニシユタカである。暖冬もあって病気が発生している。中心サイズは2L・Lで大玉傾向である。

たまねぎは、静岡産の新たまねぎのホワイトは葉つきで出荷する1月がピークで、2月以降はかなり少なくなってくる。黄玉は1月下旬から2月上旬がピークで、2月いっぱいの出荷と予想される。

さといもは、埼玉産の19年産は小振りで単収減となったこと、さらに出荷の前倒しにより年明けの出荷量は前年を下回ると見込み。最終は4月販売まで出荷の見込み

かんしょは、千葉産の貯蔵量は前年並みであり、中心品種はベニアズマとべにはるか。前者は2L・L中心、後者はL中心でいずれも高品質の仕上がりである。

ながいもは、青森産は11月に収穫したものだが、豊作で品質も良好である。10月まで貯蔵物の出荷となる。

豆類豆類

そらまめは、鹿児島産の出荷が2月にはかなり増えてくる見込みで、最大のピークは3~4月となる。これからの天候の推移によるが、現在は平年並みと予想される。

(執筆者:千葉県立農業者大学校 講師 加藤 宏一)

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